ブライダル・ファッションの女王
人生3度目の挫折、離婚を味わう
ヴェラ・ウォン(63)と言えばウエディング・ドレス、ウエディング・ドレスと言えばヴェラ・ウォン。カラスの濡羽色ロング・ヘアーとか細い身体、ノーメイク風メイクがトレードマークの彼女は、米国の桂由美。マライア・キャリー、ジェニファー・ロペス、ハイディ・クラム、クロエ・カーダシアン、チェルシー・クリントン、ジェシカ・シンプソン、アヴリル・ラヴィーン、ヴィクトリア・ベッカム、シャロン・ストーン、ユマ・サーマン――これまで手掛けたセレブたちの花嫁衣裳は数知れず。名実ともにブライダル・ファッションの女王だ。ただし、ここに挙げた過半数以上が離婚、ヴェラ自身もつい最近、娘2人の父親でビジネス・パートナーでもあった夫君と結婚23年にして破局した。
彼女の経歴をたどると、2つの挫折が今ある成功に大きくプラスに働く岐路となっていることが分かる。上海生まれの両親は1940年代半ばにニューヨークへ。父は薬品会社を経営、母は国連で通訳の仕事に就く。手塩にかけて育てられた「裕福な中国系米国人」の少女は、6歳のときから始めたフィギュア・スケートで、高校時代、全米選手権のペア部門に出場、当時「スポーツ・イラストレーティッド」誌に「期待の新人」の一人として挙げられた。しかし、オリンピック代表に選もれ。最初の挫折を味わう。
地元の名門女子大サラ・ローレンス大学に進み、芸術史を専攻。卒業後、米版「ヴォーグ」誌でシニア・エディターとして16年務めるが、同年代のアナ・ウィンターに編集長の座を取られたのを機に退職。これが2つ目の挫折だ。その後、2年間、ラルフ・ローレンのデザイン・ディレクターとして活躍した後、1990年、自身の店をニューヨークにオープンさせ、その後の快進撃は周知の通り。離婚で受けた3度目の挫折も、36歳下トイ・ボーイの発覚で、既に好転の兆し!?