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Tue, 19 November 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

英国のEU残留の是非を問う国民投票


The Times The Times
首相の行為に重大な意義

EUに残留するか否かを問う国民投票を実施するとの考えを発表することで、キャメロン首相は国内政治で先手を取り、保守党の団結を強固なものとし、英国独立党の存在意義を奪ってみせた。また過去50年間で初めて欧州との関係について英国民の意見を直接的に問う機会を提供し、そのほかのEU圏諸国に対してはそれぞれの国の政治体制を建て直すべきときが来ていることを改めて思い起こさせたという意味においても、首相の行為には重大な意義が含まれていた。(1月24日)


IndependentThe Guardian
首相の真の関心は国内政治

本件において首相の関心が向けられているのは、経済ではなく、政治的な側面である。それも、反乱の動きを見せている保守党の若手議員や英国独立党、さらには欧州嫌いのメディア向けの政治だ。だが有権者たちに関心事を尋ねても、EU残留の是非についての意見はほとんど聞かれない。英国をEUにとどめようと欧州各国が何らかの手土産を用意すると首相は見積もっているが、英国が不必要な危機を演出することで寄せられる反発の大きさを侮ってはいけない。(1月24日)


Independent Independent
矛盾によって破綻する提案

EU残留の是非を問う国民投票を実施するというキャメロン首相の提案は、矛盾の大きさに耐えられずにやがて破綻をきたすことになるだろう。単一市場を推進しながらEU離脱を検討することなどできないのだから。加えて「EUを離脱するかもしれない」という脅しもそれほどの効果はない。確かにドイツやフランスといった欧州各国は、英国にはEUにとどまって欲しいと考えている。しかし、自国が持つ何かを犠牲にしてまで英国を引き留めようとする国はないはずだ。(1月24日)

 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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