Tue, 30 April 2024

英国発ニュース

イスラエル、対イラン報復で詰めの協議―英独が自制要請

(カイロ 4月17日 時事)イスラエル政府は17日、同国を攻撃したイランへの報復措置について、詰めの協議を行ったもようだ。地元メディアは、イスラエル軍がすでに対応を決定したと報道。ただ、中東の緊張激化を懸念し、自制を求める声が内外で高まっており、イスラエル政府は最終的な結論を出せていない。

イスラエル紙「エルサレム・ポスト」(電子版)は16日、「軍がイランにどのように報復するか決定したが、時期は未定だ」と伝えた。「複雑な準備」が必要なため、決定内容は変更される可能性があるという。イランのライシ大統領は、どのような報復でも「厳しく、大規模に反応する」と表明しており、イスラエルが軍事行動に踏み切れば、中東情勢の緊張激化は避けられそうにない。

イランによる攻撃で、イスラエルを支援した米国などは慎重な対応を求めている。英メディアによると、スナク首相は16日、イスラエルのネタニヤフ首相に電話し、「緊張激化は誰の利益にもならない」と伝達した。

キャメロン外相とドイツのベーアボック外相は17日、それぞれエルサレムでネタニヤフ氏と会談。ロイター通信によると、ベーアボック氏は「不測の事態に中東が陥ることは許されない」と自制に努めるよう要請。ネタニヤフ氏は会談後に出した声明で、両外相に「われわれは自ら決定を下し、国を守るために必要な全てのことを行う」と語ったと明らかにした。 

イスラエル世論も、ネタニヤフ政権が米国などの意向に反して軍事行動を取ることに反対している。ヘブライ大学が行った世論調査で、74%が米英仏、サウジアラビアなどとの関係を損なうなら「報復に反対する」と回答した。
 
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