ヨハネスブルクの空港で撮られた写真が世界中を駆けめぐり、齢たった13カ月にして超VIPセレブの仲間入りをしたデービッド・バンダ君。マドンナが先月、養子に迎えた男の子だ。
正式名は、元の姓とマドンナの旧姓をミドル・ネームにした、デービッド・バンダ・ムワレ・チッコーネ・リッチーとなるらしい。
出身はアフリカのマラウイ共和国。出産直後に母親が死に、父親、祖母は終日畑仕事をして日当200円弱という困窮した状況下、デービッド君は孤児院へ。そこで養子を探しに来たマドンナが「この子が欲しい!」と養子申請。あっさり仮許可が下りて(18カ月のお試し期間有り)、ロンドンに連れ帰ったというわけだ。
しかし、それがここまでの大論争を呼ぼうとは、しかもネガティブな意見が優勢とは、マドンナも大誤算だったに違いない。「人助けならなぜ両親ともいない孤児を選ばなかったのか」、「普通ならもっと時間がかかる。特別扱いだ」、「金持ちの白人がアフリカの黒人を養子にするなんて人身売買。奴隷制度と同じ」、「しょせんはPR」と非難ごうごう。4000人収容の孤児院設立と(カバラの教えを説くらしいが)、90万人いるマラウイの孤児についてのドキュメンタリー映画製作に3億2000万円を投じると約束したというのに。
「オープラ・ショー」やBBCの「ニューズナイト」に出演し、自己弁護に奔走しているマドンナだが、はっきり言って焼け石に水。デービッド君があまりにもフォトジェニックでキュートゆえ、「かわいいから選んだ=私欲」と穿ってしまうのも否めない。それにしても、アンジェリーナ・ジョリーやメグ・ライアン、ユワン・マクレガーらの養子がすっかり霞んでしまった。恐るべし、セレブ・パワー。