英各紙は3日、北海道で父親によって置き去りにされていた田野岡大和君が無事保護されたことを受けて、親のしつけに対する見解を示す論考を掲載した。
「ガーディアン」紙は、子供が6日間も行方不明になっていたことについて「男児だけでなく、両親にとっても大変なこと」だったと同情的な見解を提示。「自分が過度にそして無責任に厳しい処罰を下したせいで、子供を死に追いやったかもしれない」と6日にわたり考えをめぐらすことこそが「一種の拷問」であったと伝えている。
また自身の子供のしつけがきちんとできていないと見なされれば、英国でも「大きな恥」と感じられてしまうと説明。記事の筆者は、「世間体」が大きな意味を持つ日本では子供のしつけに対する重圧はさらに大きいのではないかと推測している。
さらに、親が「止めないと、後で後悔するぞ」といった「空虚な注意」を発しても、反抗的な子供は「実質を伴う注意」をするように促すだけであるとも述懐。ほんの少しのきっかけで、しつけがエスカレートしていくことがあり得ると述べた。
「デーリー・テレグラフ」紙の筆者は、自身の幼少時代は、1時間半以上にわたり車に乗る際には、親から「もしそれを止めなければ、道路の脇にあなたを置き残していくよ」と頻繁に注意されていたと吐露。実際に道路脇に置き残されることはなかったが、実際に起こり得たかもしれないと振り返っている。
また筆者の幼少時には、デパートやショッピング・センターで新商品を見付けたり、古くからの知人を見掛けたりするなどして注意を奪われた親から子供がはぐれてしまうことがよくあり、親の不注意による子供の置き去りは言わば「通過儀礼」でさえあったとさえ指摘。「責任感があったとされている1970年代の親」の実態を伝えている。
Tue, 05 November 2024