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Thu, 21 November 2024
伝統が薫る英国式ウェディング特集 伝統が薫る英国式ウェディング特集

「6月の花嫁は幸せになれる」。花咲き誇る6月の英国。
抜けるような青空の下、太陽の光に祝福されて挙げる結婚式には、確かにこんな言い伝えがぴったりくる。
今回は伝統を重んじながらも自分らしさを大切にする英国式ウェディングをご紹介。
一生に一度の大切な瞬間を、かけがえのないものに……。

英国ウェディングの伝統
1.サムシング4
「サムシング4」とは、ビクトリア時代から言い伝えられている、結婚式当日に花嫁が身に付ける慣わしになっているもののこと。

Something Old,
Something New,
Something Borrowed,
Something Blue,
and a Silver Sixpence in her shoes


具体的には、

Something Old: 祖父母又は父母の持っているもの。家族の絆を象徴。
Something New: 新しいもの。花嫁の新しい生活と幸福な未来への希望を象徴。
Something Borrowed: 家族又は幸せな結婚生活を送っている人からの借り物。幸運のおすそわけを象徴。
Something Blue: 青いもの。人目につかないところに身に付けるのがお約束で、ガーターやリボンであることが多い。貞節と普遍性を象徴。
Silver Sixpence in her shoes: 6ペンス銀貨は縁起の良いものとして知られており、昔、銀はいやしの力があると思われていた。の4つのサムシング(プラス6ペンス銀貨)のことを指す。

素朴だけど花嫁の幸せを心から願う家族の温かさが伝わるこの伝統、私たちにも簡単に真似できそう!

2.スタッグ・ナイト&ヘン・ナイト
スタッグ・ナイトとは、結婚を間近に控えた男性が、友人たちと開く独身最後のパーティーのこと。一方のヘン・ナイトは女性のみのパーティーを指す。四六時中コッコとやかましいニワトリの名を取っていることからもわかる通り、時には警察沙汰になるほどの大騒ぎとなる。このパーティーの費用を出すのは友人たち。結婚後も変わらぬ友情と、男性の場合は今後奥さんに財布の紐を握られてしまう新郎への労わりを示しているんだそう。

3.ブライドメイド&ベスト・マン
英国のウェディングでは、友人たちの果たす役割が非常に重要。中世英国において、女性はしばしば新郎によって「誘拐」された。当時独身女性は、家族にとっては働き手として大切な財産であり、できることなら娘を結婚させたくなかったのだ。そのため、新郎は親友と共に新婦宅に押し入り、新婦を強奪したという。ここから新郎の親友が新郎を守り、ウェディングを統括するというベスト・マンの風習が生まれた。それではベスト・マン以外にも、英国ウェディングに欠かせない人々を紹介しよう。

新郎側
Best Man(ベスト・マン)
新郎の付き添い代表。結婚式の責任者で、通常は新郎の兄弟や親友が務める。ポケットに結婚指輪を忍ばせておいて、指輪交換の時にさりげなく取り出すという大役も。
Usher(アッシャー)
ベスト・マン以外の新郎の付き添い。お揃いの色のネクタイを締めて、新婦側の付き添い、ブライズメイドとパートナーを組む。
新婦側
Maid of Honour
(メイド・オブ・オーナー)

新婦の付き添い代表。ベスト・マンのパートナーで、通常は新婦の姉妹や親友が務める。
Bridesmaid(ブライズメイド)
メイド・オブ・オーナー以外の新婦の付き添い。お揃いのドレスを着て新婦の準備の手伝いなどをする。お揃いのドレスを着るのは、花嫁は呪いを受けやすいため、花嫁と同じドレスを着て悪霊を惑わせるためなんだとか。

昼食後は、いよいよ屋外を中心に散策を開始! このキュー・パレスは1631年に建設された、キュー・ガーデンの中では最古の建造物。今年は10年ぶりに期間限定で一般公開中。内部にはキュー・ガーデンをこよなく愛したジョージ3世やシャーロット女王と家族達の暮らしぶりを知ることが出来る展示がある。今年4月、厳重な警備のもと、エリザベス女王の80歳の誕生日パーティーが行われ、英国王室の面々が勢ぞろいしたことでも話題になった。

4.婚約と婚約指輪
婚約と婚約指輪の起源は中世英国にまでさかのぼる。先程も説明した通り、中世英国の一般家庭において、独身女性は大切な働き手だった。その貴重な人材を失ってしまう家族に対して、新郎は対価を支払わなければならなかった。その対価を支払う期間が「engagement」だったのである。当時、金の指輪は通貨として使われていたため、金の指輪が対価として新婦側の両親に送られたという。これが婚約指輪の始まりと言われている。
なお、指輪を薬指にはめる習慣は、薬指の静脈が心臓に直結していると考えられていた古代ローマ時代、愛し合う者同士の心を結びつけるために薬指に指輪をはめたところからきているという。

5.ウェディング・リスト
日本では常に悩みの種となるご祝儀。そんな風習のない英国では、その代わりに新郎新婦が欲しいものを自分たちでリスト・アップし、招待客にはその中から選んでプレゼントしてもらうという習慣がある。それが「ウェディング・リスト」。英国には専門店も数多くあり、お祝いを贈る人は指定されているお店へ出向き、リスト・アップされているものの中から自分の予算に合ったものを選ぶことができる。このウェディング・リスト、予算によってピンキリで、上流階級の人たちはハロッズやセルフリッジ、お金に余裕のない場合にはなんとテスコのトイレット・ペーパー1年分、なんていうのまであるらしい。

6.ウェディング・ケーキ
日本では天井まで届きそうな巨大なウェディング・ケーキを見かけることもあるけれど、ここ英国のケーキは極めてシンプル。基本は3段重ね。一番下は結婚式に出席した人が食べる用、真ん中は出席できなかった人に贈る用、そして一番上は最初の子供の洗礼式まで取っておく。子供が生まれるまでという長期計画だから、日持ちするようにスパイスたっぷりのフルーツ・ケーキを使うのが英国流。日本人にはちょっと甘すぎるくらいだけど、英国人はみんなこのケーキが大好きなんだそう。
ちなみに英国で最初のウェディング・ケーキは、1840年、時の女王ビクトリアとアルバート公の結婚式の時に作られたフルーツ・ケーキで、重さはなんと135キロもあったとか!?

7.幸せのジンクス、不幸を呼ぶジンクス
普段はそれほど迷信深くない人でも、一生にたった一度の結婚式ともなると、ささいなことが気になるもの。ここ英国でもさまざまなジンクスがある。あなたは気にする、それとも気にしない!?

幸せのジンクス
虹を見る
背中に日光を浴びる
黒猫が目の前を通り過ぎる
煙筒掃除人から挨拶される
不幸を呼ぶジンクス
ぶた、野うさぎ、とかげが道を横切るのを見かける
墓穴を見る
挙式の前に新郎がウェディング・ドレスを見る
何故ジューン・ブライドは幸せになれる!?

◆◆ジューン・ブライドのいわれ◆◆

6月に結婚する花嫁は幸せになれる、というジューン・ブライドの言い伝え。日本では梅雨の時期に当たるにもかかわらず、毎年多くのカップルがこの時期に結婚式を挙げている。そもそも何故6月に結婚すると幸せになれるのだろう?

1. ローマ神話の女神「ジュノー」から
6月、すなわち「June」という言葉は、ローマ神話に出てくる女神、「Juno(ジュノー)」からきていると言われている。ジュノーはローマ神話の最高神、ジュピターの妻で、結婚と家族の守り神とされていることから、ジュノーの名を冠した6月に結婚する花嫁は幸せになると言うわけ。

2. 6月は結婚解禁の月だから
昔、ヨーロッパでは農作業の妨げになるという理由で、3、4、5月に結婚することは禁じられていた。そのため3カ月間にわたって結婚できずにいたカップルが、6月に結婚できるのを待ち望んでいたのだとか。

3. 1年で1番良い季節
長く暗い冬が終わり、街の木々の緑が色濃くなる6月。英国に住んでいる人ならば、誰でも6月の心地良さは身を持って知っている。一年中雨ばかりと言われる英国において、最も降雨量が少なく、天候に恵まれる6月に結婚式を挙げれば、生きとし生けるものすべてに祝福されているような気持ちになれるというもの。


宗教婚と民事婚
英国の結婚式のスタイルは、大きく分けて以下の3つに分類される。

1. 教会での結婚式
英国国教会での結婚式を行うには、当事者のどちらかが信者であることが条件となる。自分の住む教区にある教会を探してそこで挙式するのが一般的。英国国教会は数年前まで、離婚経験者の再婚を禁止していた。02年に規定を見直し、再婚者の教会での挙式が可能になったが、否定的な見方は未だに根強い。それゆえチャールズ皇太子でさえ、教会ではなくロンドン郊外ウィンザーの市庁舎でカミラ夫人との結婚式を挙げている。

2. 「register(registry)office」(登記所)での結婚式
市庁舎や町役場などの役所内で挙式する。役所といっても、日本のようにただ婚姻届を提出するだけでなく、簡単なセレモニーも行われ、誓いの言葉も述べる。また役所の中には由緒正しいお城などを使っているところもあるので、日本人のイメージする役所とはかなり異なると言える。

3. その他の場所での結婚式
現在の法律では、登記所以外の場所でもレジストラー(登記官)がいれば結婚式を行うことが出来る。ただし教会以外の場所での挙式は認可制になっていて、認可されると以降3年間は他の挙式希望者にも公開されるとの規定がある。そのため当初ウィンザー城で挙式する予定だったチャールズ皇太子は、あわてて市庁舎へと会場を変更したのだ。

戸籍制度のない英国では、重婚を避けるために、まずは自分が独身であるという証明を役所に提出する必要がある。その上で誰も異論がなければ婚姻許可証を受け取ることができるのだ。その後挙式するのが結婚に至るまでの基本パターン。もともとローマ・カトリックを信仰していた英国が、英国国教会という独自の宗派を立ち上げたのは、時の国王ヘンリー8世が王妃と離婚するため。こんな背景を持つお国柄だけあって、他のキリスト教国と比べると、日常生活におけるキリスト教の浸透度はそれほど高くはない。また多民族国家である英国では、インド風の結婚式や、新郎と新婦の手を固く縛り付ける、ハンドファスティングというケルト起源の結婚式もある。最近は海外挙式を行う人も増えるなど、結婚式の多様化が進んでいるが、その一方で、やはり結婚式は教会でと考える人も多い。挙式と入籍が別々の日本とは異なり、挙式の瞬間が入籍となる英国では、結婚式はやはり神聖なもの。神の前で愛する人と誓いを交わしたいと思うのももっともかもしれない。
花に会いに行こう!フラワー・イベント情報
伝統と新しい息吹
◆平富百合子さんワタベウェディングロンドン店店長
ワタベウェディング-WATABE U.K. LTD. One Dovedale Studios
1953年創立以来、日本及び世界各国に支店を持つブライダル・カンパニー。式場選びからドレス、ハネムーンまでトータル・プロデュースしてくれる。

英国ウェディングの特徴は、手作り志向であること、地元意識が強いことが挙げられます。挙式する場所は、自分たちの住む教区にある教会や、レジスター・オフィスを探すのが一般的です。英国の国教は英国国教会ですから、教会で式を挙げるのが最もポピュラーですが、最近のトレンドとしては、海外挙式が増えています。カリブ海や南アフリカが特に人気のようですね。

また昨年から同姓の方同士でも異性間夫婦とほぼ同じ権利を得られるようになりました。昨年12月には歌手のエルトン・ジョンが「結婚」して注目されましたよね。英国国教会では挙式できないので、レジスター・オフィスでということになりますが、この同性の方同士の「結婚式」はこれから盛り上がりを見せることになると思います。

またこれは英国だけでなく、ヨーロッパ諸国全体の傾向だと思いますが、宗教離れが進んでいるため、教会ではなく、レジスター・オフィスで挙式される方々が増えつつありますね。神に誓うのではなく、自分たち自身に誓うという意味で、ロンドン・アイなどさまざまな場所で結婚するカップルが出てきています。

私どものお客様はほぼ全員が日本人の方々になります。教会での結婚式となると色々な制約がありますが、日本で婚姻届を出し、英国の教会でブレッシングと言われる祝福式を行うプロセスですと、信者で
ない方々でもオーセンティックな英国ウェディングの雰囲気をお楽しみいただけると思います。

平富さんお勧めのウェディング・スポット
セント・ジョン・ザ・バプティスト教会 - St. John the Baptist Church
ロンドン・ケンジントン地区の閑静な住宅地にあるビクトリア調の教会です。ここをお勧めする1番のポイントは、現在は英国でも数が少なくなりつつあるハイ・チャーチだという点。 英国国教会の中で「アングロ・カトリック」と呼ばれるハイ・チャーチは、カトリックの影響を色濃く残しているので、カトリックの教会が持つ荘厳な雰囲気を味わうことができます。
176 Holland Road, London W14 8AH
※お問い合わせはワタベウェディングまで


クリブデン - Cliveden
こちらはマナー・ハウスですので、セレモニー・マスター(挙式進行者)を呼んでの人前式となります。
英国にマナー・ハウスは数あれど、クリブデンほどの壮麗な佇まいを持つ館はそうありません。白亜の建物、152ヘクタールもの広大な庭園、そして敷地内を流れるテムズ川……。一生に一度の結婚式を行うのにふさわしい、由緒正しき英国貴族の館です。
Taplow, Berkshire SL6 0JF, Tel: 01628 668 561, FAX: 01628 661 837

伝統に裏打ちされたオリジナリティ
◆Hiromi Cherryさんウェディング・プロデュース会社
HC & Co経営

日本で大学を卒業後、ヨーロッパ各国のマナーを学ぶため渡欧。英国人男性との結婚を通してそのしきたりの多さと厳しさを実感し、マナー教室とウェディング・プロデュース会社を設立、現在に至る。
HC & Co (London Office)
Flat 8, Portman Gate, 110 Lisson Grove, London NW1 6UL
Tel: 020 7258 7585 FAX: 020 7258 7586


英国ウェディングを語る上で避けて通れないのが階級問題です。どこで結婚するかによって生まれてくる子供の学校など、後々まで影響を及ぼすことになります。最近ではレジストリー・オフィスでの結婚式も増えていますが、上流階級の人たちの間ではやはり教会式が圧倒的にポピュラー。通常は自宅の近くの教会ということになりますから、Good Addressと言われる良い住所に住んでいることが大切になります。教区以外の教会で式を挙げる場合には、両親がその教会のチャーチ・メンバーになることが必要です。そのため何年もかけて教会に通い、寄付を行う両親も。一番良いと言われているのが、花嫁さんが良い所に住んでいて、家のすぐ側の教会で洗礼式を挙げ、同じ牧師さんに結婚式をしてもらうというパターン。式の後は自宅の庭にマーキーと呼ばれるテントを張ってレセプション(パーティー)を行います。それが無理ならリッツなどの一流ホテルかマナー・ハウスということになります。

英国のウェディングの魅力はとにかく手作りであるということ。英国ではウェディングに関することはすべて花嫁さんが決めます。お金を出すのも新婦側。結婚を決めたら、花嫁さんと花嫁さんのお母さん、そしてウェディング・プランナーの3人ですべてを作り上げていくのです。まず決めるのはテーマ・カラー。ブライズメイドのドレスの色、ベスト・マンのタイの色などをすべて統一します。みなさんオリジナリティ溢れる式を望まれますが、同時に招待状は文具の老舗スマイソンの白い紙を使うなど、守らなければならないルールがありますので、それ以外の部分を工夫していくわけです。

英国人は他のヨーロッパ諸国と比べると、キリスト教に対する信仰心はそれほど強いとは言えません。ですが結婚となるとやはり正統派に憧れる女性が多いようです。結婚式は新たな生活に向けてのスタート。だからこそ豪華に、伝統的に行うのではないでしょうか。

Cherryさんお勧めのウェディング・スポット
ハートウェル・ハウス - Hartwell House
17世紀に建てられた大邸宅で、かつては亡命中のフランス国王、ルイ18世の宮廷としても使われたことのある由緒正しいマナー・ハウス。

お勧めポイント!
マナー・ハウスの中には、ナショナル・トラストが管理していて一般のお客さんが自由に入れる場所も多いのですが、このハートウェルは宿泊者の人たちしか入れません。そのため広大な邸宅を一人占めしているような気分が味わえるのがポイントです!

ハイクレア・カッスル - Highclere Castle
国会議事堂を再建したサー・チャールズ・バリーがデザインを手掛けた、イングランドで最も美しいビクトリア調の城の1つ。

お勧めポイント!
ここはとにかく豪華! 天井の高い、重厚感のある廊下を通って部屋に向かうのですが、静寂の中、カツン、カツンと足音が響き渡ると感無量な気持ちになります。

※ベニュ-の詳細に関しては、HC & Coまでお問い合わせください。
 

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*本文および情報欄の情報は、掲載当時の情報です。

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