アデルとともに応戦!?
ここのところリアーナやレディー・ガガ、ケイティ・ペリーら米勢に押され気味だったポップス界の女性シンガー枠。目立って活躍するのは、中年の星、スーザン・ボイルだけかと思っていたら、どっこいここへきて、2作目「21」を英米アルバム・チャート1位に押し込んだアデル(22)や、デビュー・アルバム「フー・ユー・アー」の先駆けシングル「プライス・タグ」で首位を奪ったジェシー・J(22)たちUK勢が応戦の構えをみせている。
ヘア・メイクやファッションでいくら派手に過激にしようとも、とどのつまりは「女性」性を強調したスベルト(磨き込んだ)なセクシー路線に集約される米歌姫たちと違って(幼児体型のガガも花魁真っ青なヒール高でがんばっている)、アゴ割れが特徴の太めのアデルはパッと見オペラ歌手、ジェシーはクレオパトラ髪にボディー・スーツ & 網タイツと、UK勢2人は独自路線を歩む。特に、日本のお笑い「フォーリンラブ」のバービーそっくりな瓦顔ジェシーは、エグみが強すぎて、思わず引いてしまうかも。
子供の頃から心臓疾患を抱える病弱な彼女は、アデルやレオナ・ルイスを輩出した舞台芸術専門校ブリット・スクールを出て、10代のうちからクリスティーナ・アギレラやジャスティン・ティンバーレイク、アリシア・キーズなどに楽曲を提供してきた実績を持つ。今年に入って、音楽関係者160人の投票で決まる新人登竜門「BBCサウンド・オブ・2011」で1位に選出され、「ブリット・アワード」でも批評家賞を獲得。業界が諸手を挙げて支持する才女だ。
曲良し、歌良し、ルックス「うん、まぁ……」の良くも悪くもコテコテの英国産タイプ。果たして、海の向こうでピーナッツ・バターよりマーマイトの良さに気付いてもらえるか。