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Wed, 20 November 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

英国各地を襲った暴風雨

The Times
「タイムズ」紙 1月8日

洪水対策強化で修復費は節約

気象庁によると、英国は先月に1969年以来の強風、93年以来の降水量、53年以来の高波に見舞われた。さらに過去2日間では、4階建ての高さに相当する高波が見物客たちを襲い、一部の海岸線の姿さえ変えてしまった。気候変動に関する政治的な議論へと脱線する必要はない。2015~21年における護岸や氾濫(はんらん)原の管理予算は実質ベースで凍結となっているが、こうした予算に資金を投入すればするほど、洪水被害の復旧工事にかかる費用は節約できるのである。


The Daily Telegraph
「デーリー・テレグラフ」紙 1月5日

地域の民間機関も貢献すべき

氾濫原に多くの家が建てられているようになった現代では、浸水に関して我々はかつてないほど高い危険にさらされている。新規住宅の需要を鑑みれば、氾濫原への住宅建設の全面的禁止は非現実的だとする識者の声もある。だからこそ、洪水に対する対策が必要とされるのだ。経済が回復するに伴い、インフラ整備費を増額する意向を政府は示しているが、この費用は国民の税金のみで負担すべきものではない。地方政府や地域の民間機関も貢献を果たすべきである。


The Guardian
「ガーディアン」紙 1月8日

洪水対策は絶対不可欠な支出

過去数週間に英国を襲った暴風雨は、真新しいものでもなければ、予期できないような代物であったわけでもない。今や異常気象は一般的な事象となりつつある。仮にこうした異常気象と気候変動との関係性がないとしても、舗装された路面や集約農業、氾濫原への建物の建設といったものが洪水の危険性を高めている。私たちは、そんな世界に生きているのだ。政府は洪水対策を任意の支出として見なすのではなく、絶対不可欠なものとして肝に銘ずるべきである。


 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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