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Tue, 19 November 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

キャメロン首相のスコットランド訪問


The TimesThe Times
キャメロン首相の戦略は賢明

The strategy he adopted was sensible

生粋のイングランド人であり、イングランド人が支持者の大多数を占める保守党の党首であるキャメロン首相のスコットランド政府訪問には困難が予想されていた。そうした状況下で、スコットランドが独立した場合の不利益ではなく、英国に属すことの利点を演説で強調した首相の戦略は賢明だった。スコットランドの独立問題については今でも多くの懸念が残る。しかし、この問題についての論議が、英国に所属することの利点を語ることによって始まったとの事実は何とも心強い。(2月17日)


The GuardianThe guardian
キャメロン首相は4つの罠をかいくぐった

Mr Cameron avoided four important traps

植民地の支配者のように受け取られる。否定的な姿勢を批判される。煩瑣な手続きについての論争に巻き込まれる。サッチャー元首相の再来を彷彿とさせる。キャメロン首相は、彼に対して仕掛けられた以上の4つの罠を見事にかいくぐってみせた。偏見を持たない人々に耳を傾けてもらうために必要な文化的な配慮と敬意を示し、さらには自党の保守党を卑下してさえみせたのである。首相が論争の先陣を切った今、本問題について、様々な意見が交わされるべきときがついに来た。(2月17日)


The IndependentThe Independent
キャメロン首相は既に教訓を学んだ

He has learned the lesson

キャメロン首相はこれまでに無分別でときに常軌を逸した決断を数多くしてきたが、スコットランドで披露した演説から判断する限り、彼は既に過去の失敗から教訓を学んだようだ。首相はスコットランドの独立問題を、損得の勘定によって是非を問うものではなく、価値観の共有や心の結び付きの問題として位置付けたのである。我々は、決して同一の通貨や北海油田の利権を保持するためではなく、根本的な信念からスコットランドが英国に所属し続けることを望んでいるのだ。(2月17日)

 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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