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Wed, 20 November 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

サヴィル氏の性的虐待疑惑とBBC


The Times The Times
BBCの責任はとりわけ大きい

もし「タイムズ」紙の読者がこの社説を嫌い、本紙への支持を止めるとするならば、明日から「タイムズ」紙を購入しなければよいだけの話だ。しかし、BBCに対して英国民はそのような形で賛否を示すことができない。英国民の賛同を得ずとも、同機関には変わらず資金が供給され、影響力を保持できる。つまりBBCは特権を享受しているのだ。BBCが国民の信頼を失えば、その意味はさらに大きくなる。エントウィスル会長は徹底的な検証を行うべきだ。(10月24日)


The GuardianThe Guardian
対応ミスと性犯罪は別物

真の容疑者が既に死去してしまっている本件は、BBCの対応のあり方をめぐる、より大きな問題へと発展した。そしてBBCは、下院の特別委員会が実施される前夜に事件のあらましを振り返るドキュメンタリー番組を放送するという一仕事をやってのけた。同じくスキャンダルの後に、私立探偵を雇って下院議員の行動を監視させたニューズ・インターナショナルとは大違いである。本件の対応レベルにおける過ちと、罪そのものをごっちゃにして論じてはならない。(10月24日)


Independent Independent
問題の焦点はBBCではない

BBCの競合社が同社への猛烈な非難を展開しているが、そろそろ一定のバランス感覚が要されるのではないか。サヴィル氏による性的虐待の事実をBBCが隠蔽していた疑惑については調査されなければならない。しかし、問題の焦点はBBCではなくて、あくまでもサヴィル氏が起こした罪そのものであるべきだ。性的虐待は特定の時代と場所においてのみ発生する犯罪ではない。サヴィル事件をBBCへの総攻撃の材料としたところで、同種の事件の再発を防ぐことにはつながらないだろう。(10月24日)

 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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