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Tue, 19 November 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

オズボーン財務相の予算案


The TimesTHE TIMES
最高税率についての正しい決断

A 50p bet on Britain

所得税の最高税率や法人税率の引き下げを始めとする各施策をめぐっては、今後、賛否両論を呼び起こすだろう。オズボーン財務相が政治的な危険を顧みずに見せた決断力こそ、まさに必要不可欠なものであった。所得税に関しては最高税率を50%に引き上げたところで税収増に結び付いておらず、さらに同税率は新規事業の英国への誘致を阻害する要因にもなっている。オズボーン財務相は今回の予算案において政治的な賭けに打って出たが、その賭けは英国にとって正しい決断となった。(3月22日)


The GuardianThe guardian
説明不可能で不必要な賭け

An inexplicable, unnecessary gamble

オズボーン財務相は、今回の予算案で賭けに出る必要などなかった。同相は、所得税の最高税率を引き下げる理由を同税の引き上げが税収増に寄与しなかったためとしているが、その主張を裏付ける材料があるわけではない。また法人減税を実施することで英国に事業を誘致すると言うが、法人税率次第で拠点を変える事業を呼び寄せたところでろくなことにはならない。事業や富裕層の問題に関して労働党が対陣を張ることができていないがために、保守党の愚行が野放しとなっている。(3月23日)


The IndependentThe Independent
肝心の問題がうやむやに

Too many unanswered questions

「働く家族を支援する」といった発言に象徴される、オズボーン財務相の情緒たっぷりな演説は確かに印象的だった。しかし、英国が今最も必要としているのは経済成長である。いくら声高に努力や改善を主張したところで、経済回復の見通しは立っていない。本年度の経済成長率は0.8%止まりと想定され、失業率は300万人に達しようとしている。これらの問題を解決するための施策として目新しいものは何一つ盛り込まれていない。財務相は、最も肝心な問題をうやむやにしたのである。(3月22日)


 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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