ニュースダイジェストのグリーティング・カード
Tue, 26 November 2024
大人の嗜み 葉巻の世界を覗いてみよう
葉巻といって思い浮かべるのは、元首相チャーチルに日本の政治家、吉田茂、さらには映画に出てくるマフィアの親分といった、いわゆる 大物の面々。一般市民には縁遠い、ドラマティックな小道具のようなものと考える人も多そうだ。でも、実は英国にいる我々にとって、葉巻はとても身近な存在。英国には世界最高品質の葉巻が集まると言われ、街を見渡せば歴史を醸す重厚な構えの専門店もちらほら。世界のドンを虜にする葉巻とは、一体何なのか。細く漂う白い煙の後ろに横たわる、未知の世界を覗いてみよう。
(取材・文: Shoko Rudquist)

原産国別、葉巻ガイド

席次

キューバ 複雑で芳醇な香りを誇り、「葉巻の王様」と称される。キューバとの通商が禁止されている米国では入手不可。英国には、中でも最も高品質のものが集まると言われる。有名な銘柄には、「Cohiba」 「Montecristo」などがある。

ホンジュラス・ニカラグア 主にキューバ種のたばこ葉 を生産するため、キューバ産と似た風味を持つものの、キューバ産より安価で手に入る。他産出国より南に位置するため、日照の影響で風味の強い葉が育つとされる。

ドミニカ共和国 キューバと並ぶ葉巻産出国。非常に軽やかな風味で、日中に吸いたいときや初心者に最適。葉巻はマイルド、ミディアム、ストロングと分けられるが、一般的にドミニカ共和国産のストロングはキューバ産のマイルドより軽め。有名どころは、「Davidoff」など。

Let's Try!葉巻の嗜み方

1 シガー・カッターを用いて葉巻の先端(カットされていない方)を数ミリ切り落とし、吸い口を用意。
2 葉巻の風味を損なわないよう、サルファーの配合されていないマッチか、ガス・ライターで火を点ける。葉巻をゆっくりと回しながら円周上をまんべんなく燃やすのがポイント。
3 肺まで吸い込むのは厳禁。葉巻の芳香は、口の中でワインを味わうように味わって。
4 燃え口が斜めにならないよう、手に持った葉巻は地面と平行に保つ。
5 灰は燃焼を助けるので、落ちそうになるまでそのままにしておく。落とす際は、そっと灰皿に触れて落とし、形を崩さないように(崩れると匂いが強く立つ)。ちなみに、灰がなかなか落ちない物ほど、高品質と言われる。
6 葉巻はたばこと違い、吸わなければ自然に火が消えるので、匂いのエチケットとしても、吸い終わりにもみ消すのは避けたい。

Tip!葉巻を楽しむポイント

  • 葉巻は途中でやめると風味が落ちるため、夕食後など、1本吸い切る時間のあるときにゆったりと楽しむのがお勧め。
  • ウィスキーやコニャック、ポート・ワインなどのアルコール類と併せて頂くと、葉巻の風味が際立つと言われる。
  • 値段は、銘柄やサイズ、機械巻きか手巻きか、また品質や年代などによって大きく変わる。1本5ポンド以下と安価な物があると思えば、高価なビンテージ物なら数千ポンド。ただ、値段が高いからといって万人に受けるというわけではない。様々な種類の中から自分好みの一本を見つけるのが重要。

葉巻Q&A

質問健康への害はたばこと比べて少ないのか。

一概にそうとは言えないものの、たばこがニコチンとタール以外の化学物質を含んでいるのに対し、たばこの葉を手で巻いただけの自然の産物である葉巻は、化学物質を含まない。また、肺まで吸い込むたばこと違い、口の中でくゆらす方法で嗜むため、肺への影響は軽減される。また、1本吸うのに時間がかかるため、結果的に吸う本数が少なくなる。

質問なぜ、英国で手に入る葉巻は世界一と言われるのか。

英国の市場に出回るキューバ産の葉巻は、英国の輸入会社「Hunters & Frankau」社が一手に輸入を行うことで品質管理を徹底している。また1993年以降は、厳しい審査を通過したものだけに認証ステッカー「English Market Selection(EMS)」が貼られ、一目で分かる仕組みになっている。ちなみに、このステッカーは毎年色が変わる。今年は水色だ。

質問葉巻を吸っている途中でやめなければならなくなったら。

途中でやめると風味が落ちるので、火を点けたら1本吸い切るのが理想。だが、どうしても中断したい場合、2、3回吹いて葉巻の中にこもった煙を逃がした後、自然に火が消えるまで待ち、屋外の日陰に放置する。

質問未使用の葉巻の保存はどうすればよいか。

温度20度、湿度70%程度に保つと品質が長持ちする。乾いてしまうと辛くなる。専用のヒュミドール(保存用木箱)があれば最高だが、ない場 合はビニール袋などに入れて密封しておく。また、ごくまれに、使用されているたばこ葉に「タバコシバンムシ」なる虫の卵が付いていることがある。無害ではあるが、25度以上で保存すると、これがふ化してしまい葉巻の内部を食い荒らす。せっかくの葉巻が空っぽになってしまうのを防ぐためにも、きちんと管理しておきたい。

専門店のオーナーに聞く、葉巻の魅力
上質な葉巻が集まる英国には、取り扱う商品に独自のこだわりを持つ葉巻専門店がいくつか存在する。200年の歴史を誇る老舗から、葉巻の魅力にとりつかれたオーナーが単身始めたショップまで、その形態は様々だ。そんな専門店の中から数件をご紹介するとともに、個性的なオーナーたちに、彼らにとっての葉巻とは、を聞いてみた。

Davidoff of London
英国葉巻界の「グル」が仕切る世界的名店

Davidoff of London

スイスに本社を置く葉巻の老舗、「ダビドフ」のロンドン店。高級服飾店が並ぶジャーミン・ストリートに創業して今年で31年、今や英国葉巻界において押しも押されもせぬ名店だ。キューバ産を始めとして、ホンジュラス、ニカラグア、ドミニカ共和国から集めた最高級葉巻はもちろん、シガー・カッターや灰皿などの周辺アクセサリー、ウィスキーやコニャックなど葉巻に合うアルコール類から、雨でも粋に葉巻が頂けるようにとしゃれた傘まで扱っている。オーナーのサハキアン氏は、21歳で葉巻を吸い始め、今年で46年目というベテラン中のベテラン。業界では、葉巻界の「グル(教祖)」とも呼ばれる存在だ。あなたにとって葉巻とは? との問いには、一息置いて、「極上のワイン」。最高の仲間と過ごす、最高のひとときのためにあるものなのだそう。

ときと場合によるので難しい……と言う氏に、無理を言って選んでもらったお気に入りの1本は、「HOYO DE MONTERREY Double Coronas」(23ポンド)。ただし、上質のワインと同じように、毎日頂いていてはありがたみがなくなると念を押す。また、特別に教えて頂いたお勧めの嗜み方は、ヒュミドールから出して2、3時間置いてから吸う方法。例えばディナーの前に取り出しておいて、食べ終わったら頂く。曰く、パンをトーストしたときのように香ばしさが増すのだとか。ちなみに、彼が好んで葉巻に合わせるのは、ポート・ワイン。ふくよかな甘みが葉巻の風味を良く引き立てるそうだ。

Davidoff of London「食事と同じで、堪能するのに調理法を知っている必要も、素材について詳しい必要もない。こういうときにこういうものが楽しみたい、という要望に応えるのは、我々プロの仕事」、とのグルの心強いお言葉に甘えて、思い切って店に飛び込んでみよう。6月20~25日には、キューバから葉巻のローラーを招いてのイベントが行われる。一本一本の葉巻が丁寧に作られていく様子を、じっくり鑑賞できるまたとない機会だ。

店名 Davidoff of London
住所 5 St James's Street SW1A 1HD
TEL 020 7930 3079
営業時間 月〜金 9:00 -18:00  土 9:30-18:00  日 休
最寄り駅 Piccadilly Circus駅より徒歩6分

Tomtom Cigar
あくまで気軽なスタンスがおしゃれな新世代の葉巻店

Tomtom Cigar

葉巻専門店を始める前は、なんと農業に携わっていたという若々しい店主トムさんが仕切る「トムトム」。閑静なピムリコ・ロードから程近い、レストランやショップの並ぶ落ち着いたベルグレイビア地区に店を構える。葉巻店には珍しいすっきりとしたモダンな店内では、アロマ・キャンドルやコーヒー・ポットなども扱っていて、一見すると上品な雑貨屋さん。女性でも足を踏み入れやすい雰囲気だ。

フランス旅行の際に初めて吸った葉巻に感動、開眼したという、トムさん自身の葉巻へのスタンスもとてもモダンで、ご本人の印象も、葉巻愛好家というより、映画もコーヒーも、おしゃれも大好きな、多趣味でスタイリッシュな文化人。そんな好奇心旺盛な氏の人柄を反映し、専門とするキューバ産に加え、英国ではあまり見かけない伊トスカーナ産なども扱う。トムさん曰く、オリーブ畑をトラックで走るイタリア人農夫が吹かしている、荒削りで素朴な味のする葉巻だ。「商戦としてはどうかと思うけど」と笑いつつ、ほかにも物語性のある物を好んで仕入れているそう。お勧めの1本を選んでもらいがてら、それぞれの葉巻に眠る素敵な逸話を聞かせてもらうのも楽しそうだ。

またトムさんは、通りを挟んだ向かいで、こぢんまりとした可愛らしいコーヒー・ハウスも経営している。なんでも、初めてキューバの葉巻工場に赴いた折に、キューバ人労働者たちがコーヒー片手にのんびり休憩しているのを目撃。植物であること、芳香を楽しみ、ゆったりとした時間を過ごすためにあることなど、葉巻とコーヒーに多くの共通点があるのに気が付き、店のそばにコーヒー・ハウスを設置することを思い立ったのだとか。

Tomtom Cigarコーヒー片手に朗らかに話すトムさん、最後に言った言葉が印象的だった。「葉巻って、そのものを楽しむというより、こうやって良い時間を過ごすためのものなんだよね」。葉巻に興味のある女性や若者に、ぜひとも足を運んでもらいたいお店だ。

店名 Tomtom Cigar
住所 63 Elizabeth Street, Belgravia SW1W 9PP
TEL 020 7730 1790
営業時間 月〜金 10:00-18:00 土 11:00-18:00 日・祝 12:00-16:00
最寄り駅 Sloane Square/Victoria駅より徒歩10分
Website www.tomtom.co.uk

Cigars Unlimited
街の喧噪から離れてゆったりと葉巻選び

Cigars Unlimited

葉巻への情熱が高じてニュース映像のプロダクションを辞め、この世界に単身飛び込んだというレスリー氏が経営。ロンドン中心部から西に外れた、フラム・ブロードウェイに店舗を置く。フラムを拠点にしたのは、十分に時間を取って顧客と向き合うためだ。すべての顧客の名前や好みを熟知しているという。

店内奥には、ロンドンではこちらだけというデュアル・アクションのヒュミドールを設置。温度調節に加え、スチーム機能と気化作用を利用したデラックスな湿度管理が施される葉巻の質は、ロンドン随一だと胸を張る。その信頼性を伝え聞き、自宅に眠っていた古いビンテージ葉巻を持ち込む人も多いそうで、店舗奥で随時オークションを行っている。磨き抜かれた木目模様の麗しい、ヒュミドールのオリジナル・コレクションも特筆に値するだろう。すべて伊トスカーナの工場で製造しており、機能はもちろんのこと、高級家具のように美しい仕上がりで、「クラリッジズ」や「ランガム」といった一流のホテルからも注文がある。個人のオーダー・メイドも受け付けているので、一生物として、また特別な贈り物に、ぜひ利用してみたい。

人間と同じようにときを経て熟成されていくという点で、葉巻は上質なワインにも似ていると語る氏だが、朝、コーヒーとともに頂くのもお気に入りの嗜み方だと言う。そんなときに火を点けるのは、「Partagas」(8ポンド~)。軽くはないが複雑過ぎないカジュアルなフレーバーで、一日のスタートに弾みをつけるのにもってこいなのだそう。

Cigars Unlimitedところで、葉巻はその特性として、吸い口に近付くほど風味がきつくなってくる。そのため、最後の3分の1は吸わずに捨てる人も多い。でもある日、気が付けば最後まで吸い切っていたとしたら、それがあなたの至福の一本なのだそう。騒がしさとは無縁の店内で、ゆっくりと時間を掛けて、あなたの一本を探してもらうのもいいかもしれない。

店名 Cigars Unlimited
住所 129 Walham Green Court, Moore Park Road, Fulham SW6 2PX
TEL 020 7386 9000
営業時間 月〜金 10:00-18:00 土 10:00-18:30 日休
最寄り駅 Fulham Broadway駅より徒歩3分
Website www.cigarsunlimited.co.uk

FOX of St. James’s
チャーチル御用達、言わずと知れた老舗中の老舗

FOX of St. James’s

言わずと知れた、英国葉巻界の重鎮。その歴史は200年を優に超え、上流階級御用達のショップが立ち並ぶセント・ジェームス・ストリートに鎮座する。なにしろ、葉巻がトレードマークだったチャーチル元首相が、唯一ご贔屓にしていた名店だ。顧客リストには英国王室の面々も名を連ね、古くはロシア王室や仏革命家ナポレオンさえ常連だったというから驚嘆する。

興味深いのは、店舗の地下が、その歴史を紹介する小さな博物館となっていることだ。チャーチルの椅子(座ってもOK!)、ナポレオンの紋章、現存する最も古いキューバ葉巻……。所狭しと並べられた数々の資料を見回すと、葉巻がいかに歴史の舞台に絡んできたかが見て取れる。また上階は、地上階で選んでもらったサンプルを試せるラウンジとなっており、誰でも利用可。ちなみに、ショップ内で喫煙ができるのは、葉巻専門店だけに許された特権だ。重厚な半円形の窓越しに、チャーチルも眺めたであろう景色を見ながら一服する。ロンドンならではの粋な時間の過ごし方かも。

店名 FOX of St. James’s
住所 19 St James's Street SW1A 1ES
TEL 020 7930 3787
営業時間 月〜金 9:30-17:45 土 9:30-17:00 日 休
最寄り駅 Piccadilly Circus駅より徒歩7分
Website www.jjfox.co.uk

Sautter
昔かたぎのキューバ葉巻専門店

Sautter

向かいには、優雅な5ツ星ホテル「コンノート」、上階にはなんとチャーチル元首相の自宅があったという、瀟洒なメイフェア地区にある老舗。古き良きたばこ屋さんを彷彿させる店内では、親の代からこの店で働き続けているという昔かたぎな従業員らが、ぶっきらぼうながらも親切に対応してくれる。キューバ産より安価なドミニカやニカラグア産の葉巻を扱う専門店が多い中、世界最高とされるキューバ産葉巻のみにこだわり続け、今年で創業50周年を迎える。

ロンドンで初めて作られたというウォーク・イン・スタイルのヒュミドールと、長年の経験を生かしてセレクトした質の良いビンテージ葉巻のコレクションが自慢。複雑なアロマを醸す貴重な一本を求めて、遠くは香港や中東にも得意客がいるという。政治的な問題からキューバ製製品の輸入が禁止されている米国からの顧客も多い。香水の名門「ゲラン」の創業者一族や、米俳優のアレック・ボールドウィン氏も常連だ。創業50周年を記念して、ヒュミドールなどのオリジナル・グッズも販売している。

店名 Sautter
住所 106 Mount Street W1K 2TW
TEL 020 7499 4866
営業時間 月〜金 10:00-19:00 土 10:00-18:00 日 12:00-17:00
最寄り駅 Bond Street駅より徒歩7分
Website www.sauttercigars.com
ロンドンの、シガー・バー
葉巻専門店を訪れたら、次にぜひ挑戦したいのは、厳選されたお酒とともに葉巻が頂ける「シガー・バー」。喫煙するため屋外となるが、どのバーも趣向を凝らして居心地の良い空間を提供している。中には、「葉巻ソムリエ」が常駐する心強い本格バーも。英国に居るからこそ味わえる贅沢を、ぜひご賞味あれ。

Cigar Terrace @ The Montague
貴族の庭園を眺めながら、葉巻について学ぶ

Cigar Terrace @ The Montague

ロンドン中心部に位置しながらも、点在する公園のおかげで落ち着いた時間の流れる、ブルームズベリー地区に位置する。その昔、現在は大英博物館が立つ土地を自宅とし、今も界隈の70%を所有するという貴族、デューク・オブ・ベッドフォード家の個人庭園を眺めながら葉巻が頂けるテラスのあるホテルだ。葉巻と酒類のセレクションは、英国へのキューバ産葉巻の輸入を一手に引き受ける「Hunters & Frankau」社の全面協力を得て考案。ともに、初心者向けの軽く安価なものから、通好みの複雑で値も張る貴重な銘柄まで、バランス良くそろえている。

「葉巻は10年物のワインのようなもの」と捉えているというこちらでは、葉巻になじみのない人に、まずは葉巻の良さを知ってもらおうと、専門家を招いての葉巻講習会を開催。25ポンドで、葉巻の歴史や吸い方はもちろん、新作の限定葉巻と、お供に最適な酒類が振舞われる。十数名程度が対象で、すぐに席が埋まってしまうため、ウェブサイトの更新情報を欠かさずチェックしたい。今月末日からは、「シガー・バーベキュー・ガーデン」もオープン。家族連れで過ごす休日を利用して葉巻に挑戦してみたいお父さんたちには、見逃せない好機だ。また、講習会と併せたランチやディナーも予定されている。知的好奇心をくすぐる乙なひとときが期待できる。

店名 Cigar Terrace @ The Montague
住所 15 Montague Street, Bloomsbury WC1B 5BJ
TEL 020 7612 8416
営業時間 月〜日17:00-23:00
最寄り駅 Holborn/Russell Square駅より徒歩7分
Website www.montaguehotel.com

Cigar Garden @ The Lanesborough
最高級の贅沢を味わいに

Cigar Garden @ The Lanesborough

ハイド・パークの南東の角、瀟洒なホテルが立ち並ぶハイド・パーク・コーナーで、威風堂々とした佇まいが一際目を引くこちらのホテル。凝りに凝ったガーデン・バーが、葉巻愛好家たちの間で人気を博している。ガーデンとは言うものの、実は49%がガラスに覆われた「ぎりぎり屋外」。ゆえに、屋内での喫煙が禁止されている英国においても喫煙が許されるという仕組みになっている。床暖房や暖炉も完備。緻密に計算され尽くした葉巻天国というわけだ。

葉巻と酒類のメニューも、他のシガー・バーの追随を許さない絢爛豪華なセレクション。キューバの前国家評議会議長、カストロの専属葉巻ローラー、ノーマ・フェルナンデス氏が巻いた、世界に4000本しか存在しないという1995年物の「Cohiba」(2000ポンド)に、世界で最後のボトルとなる1770年物のコニャック(1ショット4000ポンド)と、眺められるだけでもありがたいような贅沢な品もストック。あまりのメニューに面食らったら、常駐する葉巻ソムリエ英国チャンピオン、ジョゼッペさんに聞いてみよう。膨大な知識を持つ彼なら、どんなリクエストにもスマートに応えてくれるはず。予約はできないが、席が空くまで上階の「ライブラリー・バー」で待つことが可能。一度くらいは最高級の葉巻体験をしておくのも悪くない。

店名 Cigar Garden @ The Lanesborough
住所 Hyde Park Corner SW1X 7TA
TEL 020 7259 5599
営業時間 月〜土16:00-23:00 日 16:00-22:30
最寄り駅 Knightsbridge駅より徒歩1分
Website www.lanesborough.com

Rooftop @ The Boundary
青空の下、見晴らし最高のラウンジで一服

Cigar Garden @ The Lanesborough

ファッショニスタや業界人のたむろするショーディッチ地区において、ランドマーク的存在となりつつあるホテル「ザ・バウンダリー」。その屋上にある見晴らし最高のラウンジで、青空の下、葉巻を頂くことができる。葉巻が吸えるバーと言うと、高級ホテルの屋外バーに限定されがちだが、こちらは誰でも気軽に利用できるセットアップで、若き葉巻愛好家には心強い。

注目したいのは、フード・メニュー。デザートの下にさりげなく記載されているのは、選りすぐりの酒類と葉巻だ。どの組み合わせが良いか、初心者にはアドバイスもしてくれる。ヒュミドールには、厳選した7種類の葉巻を保管。中でも、同ホテルの建設にかかわったコンラン卿のお気に入りだという「Hoyo de Monterrey Epicure No.2」(13.75ポンド)は欠かさずストック。軽い口当たりで、初心者にもお勧めだそう。ぜひとも拝んでおきたいのは、コンラン卿がその昔、オークションで競り落とした奇妙なキューバ製ヒュミドール。車輪の付いた船の上に象が載った不思議な造りで、葉巻の名門「Montecristo」が特注したという超レア物だ。ダメージを避けるため、夏場は2階のフロア奥に展示されているが、9月頃にはまた屋上に戻ってくる予定だという。

店名 Rooftop @ The Boundary
住所 Entrance in Redchurch Street,
2-4 Boundary Street, Shoreditch E2 7DD
TEL 020 7729 1051
営業時間 5月31日まで 月〜日12:00-21:30
6月1日〜9月18日 月〜日12:00-22:30
9月19日〜10月2日 水〜日12:00-20:30
最寄り駅 Shoreditch High Street駅より 徒歩3分
Website www.theboundary.co.uk
 

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