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Tue, 19 November 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

ジョージ王子の誕生


The Times
一般的な夫婦との違いはほぼない

ウィリアム王子は、チャールズ皇太子と全く異なる流儀を身に付けた。彼は自分らしく振る舞うことに抵抗を見せず、騒ぎ立てるカメラマンたちの存在に居心地の悪さを感じても仕方ない状況をも乗り越えていた。ウィリアム王子夫妻同士の親近感は過去の例と比べて突出しており、生まれたばかりの子を持つほかの中産階級の夫婦との違いはほぼない。様々な意味において、同夫妻はやがて彼らが統治することになる国で落ち着きを持って過ごしているように見える。(7月25日)


The Guardian
ジョージ王子は世界を映し出す鏡

ジョージ王子は、ほかの生まれたばかりの子供たちが今後生きていく世界を映し出す鏡だ。その世界を形作る存在でさえあるかもしれない。現代の英国は、かつてより社会的自由があり、人種差別が少なく、より裕福になったものの、より不平等で政治的に無関心な社会となった。ジョージ王子が王位を継ぐまでには少なくともあと50年あるが、半世紀後に王室制度は存続しているだろうか。過去50年間に英王室が見せた強さから判断すると、存続する可能性が高いだろう。(7月23日)


Independent
君主国の姿をした共和国であるべき

本紙は創刊以来、競合紙に比べて王室報道を控えめにしてきた。立憲政治上で重要なことのみ報道すべきと考えたからだ。そして、ウィンザー朝が次世代まで継続されることを決定付けたジョージ王子の誕生は、まさに立憲政治に深く関係した出来事だ。ちなみにフランスは共和国と言いながら実は君主制の国であり、英国は立憲君主国という衣装を身にまとった共和国だと言われることがある。まさに後者こそ英国のあるべき姿であり、今後も長らくそうあるべきだ。(7月23日)

 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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