(ロンドン 11月21日 時事)イングランド銀行(中央銀行)のラムズデン副総裁は20日、リーズ大学で講演し、経済の先行きに不確実性が高まる中、インフレ率が物価目標の2%を下回る状態が持続するリスクが高まった場合、より迅速な利下げが必要になる場合があるとの考えを示した。
副総裁はこの中で、政府が秋の予算案で示した増税策が及ぼす影響を含め、先行きに「重大な地政学的及びその他の不確実性が存在する」と言及。こうした不確実性を考慮すると、「インフレ率が最初の段階で2%付近にとどまり、その後より顕著に2%を下回る可能性がある」とし、英中銀が示した最新の予測を下回り、インフレの収束傾向が継続する可能性は少なくないと指摘した。
ただ、現状については「経済は正常化を続け、最近の低水準で比較的安定したインフレの傾向が続く」と評価。11月の金融政策委員会で示した、今後2年間は成長が回復し、インフレ率が2%目標をやや上回るとの予測は「妥当だ」との見方を示した。
英中銀は11月会合で、今年2回目の利下げを実施。インフレが収束過程にあると判断し、政策金利を4.75%に引き下げた。
Thu, 21 November 2024