THE TIMES
聖火トーチ販売の代償とは
The Price of Competition
五輪の聖火リレーが始まって2日目にして、聖火トーチがインターネットのオークションに出品されるという事態が発生した。聖火トーチを使って利益を得ることを考え付いた人々の起業家精神は評価に値するのだろうか。五輪精神が称える競争心は、別に価格競争を意味しているわけではない。不景気の時代にあって、聖火トーチの販売で得られる収入は確かに魅力的だろう。しかし、五輪に参加した思い出は、オンライン決済で得られる利益よりもずっと価値のあるもののはずである。(5月21日)
The Guardian
五輪の成否は不動産市場に左右される
The Olympics could be overwhelmed by financial vicissitudes
ロンドン五輪は、政治経済の世界的な低迷を超越するような画期的な出来事となるだろう。ただすぐに五輪は閉幕し、やがてその遺産に目を向けざるを得なくなる。北京五輪のメイン会場として使われた通称「鳥の巣」の薄気味悪さもさることながら、アテネ五輪が残した莫大な負債こそが恐ろしい。五輪終了後の持続的な利用が検討されている関連施設の在り方は、結局は不安定な不動産市場の状況にかかっている。そうした現実から目を背けるためにも、五輪に熱中しようではないか。(5月18日)
Independent
企業用の特別観覧席をどうするのか
A threat of empty seats
ロンドン五輪の観戦を待ち望んでいるにも関わらず、入場券を入手できない人が多くいることは残念でならない。しかも、企業向けの特別観覧席は空席なのである。競技大会組織委員会は、全880万席のうち、8万席を企業用の特別観覧席として割り当てた。児童や高齢者向けの無料観戦席のスポンサーとなった企業に8万席を確保したのである。その仕組み自体には何ら問題はない。ただ五輪開催まで2カ月を切って、特別観覧席の少なくとも2割はまだ空席状態というのは問題だ。(5月18日)
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