デカ帽茶化されパロディー返し
「不正解なし」のNo.1ヒットメーカー
時代の寵児はなにをやっても許される!?
この号が出るころには既に決定している本年度アカデミー賞。その中で、最優秀オリジナル・ソング部門にノミネートされているのが、ファレル・ウィリアムス(40)の「ハッピー」(アニメ映画「怪盗グルーのミニオン危機一髪」に提供)。いい意味でフックなし、スケボーでスイスイ滑るように疾走する「エフォートレス」なリズムがクセになる、英国始め欧州でめちゃくちゃ流行った曲だ。加えて授賞式翌日には、8年ぶりソロ・アルバム「GIRL」がリリースされるというお膳立ての良さ。
ファレルがプロデュースしたロビン・シックの「ブラード・ラインズ~今夜はヘイ・ヘイ・ヘイ♪」(なんという邦題……)は全米チャート12週トップを独占し、ファレルがゲスト・ボーカルで参加・共同制作した、ロボコップ風マスクの仏デュオ、ダフト・パンクの「ゲット・ラッキー」は世界20チャート以上で1位となるメガ・ヒットを飛ばした。なんでも昨年8月時点の英ラジオ・オンエア曲の20パーセント、米では昨年の年間同43パーセントがファレル絡みのナンバーというから、一時の小室哲哉を彷彿とさせる破竹さ。LOL。
骨格の美しい、一説では母親がフィリピン系という東洋的な顔立ちのアフリカン・アメリカン。プロデュース・チーム、ザ・ネプチューンズやグループ、N*E*R*Dのメンバーであり、肩書きは、音楽プロデューサー(録音中マドンナを泣かせたこともある)、ファッション・デザイナー(ヴィトンともコラボしている)、そして歌手(力みなしのかすれ気味なファルセット)。天才肌と小柄な体でプリンスの再来と言われることもある。
1月のグラミー賞出演時、ヴィヴィアン・ウェストウッド製£95也のデカ帽子が茶化されたのを受けて、自ら「ハッピー」をもじったパロディー・ビデオ「ハッティー」を公開。今が旬のヒットメーカーゆえ、何をやっても正解なのが世の常だ。