第11回 愛する日本へ
7 April 2011 vol.1295
3月20日、ロイヤル・オペラ・ハウスのリンバリー劇場で緊急に行った、Japan Tsunami Appeal Concert。まず始めに、ご協力いただいた方々へ、この場をお借りしてお礼を申し上げます。
元ロイヤル・バレエ団のプリンシパル・ダンサー吉田都さんを中心として、ロイヤル・バレエ団の日本出身のダンサーや他国出身のダンサーたち、そして音楽学校に通う在英日本人の子供たちで行ったこのコンサート。決定したのが18日の午後。1日半という限られた時間で、これだけ人が動いたのを見たのは初めてかも知れません。
まず取り掛かったのは、プログラムの制作。前半は子供たちの演奏で、後半がダンサーたちの出番となりました。ダンサーたちは、とにかく時間がないので練習なしでも踊れる作品ということになり、最近踊った作品か、現在練習している作品を選考。
音楽に関しては、ピアニストさんが弾ける作品は生演奏で、そのほかの作品はCD使用ということになりましたが、いつもオーケストラで踊っている私たちは、練習のときもCDは使わずピアノなので、踊れるテンポのCDが手元になく……。都さんと私の踊る2作品が見つからず、大急ぎで音響部門へ飛んで行き、DVDから抜粋してCDに編集していただきました。
次にコスチューム。私の衣装以外はすべてオペラ・ハウスにありましたが、私の衣装(ラ・バヤデールのニキヤ)は、ウェールズにあるオペラ・ハウスの衣装倉庫に保管してあるとのこと。そこまで探しに行く時間がないのでどうしようかと悩み、衣装部門で働いていらっしゃる日本人のスタッフさんにズボンだけ即席で作っていただけないだろうかと相談したところ、快く引き受けてくださり、なんと半日で素晴らしいズボンを仕上げて下さいました。トップは自分の古い衣装で間に合わせることができ、アクセサリーや衣装の修正など、当日の開演2時間前までかかりましたが、何とか作り上げました。
これほど急な決定で、公演の存在を皆さんに知っていただくことができるだろうか一時心配しましたが、さすがソーシャル・ネットワークの時代、チケットも数時間で完売という反響でした。特にバレエ・ファンの方々は行動が素早く、メール一つであっという間にロンドン中に広げて下さいました。
そして当日、このような皆さんの協力と日本に対する熱意で、無事コンサートを上演できました。ここではお話ししきれない程、多くの方々が裏で働いて下さったお陰で実現した舞台です。本当に心から感謝しております。
このコンサートの売り上げ及び募金は、すべて日本赤十字社に寄付されました。遠距離にいる私に何かできることはないかと悩んでいたところへ、このように踊りで支援することができ、とてもうれしく思っています。原発や地震のアフター・ショックでまだ不安定な日本ですが、第二次大戦からここまで上り詰めた日本、世界中の人々が愛する日本、必ず復興するでしょう!
自分にできること、やり続けます!!