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Fri, 22 November 2024

「The Financial Times」紙って、
一体どんな新聞なの? - 小林恭子

英メディアに関する独立調査委員会


The TimesTHE TIMES
印刷文化をこよなく愛する
マードック氏が課題を指摘

Mr Murdoch, a man in love with print

独立調査委員会において、ルパート・マードック氏は、今後20年以内に新聞は発行されなくなるだろうと述べた。印刷文化を愛し、印刷工場の運営や配送システムに関する経営判断を行わなければならない彼が、熟慮の末に達した考えであろう。オンライン上では既に、紙面では決して許されないような不快な言説がまかり通っている。マードック氏は今回の調査委において、印刷文化が滅んだ後のメディア業界をどのように規制していくべきかという同委の課題に焦点を当ててみせた。(4月27日)


The GuardianThe Guardian
マードック氏はオズの魔法使い

We saw the Wizard of Oz

過去3年にわたりニューズ・コーポレーション社で一体何が起きていたのか、「ガーディアン」紙の平均的な読者は同社会長のマードック氏より多く知っているというわけだ。当人は、世界中に展開するグループ全体のわずか8%を占めるに過ぎない英紙部門で起きていた問題を把握することなど不可能だと示唆しているのだから。様々な物事に気を取られるが余り、自分自身のことについては何も分かっていないという意味で、彼の姿は「オズの魔法使い」の登場人物を彷彿とさせる。(4月27日)


IndependentIndependent
ハント文化相は辞任すべき

The position of the Culture Secretary is untenable

調査委で明らかになった、BスカイBの買収案件に関するニューズ・コーポレーションとジェレミー・ハント文化相の間で交わされた内容はあまりに衝撃的だ。もはや同相は辞任せざるを得ない。そもそも同相は、マードック氏に対して「宣戦布告する」と発言したビンス・ケーブル・ビジネス相では公平な判断を行うことができないという理由で本件を引き継ぐことになったはずである。本当に公平な視点を持つ人物であったのか、ハント文化相は証明することが求められている。(4月25日)


 

小林恭子小林恭子 Ginko Kobayashi
フィナンシャル・タイムズの実力在英ジャーナリスト。読売新聞の英字日刊紙「デイリー・ヨミウリ(現ジャパン・ニュース)」の記者・編集者を経て、2002年に来英。英国を始めとした欧州のメディア事情、政治、経済、社会現象を複数の媒体に寄稿。著書に「英国メディア史」(中央公論新社)、共著に「日本人が知らないウィキリークス」(洋泉社) など。

「フィナンシャル・タイムズの実力」(洋泉社)
日本経済新聞社が1600億円で巨額買収した「フィナンシャル・タイムズ(FT)」とはどんな新聞なのか? いち早くデジタル版を成功させたFTの戦略とは? 目まぐるしい再編が進むメディアの新潮流を読み解く。本連載で触れた内容に加えて、FTに関するあらゆることが分かりやすく解説されている一冊。

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