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Tue, 19 November 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

RBS 前CEO グッドウィン氏の爵位はく奪


The TimesThe Times
そもそも爵位の受勲が間違い

Goodwin should not have been given a knighthood

危険を顧みない経営スタイルで知られたグッドウィン氏にナイト爵を叙勲したこと自体がそもそもの間違いであった。氏の経営判断がどのような結果をもたらすのかまだ分からない段階で、爵位を授ける必要などなかったのである。だが、商業的に失敗したからという理由で爵位を没収するとの悪しき前例を作ることには首を傾げてしまう。称号没収委員会は国民感情を静める方策として爵位の没収を決定したに過ぎない。こうした措置は、受勲するに値しない傲慢な実業家に爵位を保持させ続けるよりもずっと大きな問題をはらんでいる。(2月1日)


The IndependentThe Independent
負のメッセージになりかねない

It sends out the profoundly off-putting signal

確かに、グッドウィン氏の誤った経営判断はRBSを破産寸前にまで追いやり、同銀には450億ポンドの税金が投入されるに至った。しかし、氏からナイト爵をはく奪するのが正しいのであれば、他銀の経営陣など、不名誉を被るべき人間はほかにもたくさんいる。また、政治家の責任は問われないのだろうか。何よりも同氏の待遇は、英国は企業と富裕層に対して冷たい国であるとの負のメッセージを発信することになりかねない。(2月1日)


Daily MailDaily Mail
強欲な銀行員たちへの教訓

Bankers’ greed and a matter of dishonour

グッドウィン氏と言えば、今後数十年は続くであろう不景気を引き起こした金融街シティの強欲ぶりと無謀さを象徴する存在である。その彼が「金融界への貢献」という理由で2004年にナイト爵を受勲したことは皮肉だ。だが爵位のはく奪は、決して同氏への報復を意図した措置ではない。むしろ我々は、広く銀行家たちが、これまで通りに物事を進めることはできないという明確なメッセージを受け取ることを期待しているのだ。(2月1日)

 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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