これを機に家計の無駄を見直し! 英国でできる節約術 2023年版
深刻な物価高の警鐘が鳴らされて早半年が経過しようとしている。とどまるところを知らない物価の上昇に辟易するが、嘆いてばかりいてもお金は減っていく一方だ。生活費が上昇している今、これまで何気なく支払っていた料金が本当に正しいものなのか、政府からの支援金を受けることはできるのか、今一度支出を見直す良い機会なのではないだろうか。今回は、普段の生活でできる無駄を減らすための節約術を集めてみた。方法の一つひとつは微々たるものかもしれないが、「塵も積もれば山となる」の通り、長期戦でいこう。 (文:英国ニュースダイジェスト編集部)
参考: www.gov.uk、 BBC、 metro.co.uk、 https://commonslibrary.parliament.uk、 www.ofgem.gov.uk ほか
目次
英国では何が起きている?
知るのは怖いがまずは現状の把握を
商品とサービスの価格がどれだけ上昇しているかを推定したインフレ率は、2022年12月には前年同月比で10.5パーセントも上がった。これは、21年12月に1ポンドだったものが、翌年の同時期には1.10ポンド以上の費用になったことを意味する。
物価が高騰した1番の理由は、エネルギー価格の上昇だ。パンデミックが収束して人々が積極的に出掛けるようになり、元の生活習慣に戻るにつれ、石油とガスの需要が増加。同時にロシアによるウクライナ侵攻によって、ロシアから供給されていたエネルギー源が削減・停止され、ガソリンなどの道路燃料価格と家庭用光熱費がさらに引き上げられた。また、ロシアとウクライナは、小麦や農産物の大規模な生産国および輸出国でもあるため、輸出量に制限がかかった結果、欧州の穀物不足が深刻化し、食料価格を押し上げた。
2021年と22年の商品価格の比較
出典:Office for National Statistics from BBC
このような急激なインフレ率の上昇に対し、実質賃金が伴っていないのが人々を苦しめている原因だ。国民統計局(ONS)の調べによると、英国の平均賃金は21年の同時期と比較して9〜11月の間に6.4パーセント上昇し、過去20年の間で最も短期間で急速に増加している。しかし、この最悪なインフレ率には追いついておらず、実質平均賃金は低下し、家計に打撃を与えている。
以下のURLは国民統計局とBBCが共同で作った個人向けインフレ計算ツールだ。数値を入れると家計のインフレ率を示し、過去1年間で最も価格が上昇したものを特定できる。
2023年のエネルギー価格はどうなる?
英投資雑誌「マネーウィーク」のアナリストは、現在卸売ガスの価格は下降気味に転じているものの、エネルギー会社はまず十分な供給に注力するため、各世帯にこの影響が反映されるまでにまだ数カ月はかかるだろうと予想している。また同誌は、市場調査会社「コーンウォール・インサイト」が定期的に発表している23年の一般家庭におけるエネルギー価格の平均の予測を引用しており、それによると23年4月には年間あたり3208ポンド、7〜8月、9〜12月は2200ポンドまで下がるという。
現在政府は、ガスや電気のサプライヤーが使用エネルギー単位あたりに請求できる金額を制限することで、エネルギー価格の増加から顧客を保護する「エネルギー価格保証」(Energy Price Guarantee)を実施している。これは23年3月までの一時的な措置であり、各世帯は申請せずとも自動的にこのスキームが適用されている。現在、一般的な世帯では、一般家庭の年間の光熱費が平均2500ポンドに収まるように設定されているが、今年の4月から24年4月までは、これが3000ポンドに引き上げられる予定で、各家庭からの支出がさらに増える見込みだ。
アナリストは、エネルギー部門の規制機関Ofgem(オフジェム)が新しいエネルギー価格の上限を低く設定し、23年下半期には各世帯への請求額が下降すると予測しているのに対し、現在の政府の政策では、一般家庭へのサポートは減る。一見朗報と思えたエネルギー価格減少の予測でも、政府がどの程度サプライヤーへのサポートを行っていくかによって、今後のエネルギー価格は大きく変動していくだろう。どんな状況になっても安心できるように、今から少しずつ家計を見直し、節約を始めるのが得策といえる。
無駄な支出がないか改めて確認を!今すぐできる節約術
日々お金を使うからこそ、できるならなるべく安く支払って、余りを貯蓄にまわしたい。忙しい毎日をおくるなかで、大切な時間を浪費するような原始的なやり方でなく、すぐに実践できる賢い節約術を探してみた。
まずは基本から固定費の支出と使い方の見直し
大きな出費となるのが光熱費や自動車保険などの固定費。面倒だがまずはここから見直し、現在の制度についても確認してみよう。
一般世帯対象のスキーム
- Energy Price Guarantee(エネルギー価格保証)
22年10月1日から英国の全ての世帯に自動的に適用され、家庭の電気とガスの単価が引き下げられた。一般的な世帯で3月までは平均2500ポンド、4月から平均3000ポンドとなるが、請求は実際に使用したエネルギー消費量に基づくため、居住者の人数や物件の種類、エネルギー効率によって変動する。
- Energy Bills Support Scheme(光熱費支援制度)
22年10月〜23年3月にかけて、イングランド、ウェールズ、スコットランドの家庭の光熱費は計400ポンドの分割割引がされている。支払い方法によって異なるが、基本は毎月1週目にクレジットとして、もしくは直接入金される形で適用(10、11月66ポンド、12〜3月67ポンド)。申請の必要はないが、適用されたかどうか状況がよく分からない場合は契約の電力会社に問い合わせを。北アイルランドの世帯は、「the Northern Ireland Energy Bills Support Scheme」(北アイルランド・エネルギー・ビルズ・サポート・スキーム)を通じて、1月に一括で600ポンドの割引。
政府はこの二つの政策によって、一家庭の年間光熱費が1300ポンド安くなると見積もっている。また、23年4月からは求職中や所得補助を受けているなど、一定の収入に満たない世帯に900ポンド、年金受給者の世帯に300ポンド、特定の障害給付を受けている人に150ポンドが支給される。
携帯料金の見直し
電話の頻度、データ通信の使用状況を再確認し、今のプランが使用頻度に見合っているか今一度確認を。長期契約更新間近で料金の割引ができそうな可能性があれば、自動更新前にサプライヤーに直接問い合わせ、他社に乗り換えるかもしれない意思を強調して割引やプランの交渉をするのがお勧め。乗り換える際は特典も確認するとなお良し。例えばThreeはカフェ・ネロのコーヒーが週1回1ポンドで購入できる特典が付く。また、09、0871、0872、0873、118で始まる電話番号は、通常より通話料が高くなるので注意。
処方箋の前払い
3カ月で3品目以上、または12カ月で11品目以上の薬が必要な場合、NHS処方前払い証明書(NHS Prescription Prepayment Certificate=PPC)を購入することで費用を節約できる。現在1品目あたりの処方料金は9.35ポンド。PPCの費用は、3カ月30.25ポンド、12カ月108.10ポンドで期間中は処方箋が何枚でも発行できる。
www.nhsbsa.nhs.uk/help-nhs-prescription-costs/nhs-prescription-prepayment-certificate-ppc
自動車保険の更新時には各社比較を
2022年初頭に新規顧客限定で割引ができる「ロイヤリティ・ペナルティ」が住宅・自動車保険で禁止された。継続契約も良いが、保険会社でポリシーの変更があった場合、保険料は上がってしまう。自動車保険の更新が近づいてきたら自動更新はせず、以下のような比較サイトなどを使ってその時点で自分の条件に見合った最適な会社を選び直すこと。また、全ての保険会社のメリットやポリシーが比較サイトに掲載されているとは限らないため、目星を付けたら保険会社に直接確認することがベターだ。
www.comparethemarket.com/car-insurance
家庭でできるエネルギー・コストの節約
- 温水とセントラル・ヒーティングの両方を提供するコンビ・ボイラーの流量温度を60度まで下げると、年間最大100ポンド節約できる。部屋の温度を一定に保つサーモスタットの設定温度に達するまでいつもより時間がかかる可能性があるが、そこは厚着するなど工夫して乗り切ろう。なお、65歳以上の方や持病のある方がいる場合は無理をせず65度以上の設定で。
- あまり使用していない部屋のラジエーターの温度設定を2.5〜3(約18度)に下げると、年間最大70ポンド節約できる。完全にオフにするとエネルギー効率が低下し、いざ使おうとするときに温度を上げるためにエネルギーをたくさん消費するので、低い設定に保っておくのがベスト。
- 低温で衣類を洗濯して年間最大40ポンド節約。洗濯機によっては40度から30度に変更すると、同量のエネルギーを使用して2回洗えるところを、3回洗濯できる。
- 使用中のエネルギー量の情報をリアルタイムに提供するスマートメーターを設置する。使用量をより細かく制限できるほか、エネルギー供給業者に自動測定値が提供されることで請求額の見積もりが不要になり、予算作りが簡単になる。また、スマートメーターがあれば、電力需要が高まる時間帯にエネルギー使用量を削減する計画に参加することで、冬の間100ポンドあたり節約ができるナショナル・グリッドのDemand Flexibility Serviceに参加(条件あり)でき、さらなる節約が期待できる。 www.nationalgrideso.com/industry-information/balancing-services/demand-flexibility
まだある家での節約術
もうよく聞かれる節約法かもしれないが、改めてまとめてみた。ネット上にはさらに細かな方法が紹介されているので、これを機に積極的に試してみてはいかがだろうか。
- 冷蔵庫内の配置や保存方法を変える。忘れ去られがちな果物や野菜を野菜室から取り出し、棚の正面と中央に配置すると見つけやすくなる。また、ミンチした肉を冷凍保存する場合は、食品を大きなフリーザー・バッグに入れ、めん棒でできるだけ平らに押して空気を追い出すこと。これにより表面積が増加し、少ないエネルギーで冷凍ができる。
- 水道システムのライムスケールを処理することで、電気代を12パーセント削減できる。
- カー・シェアに車を登録。Karshareは、地域の所有者から手ごろな価格の車を簡単に予約しできるカー・システム。もし普段あまり車を使わないのであれば、レンタカーより安く、近年需要が多いカー・シェアリングをエアビー感覚で行うのもあり。貸し出し料金や時間、走行距離の制限を自分で設定でき、Karshare独自の技術でキーレス・テクノロジーを搭載するので、オリジナルのキーを他人に渡さなくていいのも安全。平均で月に数百ポンドは利益がでる。
https://karshare.com/ - Vinted、Depop、eBayなどで衣服、家具や小物などセカンドハンド品を売る。
- ペット・シッティングをする。Roverは飼い主が犬や猫などのペット・シッティグを家の近くでしてくれる人を探すサービス。ここでシッターに登録すれば、空き時間にお金を稼ぐことができる。登録後は同社の従業員ではなく、独立したビジネスを経営しているという扱いになるので、登録前に納税に問題がないかどうかまずは確認を。
メンバーシップやアプリを活用日用品の購入
各スーパーマーケットのメンバーシップ制度は、購入額に応じたポイント加算のほか、さまざまな特典がある。出先ではアプリを活用してお得に買い物を。
各スーパーマーケットの特典
Waitrose
会員限定の日々のオファーに加え、過去に購入した商品を基にパーソナライズされたバウチャーが発行される。毎週金曜に指定の魚、土曜に指定の肉が店頭のカウンターで20パーセントオフ。特定の店舗では、ウェルカム・デスクで手続きをするとドライ・クリーニングが5パーセントオフに。また、パンデミックによって休止になっていた、店内での無料コーヒーの配布が昨年秋に復活。店内で何かしらの商品の購入時に会員カードをスキャン後、店内にあるコーヒー・マシーンでコーヒーが入れられる。環境配慮のため紙コップはないので、自分のカップを持っていく必要がある。
M&S
店舗やオンラインでの買い物、商品のレビューを書くごとにポイント「スパークス」がたまるシステム。買い物ごとに事前に選択した慈善団体に自動で寄付されるというのも英国ならではの制度だ。スパークスの累計ポイントが増えるにつれて、購入商品を基にしたオファーやイベント、またセール時の優先アクセスなどの特典が付く。また、各店舗で週に1度ランダムに選出された顧客の購入品が無料になるうれしいサービスもある。比較的大型の店舗に併設されているM&Sカフェではホット・ドリンクを6杯購入すると7杯目が無料に。さらに自分のカップを持参することで割引価格で購入可。
Tesco
テスコでの買い物で、1ポンドで1ポイントがたまり、150ポイント(1.50ポンド相当)からバウチャーとして利用できる。会員限定価格の商品が多いのが特徴。定期的に送られてくる郵送のバウチャーもある。アンケートへの回答、テスコ・モバイルやテスコ内の薬局(処方箋以外)、ガソリン・スタンドなどの利用でもポイントがためられる。バウチャーは、Hotels.comやイングリッシュ・ヘリテージ、レイル・カード、ヴァージン・アトランティック・フライング・クラブ・プログラムなどの名の知られている100以上の提携先のメンバーシップにて使うことが可能だ。
Sainsbury’s
エクスペディア、イーベイ、エイソス、ホランド&バレット、ブリティッシュ・エアウェイズ、ナショナル・トラストなど、英国の500以上の企業やショップでポイントをためることができる。ポイントの獲得先によって還元率は変動するが、セインズベリーズでの買い物なら1ポンドで1ポイント、500ポイント(2.50ポンド相当)から店舗またはオンラインで使用可能。セインズベリーズ利用のみでのポイント集めは、テスコに比べて還元率があまり良くなく効率が悪いものの、ポイントをためられる&使える店舗が豊富で、選ぶ店によってはポイントが一気にためられるのが強み。
Lidl
リドルは倉庫や陳列棚を持たず商品の入った段ボール箱を店内に積み上げる形でコスト削減を実現した、ドイツ系のディスカウント・スーパー。一般的なスーパーで購入できる商品に加え多くの自社ブランドを販売し、低価格を維持している。リドルではプラスチックのカードはなく、アプリのみ。アプリを開くたびにお買い得商品や食料品のクーポンはもちろん、Jet2holidaysなどのパートナーシップを結んでいる企業からのオファーなどが受け取れる。また、商品を購入し会員カードをスキャンすることで、よく買う商品に関するバウチャーが表示されるようになっている。
Morrisons
イングランド北部を中心に全国展開しているモリソンズ。ロンドンではあまり見かけることがないが、中心地から少し離れた地域に大型店舗が点在する。以前はモリソンズ・モアというポイント式のカードを採用していたが、現在プラスチック製のカードは環境保護のために廃止され、アプリでの運用に変更され、来店後タップすればすぐに使える特典オファーに特化したシステムになった。パーソナライズ化されたクーポンに加え、購入時にカードを利用し続けることにより、運が良ければバスケット・ボーナスと呼ばれる、5ポンド引きで次の来店時に商品が購入できるボーナスが手に入る。
食品ロスの削減アプリ
アプリ「Too Good To Go」。受け取り時間は大抵15〜23時台
飲食店の売れ残り商品を格安で売りたい飲食店と購入したい人を繋ぐことで、食品ロスの削減を目指すアプリ「Too Good To Go」を使うのも食事代削減の手助けになる。アプリに登録すると、今いる場所の近くにある、食品の売れ残りが懸念される店舗から早めに通知が届き、通常の約3分の1の価格で購入できるというもの。ラインナップはその日の売れ行きによるため、日によってランダムな選択肢にはなってしまうものの、チェーン系のカフェやレストランからも商品が買えるので、飲食店の多いエリアにいるとより利用しやすいはず。
また、同アプリにはスーパーマーケットのモリソンズも登録されており、こちらは3.09ポンドで10ポンド相当の野菜や果物、ベーカリーなどの食品がどっさり入ったグローサリーズ・マジック・バッグが販売。食べ盛りの子どもがいる家庭などにはぴったりのサイズだ。
大人も使えるレールカードや人数割鉄道などの交通費
イングランドでは3月より鉄道料金が最大5.9パーセントの値上げに。が、まだまだ安く旅に出る道は残されている。
credit:iStock.com/bunsview
ロンドン交通局(TfL)を通学・通勤で利用する場合、割引料金で鉄道に乗れるレールカード(Railcard)とオイスター・カードを紐付けるのがベスト。16-25 Railcard、26-30 Railcard、Senior Railcardなど年齢に応じてさまざまなタイプがある。このカードはオフ・ピーク時にロンドン市内、南東エリアに行くときに運賃の3分の1を割引いてくれるもの。公式サイトから購入後、地下鉄スタッフにオイスター・カードにリンクさせたい旨を伝えると、駅の切符販売機を使って行ってくれる。年間平均で134ポンドも運賃が浮く以外にもさまざまな特典がついて、費用は1年間で30ポンド。
また、レールカードを持っていなくても、3〜9人で同じ行き先の鉄道チケットを購入すると、オフ・ピークチケットが33パーセント割引価格になるGroupSaveも忘れずに(一部例外の路線やサービスあり)。GroupSaveとレールカードの併用はできないので、2人以下ならレールカードを適用させよう。レールカードが1枚あれば、持ち主以外に3人までが割引料金で乗車できる。
地下鉄を利用する際にオイスター、コンタクトレス・カードでありがちなタッチミスや同じ駅でタッチイン&アウトをしてしまったときはリファウンドを忘れずに。基本はどちらも自動で払い戻しとなるが、最大運賃を請求されてしまった場合やいつまでもTfLの動きがない場合は、8週間以内にリファウンドの手続きをオンライン、または0343 222 1234へ電話して進める。同一の駅でタッチイン・アウトをした場合も同様。こちらは過去7日間に同じことをやっていないかの確認後に自動払い戻しとなるが、48時間経ってもなければリファウンド手続きを。また、オーバーグラウンドとエリザベス線で30分以上の遅延があった場合、条件付きで払い戻しが可能。
普段よく行くからこそ知っておきたいチェーン・カフェの会員制度
コーヒー1杯も目に見えて価格が上昇しているからこそ、ポイント・カードやお得な制度のシステムをしっかり理解しておこう。
カフェ・ネロは紙のポイント・カードからアプリに移行中だ
コスタ・コーヒーはコスタ・クラブというメンバーシップ。店頭かスーパーマーケットの店内などに設置されているコスタ・エクスプレス・マシンでドリンクを1杯注文すると、1ポイントがたまる仕組みで、8杯飲むと9杯目が無料になる。誕生日を登録すると当日にケーキが無料でもらえる。自分のカップを持ち込むと、1回ごとのスタンプが2倍に。
プレタ・マンジェではポイント・カードの代わりにドリンクのサブスクリプションを行っており、初月は12.50ポンド、以降毎月25ポンド。1日の上限は5杯で、次のドリンクをオーダーまで30分間隔が空いていればOK。コーヒー好きでとにかく飲みたい人にお勧め。
カフェ・ネロはバリスタが作ったドリンクを対象にアプリのポイント・カード制度を採用。9杯飲むと1杯が無料になる。また、ネロの店頭でウェイトローズの会員カードとネロのアプリを紐付けし、ネロのアプリで支払いを行うと、初回にコーヒー無料バウチャーがもらえ、それ以降は食品や軽食を含む季節限定のメニューが25パーセントオフ、毎月限定のオファーが届く。
スターバックスはスターバックス・リワーズというシステムで、1ポンドで3スターがたまり、150スターがたまるとドリンク1杯無料。450スターでゴールド会員となり、エスプレッソ、指定のシロップ、ホイップ・クリームのエクストラ・ショットが追加でき、誕生日には無料ドリンクが提供される。
子ども割以外の選択肢子ども限定の特典
ハーフ・ターム期間など、お子さんと長く多く過ごす機会の多い英国。無料や割引になるサービスは積極的に活用していきたい。
マックス・カードは、里親とその子どもや、教育的ニーズのある0〜25歳へ向けた年間の割引カード。地方自治体や慈善団体が提供するこのカードは、資格のある家族にシー・ライフやレゴランド®・ウィンザー・リゾートなど、英国中のアトラクションへの無料または割引入場券を提供する。費用は提供元により異なるが、5ポンド前後。
また、ハーフ・ターム時期のスーパーマーケットの併設カフェでは、毎年キッズ・ミールが無料になるサービスが。昨年はテスコ・カフェで60ペンス以上の買い物をしたテスコ・カードをレジでかざすと、子ども向けのホット・ミールやブレックファストが無料。モリソンズやアスダでも似たようなスキームがあった。今年も時期が近づいてきたらぜひチェックしてみてほしい。
目に見える形で生活費を管理銀行、キャッシュバック
銀行が自動で貯蓄してくれるアプリや日常的に使えるキャッシュバック・サイトなど、こまめな節約・貯蓄が長期的にできるツールを紹介。
マイクロセービングス
マイクロセービングス(Microsavings)は、組織や金融機関が個人顧客へ貯蓄を奨励するマイクロ・ファイナンスの一形態。従来の普通預金口座に似ているが、少額の預金用に設計されているもので、貯蓄が苦手な人でもこれを利用すれば、アプリが勝手にため続けてくれる。
オンライン銀行のモンゾー(MONZO)では、IFTTT(If This Then That)という機能をアプリにプラグインできる。その中のラウンド・アップ(Round up)と呼ばれるツールを使うと、支払い端数を貯蓄してくれる。例えば1.60ポンドで何かを購入すると、アプリはその数値を2ポンドとして支払い、自動的に40ペンスを貯蓄する。また、1ペンス・セービングス・チャレンジ(1p Savings Challenge)というツールもあり、1月1日は1ペンス、1月2日は2ペンスと、毎日1ペンスずつ増えながら指定の貯蓄ポットにためていくというもので、毎年1月1日に金額が自動的にリセットされる。12月31日には1日の貯蓄額が3.65ポンドまで上がるが、途中でストップさせることもできるので、どこまでやれるか挑戦してみるのはいかがだろうか。順調にいけば1年で667.95ポンド貯蓄できる。
また、同じようなカードのレボリュート(Revolut)は、ラウンド・アップ機能に加えてサブスクリプションの管理ができ、アラート機能を使えば更新日が近づくと知らせてくれる。また、預金残高の通貨から別の通貨に、為替手数料なしの実際の為替レートのみで自動的に変換することができるので、日本に一時帰国する場合などに便利。
このほかにも、銀行アプリにはさまざまな機能が搭載されているので、新規で口座を作る前に一度今使用しているアプリを見直すのがお勧めだ。
レボリュートの管理画面。何にいくら使ったかを自動で算出してくれる
キャッシュバックを利用
キャッシュバックとは、商品の購入後に現金が直接消費者に割り戻されること。英国ではカフェやショップなど、販売促進の一環で目にする機会の多いキャンペーンの一つだ。もし、ウーバー・イーツなどのデリバリーや旅行でホテルや鉄道をよく使う人がいたら、Complete Savingsというキャッシュバック・サイトを使うのも手。同サイトには750以上のショップやサービスが登録されており、購入額の10パーセントからキャッシュバックが可能。月額15ポンドだが、1カ月に1回、キャッシュバックを利用したお店を「マンスリー・ボーナス」として同サイトから申請でき、これにより15ポンドが返ってくるので、使い続ければ会費は実質無料で、キャッシュバックのみが受け取れる。
頻繁にオンライン・ショッピングをする方向けのComplete Savings