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Tue, 19 November 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

中国による尖閣上空への防空識別圏設定

The Times
「タイムズ」紙 11月29日

中国への対応には巧妙さが必要

中国が筋肉をほぐしただけで、世界全体がうごめきを感じてしまう。中国政府が東シナ海上の空域に防空識別圏を設定したことで、国際紛争の危険性が高まり、アジア地域の軍拡競争が引き起こされる可能性がある。日本は既に自衛隊としての制限を超えて戦艦や戦闘機の配備に予算を割いているが、中国と対峙できるほどの規模ではなく、日中間に冷戦時のような有事用の連絡網があるわけでもない。だから中国の行動を抑止するためには巧妙さが求められるのだ。


The Guardian
「ガーディアン」紙 11月27日

日中は実際的な対話をすべき

中国は、日本が尖閣諸島を国有化すると決意したことで事態が変化したと主張している。だが日本の国粋主義者たちの示威行為に利用されるのを防止するために同措置が取られたことまでは中国は認めたがらない。昨年には台湾と日本が双方に利益をもたらすことを目的とした漁業に関する取り決めを結んだ。これは北海の権益をめぐって取られた仕組みであり、この種の紛争を解決する唯一の合理的な方法だ。日中は実際的な対話を始めるべきである。


The Independent
「インディペンデント」紙 11月27日

オバマ米大統領にとっても試練

中国による防空識別圏設定を受けて重要となるのが米国の対応である。まず米国が日本の領土を防衛する義務が戦後に定められている。これに加えてアジアに軸足を置こうとする米国の外交政策上の意味合いにおいても、オバマ大統領にとっては試練となり得るのだ。安倍首相は時折、不快感を催させるほどに国粋主義的な傾向を見せる。米国は地域の安定を維持することに努めると同時に、こうした国粋主義的な姿勢を支援しないよう留意しなければならない。


 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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