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Tue, 19 November 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

キャメロン首相のミャンマー訪問


The TimesTHE TIMES
喜ぶのはまだ早い

We must temper our pleasure with caution

ミャンマーにて民主化の兆候が見え出したことで、キャメロン首相は同国への制裁を解除すべきか否かについての検討を始めるはずだ。制裁が解除されれば、政権内の改革派は民主化の成果を示すことができるからである。しかし、そう簡単にはいかない。現政権が急速に民主化を進めている動機がいまだ不明なのだ。突如として得られたものは、またすぐに失われる恐れがあると考えるのが自然である。「正義が勝った」と宣言したくなる気持ちは理解できる。しかし、喜ぶのはまだ早い。(4月13日)


IndependentIndependent
イングランドが現在の彼女を形作った

England made her

良きにつけ悪しきにつけ、ミャンマーという国は英国から多大な影響を受けている。旧独裁政権が英国から受け継いだものが、帝国主義と軍隊だった。同国の民主化を象徴する存在であるスー・チー氏が、英国と縁の深い人物であったことも偶然ではなかろう。スー・チー氏が英国の傀儡(かいらい)であったことなど一時としてない。しかし、イングランドが現在の彼女を形作ったことは確かだ。スー・チー氏の当選を受けて即座に祝福の言葉を送ったキャメロン首相の行動は、正しかったのである。(4月13日)


Daily MailDaily Mail
金色の宮殿を訪問する暇などない

No time for gilded palaces

キャメロン首相は、金色の宮殿でテイン・セイン大統領と並び、またノーベル賞受賞者のスー・チー氏と庭園を散歩する時間を楽しんだようだ。だが、なぜミャンマーを訪問先に選んだのか。彼が訪ねるべきは欧州諸国で、ユーロという単一通貨が何十万人もの人々の生活を脅かしている現実に目を向けよと各首脳に訴えるべきではなかったか。または欧州評議会に出向いて、テロリストや必要とされない移民を強制退去させる権限を回復させるよう努力すべきだったのではないだろうか。(4月13日)


 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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