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スターマー首相、EUとの関係をリセット
ブレグジット撤回説は否定

8月28日、ベルリンの首相官邸に到着したスターマー首相（写真左）とドイツのオラフ・ショルツ首相（同右）

スターマー首相は8月28日、独ベルリンを訪問し、ショルツ独首相と会談した。スターマー首相は欧州連合（EU）との関係をリセットしたいと考えていると発言したが、これはブレグジットの撤回を意味することではないと述べた。BBCが伝えた。

英独首脳は今回、新たな協力協定に関する協議を開始した。ショルツ首相と共同記者会見を行い、スターマー首相は「この協定は両国の貿易を促進して雇用を創出し、経済成長をもたらすことを目的としている」と強調した。両首脳は2025年初頭までに、防衛、エネルギー安全保障、科学技術などの分野を網羅した条約に署名することを望んでいる。また、両首脳は情報やデータを共有し、不法移民や密輸組織に対抗するための共同行動計画にも合意した。

英政府はEUとの貿易に関して、2020年後半にボリス・ジョンソン前首相が交渉した条件より良い協定の締結を目指しているが、2026年に見直しが予定されている英国の既存のEU離脱貿易協定に対する大きな変更をEUが受け入れるかどうかは不透明だ。

記者会見後、両国のより良い合意を行うために、英国はどのように譲歩していくかという記者団からの質問に対し、スターマー首相は、政府が欧州との関係を再構築したいと考えていることは「まったく明らかだ」 としたが、「これはブレグジットを撤回したり、単一市 場や関税同盟に再参入したりすることを意味するもの ではない」と強調した。

　スターマー首相はEU在住の若者に、英国で生活し働く権利を与えるユース・モビリティー・スキーム（YMS）は計画していないと主張した一方で、教育分野や文化交流を含む緊密な関係を望むとし、今回の会合では、不法移民の問題に重点を置いたと主張した。

これに対し保守党の影のビジネス・エネルギー・産業戦略相ケビン・ホリンレイク氏は、スターマー首相が「ドイツの政治家に接近し、欧州とのより緊密な関係を求めている」と非難。「スターマー氏は政治家としてのキャリアの全てを、ブレグジット撤回を企てることに費やしてきた。だから、新労働党政権がどこへ向かうのか見抜くのに天才である必要はない」と批判した。

自由民主党の外交担当報道官レイラ・モラン氏は、ショルツ氏との会談は「保守党が英国と欧州の関係を破壊し続けてきた数年を経た後の前向きな一歩だ」と評価。しかし、「新政権は欧州の同盟国とのより強い関係を再構築することにもっと意欲的になる必要がある」と付け加えた。