個展のテーマは、人と人との結びつき 木梨憲武 Noritake Kinashi London Exhibition -moment
「とんねるず」の一員として活躍する一方、東京にアトリエを持ち画家としても活動する木梨憲武さん。木梨さんのアーティストとしての才能は日本でも高い評価を得ており、2014年から16年にかけ国内各地で8回にわたり開催された展覧会では、延べ43万人の来場者を動員した。6月21日から4日間にわたり、ロンドン東部で行われる欧州初の個展、「moment」では、木梨さんの最新作の中から15作品を展示。個展を目前にした木梨さんに話を聞いた。
木梨さんはご自身のウェブサイトの中で、「英国好き(anglophile)」と書かれていましたが、英国のどのようなところがお好きですか。
日本で子供がブリティッシュ・スクールに通っていますし、現在、1人がセントラル・セント・マーチンズ(ロンドン芸術大学の中のカレッジの一つ)でグラフィック・デザインを勉強しています。そんなこともあって、日本にもイギリス人の友達がいますし、英国とは何かいつもご縁を感じています。
今回の個展は、アーティストやデザイナーに人気のロンドン東部、ショーディッチのギャラリーで開催されますね。この地域での開催は、ご自身で選ばれたのでしょうか。
今回の開催場所は、この展覧会のプロジェクト・ディレクターである、井村優三氏から提案してもらいました。
そもそも、なぜロンドンだったのでしょう。2017年には、「ロンドン」というドローイングも描いていらっしゃいますね。
ロンドンが放つ純粋なエネルギーや創造性には刺激を受けることが多いです。そんなロンドンを皮切りに巡回展を始めることは、特別な意味があります。また、コメディアンとして笑いの力を信じているし、笑いは人々に平和な気持ちをもたらすものだと思います。この気持ちをキャンバスに表現する、それが僕のメッセージです。
この個展のテーマは「人と人との結びつき」とのこと。ロンドンは人種のるつぼで、実に様々な文化的背景を持つ人々が住んでいます。現地の人々に、どのように作品を観て欲しい、また、こんな人に見てもらいたいという希望はありますか。
僕は人との繋がりを一番大切に思っています。作品を通して、国や人種を越えた愛と平和を、たくさんの人に感じていただきたいです。
好きなアーティスト、影響を受けたアーティストは誰ですか。
米国ポップ・アートの画家ロバート・ラウシェンバーグと、グラフィティ・アーティストのジャン=ミシェル・バスキアです。彼らの表現の自由奔放なところが好きです。
お好きな英国のコメディアンはいらっしゃいますか。
Mr. ビーンです。
今回のロンドン滞在で、行ってみたい場所や、やってみたいことはありますか。
今回は展覧会のために滞在するので、特に予定はありません。
作品を観に行こうと考えている弊誌読者に、何かメッセージをいただけますか。
今回、ストリート・カルチャーの発信地であるロンドン東部で個展を開催することになりました。ストリートは僕の作品制作のスタイルのひとつなので、ジャパニーズ・ストリート・スタイルをイギリスで楽しんでもらいたいと思います。その後、日本に戻って日本の皆さんにも作品を観ていただけることになりました。よろしくお願いします!
Noritake Kinashi London Exhibition -moment-
2018年6月21日(木)~24日(日)
11:00-19:00(最終日は17:00まで)
入場無料
(期間中、アーティストの在廊はなし)
Protein
31 New Inn Yard, London EC2A 3EY
最寄駅: Liverpool Street / Old Street / Shoreditch High Street www.kinashiten.com/london.html
展示作品:「 REACH OUT」(一部)2018年