ケイト・モスの恋人としてピート・ドハーティの名が上ったとき、どこぞの馬の骨かと思った人が大半だろう。
筋肉がまるでない長身猫背に亀みたいな長い首。
その上には、ガレス・ゲイツ似の黒目がちでぷっくりとした唇の童顔。
見ようによってはかわいいが、スーパーモデルを落とすほどではない。
ピートを簡単に紹介すると、自他共に認めるジャンキーの前科者、シンガー・ソングライターにして二児の父。
子供の1人はリアム・ギャラガーを父に持つ子と異父兄弟(ややこしい)、となる。
90年代後半、同じ東ロンドン出身の仲間3人とリバティーンズを結成。 01年に名門ラフ・トレードと契約を結び、インディーズのカリスマ・バンドとして圧倒的支持を得て、03年のNME紙でベスト新人バンド、昨年ベスト・ブリティッシュ・バンドに選ばれる。
しかし、ドラッグまみれのピートはたびたびメンバーと衝突し、クビに。
昨年、これまで平行して活動していたベイビーシャンブルズ一本に絞る。
今年のグラストンベリーではケイトとともに大遅刻したピート。
NME紙の読者1万人アンケートで、夏のワースト・ライブバンドに選ばれる不名誉にも。
以前BBCで放送されたピートのドキュメンタリー番組で、前後不覚の彼が突然インタビュアーに怒りだしてカメラを蹴り、ナイフで自分の胸を切りつけ血だらけになる場面があった。
来年27歳のピート。
ジャンキーのロッカーにとって27は厄年。
カート・コバーン、ジム・モリソン、ジャニス・ジョップリン、ブライアン・ジョーンズら、みんなこの歳にオーバードースで亡くなっている。
ナイーブな吟遊詩人にとって、タブロイドに追っかけ回される無情なセレブ・ライフはちと過酷すぎ!?