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Wed, 20 November 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

ジミー・カー氏の租税回避


The TimesTHE TIMES
カー氏の手法は強引過ぎた

Jimmy Carr's was aggressive

世の人々が節税法に興味を持つのは理解できる。しかし、何百万人もの人が利用する非課税貯蓄口座を使った節税と、オフショア信託などの複雑な仕組みを通じて納税額を極端に減らす行為との間には雲泥の差がある。たとえ合法であっても、後者が強引な手法であることに変わりはない。何が「強引」と見なされるべきかを定義するのは難しい。ただある著名な税の専門家が述べているように、「普通の人が、普通でない」と判断するものは「強引過ぎる」と見なされて然るべきなのである。(6月22日)


IndependentIndependent
首相が人気取りと
引き換えに犯した失敗

A populist blunder from Mr Cameron

新聞の派手な見出しを飾ったことと引き換えに、キャメロン首相は保守党党首としての立場を脅かす問題を作り出した。「倫理的な誤り」と表現されるような節税対策を行っているのはジミー・カー氏だけではない。保守党への資金提供者を含む富裕層のほとんどが同様の措置を取っている。そうした保守党支持者についての意見を求められた途端、彼の能弁ぶりは消え失せてしまった。首相と彼が率いる政府は、きちんと物事を考えることができないという危険な兆候を見せている。(6月22日)


Daily MailDaily Mail
倫理的に間違っているのは税制度

A morally wrong system

倫理的な誤りを抱えているのは、キャメロン首相が糾弾したカー氏ではなく、英国の税制度の方である。1万1500ページにも及ぶ英国の税法についてのハンドブックは世界最長であり、あまりに複雑であるがゆえに、会計士たちは法律の抜け道を見つけようと躍起になる。よって、この国には巧妙な課税方法を考案することに一生を費やす高給取りの公務員と、その目論(もくろ)みを阻止することに命を捧げる会計士が溢れることになるわけだ。国家を運営するには、あまりに馬鹿げた状況である。(6月22日)


 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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