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Wed, 25 December 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

スコットランド独立を問う住民投票後の英国

The Times
「タイムズ」紙 9月24日

英国的であるということとは

スコットランド独立を支持したテニス選手のアンディ・マリーに対する嫌がらせがあるというが、馬鹿げている。いかなる投票結果も妥当と見なされるべきはずだ。スコットランドの独立に賛成したスコットランド人は、英国人的ではないというわけではない。英国らしさを好まない者をも諸手を挙げて歓迎するのが、英国的であるということのパラドックスなのである。アンディ・マリーは誇り高きスコットランド人であり、英国の代表でもあることを示す好例である。


The Daily Telegraph
「デーリー・テレグラフ」紙 9月21日

国家指導者の振る舞いではない

キャメロン首相はスコットランドの独立反対運動を通じて、労働党の面目をつぶし、英国独立党を出し抜こうとした。そして首相官邸前で、スコットランドへの権限移譲を進めるのと同時に、スコットランド人の国会議員に対するイングランド人の不満を汲むべきと述べたのである。これは分裂しかけた国家をまとめようとする人間の行為でも、国家指導者の振る舞いでもない。彼は中央政府に批判的な人々が持つひどく冷笑的な偏見でさえ事実であると証明してしまった。


The Guardian
「ガーディアン」紙 9月24日

さらなる住民投票がやって来る

スコットランドにおける住民投票のトラウマを乗り越えようとしている間に、また次の住民投票がやってくる。キャメロン首相による欧州連合(EU)からの離脱を問う住民投票実施の公約が、ますます軽率で不運な行為に見えてきた。EU離脱はひょんなことをきっかけとして起こり得る。スコットランドでは、住民投票についての議論が国内の問題を論じる場にすり替わり、保守党政権が不人気であるという事実がより大きな問題へと影響を与えたのである。


 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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