英各紙の電子版は5月29日付で、同28日よりロンドン公演が始まった蜷川幸雄氏演出の「海辺のカフカ」に対する批評記事を掲載した。「ガーディアン」紙と「デーリー・テレグラフ」紙が5ツ星を最高点とする評価で4ツ星を与えている。
「ガーディアン」紙は、舞台上でなめらかに動き続けるプラスチックの立方体を「幻影的な立体アートのよう」と形容。またこの立方体を動かし続けることで蜷川氏の構想を実現した黒子に「最大の賛辞が送られるべき」と称えた。
「デーリー・テレグラフ」紙も、「筋肉質な黒子」たちが移動させる透明な箱を使った舞台構成に注目。蜷川氏の手法を「素晴らしく独創的」であると伝えている。
また同紙は、演技についても「息を呑むほどに素晴らしい」と伝えている。とりわけカフカ少年を演じた古畑新之氏とナカタさん役の木場勝己氏を「ペーソスとコメディーの間を絶妙に歩んでいる」と評価。さらにはカーテン・コールを受けた「疲れ知らずの黒子」を「特筆に値する」と述べた。
Thu, 05 December 2024