先月、米国から英音楽界に朗報が入った。
ジェームス・ブラントの「ユー・アー・ビューティフル」が、ビヨンセを蹴落とし、ビルボード・チャート1位を獲得。
英アーティストがトップに立ったのは、1997年、エルトン・ジョンの「キャンドル・イン・ザ・ウィンド」以来9年ぶりのこととなる。
ポール・ウェラーから「(ブリッツ・アワードでブラントと共演するくらいなら)自分のクソ喰ってる方がマシ」と言われ(後に謝ったらしいが)、一部の音楽関係者からも酷評されているブラントだが、デビュー・アルバム「バック・トゥ・ベッドラム」は700万枚(英国で300万枚)に達し、未だ更新中。米国でも20週以上チャート・インしている。
アルバム「エスカポロジー」を600万枚売ったロビー・ウィリアムズは、米国ではわずか5万枚と沈没。何度か米進出を試みたオアシスも不成功に終わり、「頭の悪いアメリカ人たちにゃあ、オレらの冴えた音楽は理解できねえ」と不甲斐なさを責任転嫁……。
と、ワム!やカルチャー・クラブ、デュラン・デュランらが活躍した80年代ニュー・ロマンティック以降、米国の音楽マーケットでずっとスランプが続いていたブリティッシュ勢。
しかし、グラスゴー出身の4人組フランツ・フェルディナンドはアルバム「ユー・クッド・ハブ・イット・ソー・マッチ・ベター」を米国で100万枚以上売り、250カ所にわたる全米ツアーも大成功させ、コールドプレイはグラミー賞を受賞。
ブラントの快挙も合わせて、少しずつではあるが、明るい兆しが見えてきた。
期待のアークティック・モンキーズは番組「サタデー・ナイト・ライブ」に出演後、目下、米ツアー中。更なる朗報に期待。