ハリウッドでどこまでいける!?
向こうから歩いてくる女性が、まるでBBCコメディー「エキストラ」に出てくるリッキー・ジャベイスの親友役にそっくり。まさか本人がこんなところを歩いているはずはなし、されど、どこかで見た記憶がある。知人の誰か……と案じるうちに、すれ違いざまあちらからニコッ。数歩歩いて気が付いた。かかりつけ医の受付嬢だった。
しっかりしたアゴの面長な顔に、ウェーブのかかったブロンド、笑うとくっきりシンメトリーに浮き出るほうれい線と、その上に乗っかるたこ焼きほっぺ。まったくもって、アシュリー・ジェンセン(41)は、ごくごく「平均的な」「どこにでもいる」「普通」の「一般女性」という表現がハマる女優だ。各パーツはこぢんまり整っていて、さすがにその点は「女優」だが、気負いが全く感じられない、親近感のかたまり。そこが「好感度高し」に繋がるのだろう。
ドラマ「イーストエンダーズ」や「カジュアリティー」「ビル」などでチョイ役をこなしたあと、先の「エキストラ」でマギー・ジェイコブス役をつかんだことが開運のきっかけ。「英コメディー賞」のテレビ女優賞ほかを受賞し、米「エミー賞」にもノミネートされ、いざ米進出。昨年、シリーズが終了した米ドラマ「アグリー・ベティ」で、ファッション誌で働く数少ないベティの味方、スコットランド出身(ジェンセンの地元)の女性クリスティーナを好演していた。
4年前にロンドン出身のテレビ俳優テレンス・ビースレイと結婚。現在、1歳半の息子フランシスくんとともに家族3人で、ブラピ & ジョリー家がご近所さんというハリウッドの一等地に住んでいる。このまま運が続けば、英発コメディー女優の地位を確立できるだろうが、そうは問屋が卸さないのが外様に厳しいハリウッドだ。