化粧品のコピーじゃないが、「わたしは美しい」の自己意識と、出世作にして唯一の代表作「氷の微笑」の抱き合わせだけで、20年近くもハリウッドのトップ・リーグにのさばってきたシャロン・ストーン。
それにしても「氷の微笑2」は痛かった。48歳の裸体及び濡れ場ばっかりを、お金払ってまで誰が見たいのか。オバ専は別にして。やっぱりスクリーンにおけるそれは20代までじゃないだろうか、男も女も。
シャロンの場合、前作と比べてしまうから余計に分が悪い。すでに今年のワースト映画の座は間違いなしと予想されている。
歳を取って何が違うかって水分量、うるおいってやつだ。顔は整形でなんとかなっても、身体はムリ。いくらジムで引き締めてもピチピチしたハリは取り戻せない。以前、トーク番組「おしゃれカンケイ」で黒木瞳(45)がバレエのレッスンを受けている場面があった。細くてスタイルがよくて顔もキレイなんだけど、二の腕の骨と肉の境目がくっきり別れていて、黒木瞳をもってしてもそこは年相応だった。
それと同じで、美しい顔、特に鼻の形がパーフェクトで、スリム体型を維持しているシャロンも、寄る年波には逆らえないということだ。
だからって演技力で補えるかといえば、それもまた厳しい。己の美に頼りすぎたのかいつまでたっても大根。「クイック& デッド」にしろ、「硝子の塔」にしろ、ちょっと頑張ってゴールデン・グローブを獲った「カジノ」にしろ、「見て! わたしシャロン・ストーンよ」が役柄を押し倒して画面にしみ出ている。
本人に自覚症状はないかもしれないが、技量がないためうすらぼんやり浮きでて、作品自体を安っぽくしてしまう。
そういう意味では希有な女優だ。