フィッシュ・フィンガーズ
Fish fingers
3月まであと少しというのに、ブレグジットの行方はいまだ混沌としている英国。そんな中、チャンネル4で「ブレグジット: ザ・アンシビル・ウォー」という、EU離脱をめぐる国民投票の舞台裏を扱ったドラマが先月放映されました。
離脱派の運動を取り仕切っていたドミニク・カミングスをベネディクト・カンバーバッチが演じるということで、放送前から話題になっていましたが、このドラマの中に、今回ご紹介する「フィッシュ・フィンガーズ」が登場していたのに気づいた方はいるでしょうか。
フィンガーズといっても、当然のことながら魚に指はありません。これは、とらやの一口羊羹サイズくらいに切った白身魚に、パン粉をつけて揚げたフライです。ただ、たいていの人は、オーブンかグリルで焼くだけの冷凍食品を利用しているはずです。
ドラマでは、ローリー・キニア演じるデービッド・キャメロン首相の報道責任者クレイグ・オリヴァーが、キャメロン首相と労働党のピーター・マンデルソンを相手に電話で会議をしていました。クレイグは、自宅のキッチンで子供たちの夕食を準備していて、その時にお皿に載っていたのが、このフィッシュ・フィンガーズとマッシュ・ポテト、そしてグリーンピースでした。
この描写が事実に基づいたものかどうかは分かりませんが、政界で重要な任務に就いている男性が、首相と電話をしながらも、子供に食事を食べさせる役目をしている、というところに英国らしさを感じたのは私だけでしょうか。
ともあれ、ここで出てきたようにフィッシュ・フィンガーズといえば、英国の子供たちにとって、なくてはならない食べ物です。ドラマではマッシュ・ポテトでしたが、チップスを添える場合も多く、フィッシュ・フィンガーズ&チップス&グリーンピースといえば、栄養価的にも完璧な(!?)多忙な親にとっては三種の神器とも言える組み合わせです。
英国で初めてフィッシュ・フィンガーズを販売したのは、バーズ・アイという食品メーカーで、1955年のことでした。以来60年以上を経ても人気は変わらず、現在では毎日150万個のフィッシュ・フィンガーズが英国内で消費されています。
随分前に、知人のスーとランチの話をしていたとき、「マミ、ちょっとジャンクに思うかもしれないけど、フィッシュ・フィンガーズをパンに挟んで食べるとおいしいのよ」と彼女に教えられて、初めてこれをサンドイッチにして食べたことがあります。感想は、「マクドナルドのフィレオフィッシュ・バーガーにそっくり!」。確かにこれは、大人でもランチやスナック代わりに食べたくなるでしょう。
それにしても、原料である白身魚の99%はドイツ、アイスランド、ノルウェー、ロシアからの輸入に頼っているフィッシュ・フィンガーズ。ブレグジット後の行方が気になります。
フィッシュ・フィンガーズ・サンドイッチの作り方(1人分)
材料
- フィッシュ・フィンガーズ ... 3~4本
- 食パン ... 2枚
- レタス ... 適量
- バター ... 適量
- ケチャップ ... 適量
作り方
- 冷凍のフィッシュ・フィンガーズを表示に従って調理する。
- 食パンにバターを塗る。
- ❷にフィッシュ・フィンガーズを並べ、上にレタスを載せる。
- 好みでケチャップを付け、食べやすい大きさに切って出来上がり。
memo
パンはバーガー用のバンズやバゲットなどにしてもおいしいです。バーズ・アイ社のサイトでは、フィッシュ・フィンガーズを使ったレシピがいろいろと紹介されています。
https://www.birdseye.co.uk