街は光に溢れ、気分も装いも華やぐこの季節。なかでも目を奪われるのが、年に一度の特別な装飾で個性を競っているデパートのクリスマス・ウインドー・ディスプレイだ。そこで今回は、リバティのディスプレイ製作に携わったロンドンのディスプレイ制作会社に勤める日本人デザイナーを指南役に迎え、製作裏話などを伺いながら、各店の例年の傾向と今年の特徴を探ってみた。いつもとは少し違った視点でウインドー・ショッピングを楽しんでみては?(文・写真: 黒澤里吏)
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梶谷典子さん
日本でディスプレイ制作会社に6年勤務した後、来英。語学学校に通っている間にElemental Designにパート・タイマーとして採用され、2006年に労働ビザを取得。以来、同社にてディーゼルやラコステ、スワロフスキー、ルイ・ヴィトンなど、有名ブランド店のディスプレイ・デザインを手掛けている。
ディスプレイ・デザイン会社
Elemental Design
ブリクストンにオフィスを構えるディスプレイ制作会社。社長のゲイリーさんほか5人のデザイナーが常駐しているうえ、ワークショップも併設しており、製作まで一貫して行う。主な取引先は主要デパートや、有名ファッション・ブランドを主とした各種小売店。
(右写真:人懐こいマスコット犬のアウディ君)
www.elemental.co.uk

左写真)今年のカルバン・クラインのクリスマス・ディスプレイ用に製作されたプロップ
右写真)欧州最大規模のショッピング・モール、ウエストフィールドのイメージ・デザインも手掛けた。
リバティ LIBERTY
Great Marlborough Street W1B 5AH
最寄駅: Oxford Circus駅
1920年代のチューダー様式を再現したエレガントで格調高い建物が目を引くリバティ。ショー・ウインドーは決して大きくないが、例年、独自の美意識を反映させたドラマティックなディスプレイを創り上げている。今年は「サーカス&マジック・ショー」をテーマに、アンティーク調の素材を効果的に配して華やかで耽美的なイメージを演出。
ディスプレイ制作の舞台裏
他のデパートと同様、リバティもトータル・デザインは自社で行っているので、私たちのような制作会社では、リバティから依頼されたプロップ(小道具)を製作したり、イメージに適うものを探して提供したりするのが主な仕事になります。例えば背景に使っている紅白幕(写真1)ですが、「古びたアンティーク調の生地で」という依頼に応えるため、まずはこの柄を編集ソフトのイラストレーターで作り、次に古ぼけた趣を出すためにフォトショップで加工。それを100メートルに及ぶキャンバスにプリントして、さらに紅茶で染め上げているんです。ちょっとした生地なんですが、とても手間がかかっているんですよ。しかも、染色を担当した方がデザイン室で丸々一週間、朝から晩まで作業していたんですが、室内に紅茶の匂いが充満し、気分が悪くなったスタッフが出たため、後半は工場に移動してもらいました(笑)。また、既存のアイテムを使うときは、eBayなどもよく利用します。アンティークの家具などを探すにはうってつけなんですね。クリスマス・ディスプレイは各デパートが総力を挙げて臨みますから、企画から制作、搬入までそれこそ一年がかりの仕事になります。各店とも今、既に来年の企画を練っているところだと思いますよ。

写真1
ブランコに施されたリボンなど、細部まで徹底的にこだわっている

写真2
「マネキンが鳥かごから出てくるイメージで」という依頼のもと、製作されたもの。

写真3
マネキンが座っているマジック・ボックスも同社で製作。

写真4
スケッチ画
セルフリッジ SELFRIDGES
400 Oxford Street W1A 1AB
最寄駅: Marble Arch / Bond Street駅
近年ファッション寄りのディスプレイが続いたが、押し寄せる不況の波を吹き飛ばし、よりクリスマスらしさを演出するため、なんと40年以上ぶりにサンタクロースがウインドーに登場。とはいえ伝統的なサンタとは程遠く、床屋にいたり、コインランドリーにいたり、入浴中だったり、はたまた地下鉄でプレゼントを運んでいたりと、まるで身近にいる誰かのよう。総勢200人以上のスタッフが関わったというのも納得の傑作だ。
鑑賞ポイント
セルフリッジはシーン構成が独特ですよね。誰もが経験したことのある日常の場面をお洒落に楽しく演出するのが上手。意外とアイデアは繰り返されていて、見せ方を変えているだけだったりもしますが、何にせよ巧みです。ネオン使いも定番ですね。50年代と80年代をミックスしたようなポップ感があるし、キャッチコピーも冴えています。今年のヒットは地下鉄車両のウインドーかな。奇抜で明快、しかもダイナミックで最高ですね。ぜひ細部まで目を凝らして見てください。





2006年の作品は、緑をふんだんに用いたイメージ先行型 ディスプレイ。神話上の動物や仮面の人物などを配し、 シュールで童話的な世界を再現した。
ハロッズ HARRODS
87-135 Brompton Road SW1X 7XL
最寄駅: Knightsbridge駅
例年、この季節に開催される注目イベントとのタイアップ作品が、各3.6×2メートルの巨大なウインドーを飾っている。今年は映画「007 慰めの報酬」がテーマ。映画で使用された小道具や衣装の数々は、実際に店内で商品として売られているものも多く、ボンド・カーとして知られるアストンマーチンも展示。ジェームズ・ボンドの持つセクシーなイメージと、ハロッズのラグジュアリー感が絶妙にマッチしたディスプレイだ。
鑑賞ポイント
2年前の「007 カジノ・ロワイヤル」の公開時は当社がディスプ レイを担当し、カジノの華やかさも相まってパーティー感溢れる装飾でしたが、今回はより洗練されたイメージですね。メイン・モチーフの円形オブジェは短期間しか展示されないのが惜しいほど贅沢なつくりです。ハロッズの顧客は富裕層が主ですから、素材の一つひとつまで本当に気を使っているんですね。ゴージャスでセクシーな「007」のイメージにピッタリだと思います。





Elemental Designが手掛けた2007年のディスプレイ。ロシアン・バレエとのタイアップ作品でテーマは「ロシアン・クリスマス」。白が基調のピュアでエレガントなイメージ。
フォートナム&メイソン FORTNUM & MASON
181 Piccadilly W1A 1ER
最寄駅: Piccadilly Circus/Green Park駅
児童文学や童話などから着想を得たドラマティックなディスプレイで毎年話題の的。今年はアンデルセン童話「雪の女王」の幻想的な世界を、手仕事による丹念な装飾で見事に描き出している。店内では12月28日までの毎週日曜に子どものための「雪の女王」朗読会を行っているほか、18日までの毎週木曜夜は「雪の女王カクテル」のつくり方が学べるカクテル教室を催すなど、物語にちなんだ各種イベントを開催中(有料)。
鑑賞ポイント
ロンドンで一番凝ったディスプレイと言っても過言ではない、唯一無比の存在だと思います。シアター・セッティングなどを彷彿とさせるもので、職人の技が全面に発揮されている。ディスプレイというより芸術作品に近いですよね。とても西欧的で、日本ではなかなかできないタイプのものです。ちなみにフォートナム&メイソンは伝統的というイメージが強いし、実際にそうだと思うんですが、クリスマス以外では時々、斬新で奇抜なディスプレイを施したりもしていますね。





「不思議の国のアリス」の世界を再現した2006年のディスプレイ。ハンドメンドの展示品一式は翌年、オークションにかけられ、約7800ポンドで落札されている。
ハーヴェイ・ニコルズ HARVEY NICHOLS
109-125 Knightsbridge SW1X 7RJ
最寄駅: Knightsbridge駅
モードの最先端をいくハーヴェイ・ニコルズだけに、ファッションとアートを融合させた革新的なデザインで毎年話題を呼んでいる。特筆すべきはアイデアが光るユニークなモチーフ使いと空間使いの面白さ。今年はジュエリーをメイン・アイテムに使った、パーティー気分溢れるディスプレイだ。ウインドーごとにテーマ・カラーが設けられているのも特徴で、お勧めのクリスマス・ギフトが色別に見やすく展示されている。
鑑賞ポイント
ファッション・コンシャスな若者客をターゲットにしているだけに、抽象的なイメージ寄りのディスプレイです。場所柄、バスの中から見ている人も多いので、レイヤーを生かし、遠目からの視線も意識したつくりですね。大胆な構図やドラマティックなマネキン使いも特徴的。マネキンのメイクは通常、専門のアーティストがスプレーなどで施しますが、ハーヴェイ・ニコルズのものは特にカッコいいので、チェックしてみてください。





2006年のディスプレイ。「Rejoice and Recycle」がテーマだけに、小道具の多くはリサイクル品。普段見慣れている素材を思いもよらない方法で使っていて、まさにアイデア勝ち。
ハウス・オブ・フレイザー HOUSE OF FRASER
318 Oxford Street W1C 1HF
最寄駅: Oxford Circus / Bond Street駅
真っ赤な電飾に雪の結晶で描いたツリーの光がオックスフォード・ストリートでひときわ目を引く本店。ウインドー には同色使いのギフトボックスをランダムに配し、さらにミラーを用いることで奥行き感を出した、高級感漂うディスプレイだ。
鑑賞ポイント
スタイリッシュなOLからファミリーまで、お洒落にそれなりに気を使っている一般客がメインなので、流行を意識してはいますが、マネキンにはメイクを施さず、客層を限定しすぎないように配慮しています。また、ミラー+グロス・ブラック+ゴールドの素材使いは、ディスプレイ業界の秋冬の流行ど真ん中。非常に今年らしいデザインですね。


デベナムズ DEBENHAMS
334-348 Oxford Street W1C 1JG
最寄駅: Bond Street駅
「英国民に最も愛されるデパート」とも言われる1813年創業の老舗店。今年のウインドーには愛嬌たっぷりのトナカイたちが登場し、ドレッサー、ダイニング、クラビング、家族でのお出掛けなど、クリスマスのさまざまなシーンを楽しく演 出している。
鑑賞ポイント
コンサバ系のデパートだけに、比較的いつも控えめというか、オーソドックスなディスプレイが多いんですが、今年はなかなか遊んでいますね。メイン・キャラクターのトナカイも可愛いし、シチュエーション設定もいろいろなターゲット層に訴えるよう工夫されています。外観のゴールドの電飾もとても奇麗で、存在感抜群ですね。


マークス&スペンサー MARKS & SPENCER
458 Oxford Street W1C 1AP
最寄駅: Marble Arch / Bond Street駅
今年のクリスマス向けテレビCMではリリー・コールやテイク・ザット、ツイギーなどの有名人を起用しているマーク ス&スペンサー。赤を基調としたウインドー全体に流れるリボンのモチーフが、シンプルなディスプレイに表情を添えている。
鑑賞ポイント
何と言っても家族向けですから、商品がメインで分かりやすい。ある意味、教科書的なディスプレイです。「3 for 2」を大きくアピールしているのも正解ですよね(笑)。とはいえ、一定の高級感を保っていますし、オックスフォード・ストリート店の外観ディスプレイはいつも目を引くつくりです。今年もとてもクリスマスっぽくて素敵ですね。



コベント・ガーデン・クリスマス・ライト 「コンステレーション」
COVENT GARDEN CHRISTMAS LIGHTS “Constellation”
The Market, Covent Garden WC2
最寄駅: Covent Garden駅
マッシヴ・アタックやU2のステージを始め、ライブ・パフォーマンスにおける視覚効果や建築インスタレーションなど、世界的に幅広い活動を行っている英国のアーティスト集団、UNITED VISUAL ARTISTSが贈る新感覚のインスタレーション。LEDライトが収められた金属製のチューブが天井いっぱいに等間隔で吊られており、星降る夜空のような印象的な光を放っている。また、サウス・ホールの手前に備わったスクリーン・パネルは、金属製チューブのコントローラーになっており、パネルをタッチすることで思い思いに光を操作できる という、画期的な仕組み。このインタラクティブなアトラクションは毎日15:00 / 16:30 / 18:00 / 19:30の計4セッション(各30分間)行っており、誰でも体験可能。ぜひ足を運んでみて。
www.coventgardenlondonuk.com





在留届は提出しましたか?










ポールによる下絵をもとに、ポップ・アーティストのピーター・ブレイク卿がデザイン。4人の背後には彼らがヒーローと崇める歴代の著名人たちが勢揃いしている。当初、ジョンはヒトラーも候補に挙げていたが、撮影当日に却下されることとなった。(写真提供:Toot'n Reg)
60年代にサイケデリック・アートの一時代を築いたオー ストラリア人アーティスト、マーティン・シャープの傑作。ビクトリア時代の版画も取り入れた絢爛(けんらん)なデザインだ。シャープは収録曲「Tales of Brave Ulysses」で歌詞も提供している。(写真提供:Toot'n Reg)
クリムゾン作品の歌詞を担当していたピート・シンフィー ルドの友人で、コンピューター・プログラマーのバリー・ゴドバーが自画像として描いた作品。ゴドバーは本作リリース直後の1970年に、心臓発作により24歳の若さで急逝している。(写真提供:Russell Taylor)
1969年8月8月、レコーディ ングを行った「EMI」のアビー・ ロード・スタジオ前で撮影され た、あまりにも有名な1枚。こ ちらもポールによるスケッチが 原案。フォトグラファーのイア ン・マクミランが撮影にかけた 時間はたった10分だという。(写真提供:Satori K)
ベーシストのロニー・レーンが、当時マリファナ入れとしてよく使われていたタバコ缶に着想を得て、ビクトリアン・デザインのパッケージで有名なタバコ会社「オグデンズ」に協力を仰ぎ制作。12インチのオリジナル盤は見開き5面の円形ジャケット。(写真提供:Toot'n Reg)
The Whoの3作目となる、ラジオ局とCMをテーマにしたコンセプト・アルバム。ジャケットも商品広告を意識しており、前後面をそれぞれパネル状に2分割し、各メンバーが巨大化された食品や日用品を手にしているというポップなデザイン。(写真提供:Nick Collins)
デザイン・グループ「ヒプノシス」のストーム・ソーガソンがタイトルとアートワークを担当。シド・バレット脱退後ともあって「不在」をテーマにしており、炎に包まれ燃えている男が握手しているイメージは、初対面の際に本心を明かすことを嫌う人間心理を象徴しているとされる。(写真提供:Nick Collins)
本物のジッパーが付いた斬新なカバーは、アンディ・ウォーホルの発案。ジッパーを下ろすと、後にバンドのロゴとなるベロ出しリップ柄を施したブリーフのカードボードが現れる。同作は猥褻との理由で物議を醸し、スペイン盤は別デザインに変更された。※ 写真は一部破損(写真提供:Nick Collins)
ストーム・ソーガソンのデザイン。巨大なブタの風船をロンドンのバタシー発電所上空に飛ばし、3日間かけて撮影。途中、風船が空高く飛んで行ってしまい、一時は警察も出動する騒ぎとなったが、最終的にケント州の農場にほぼ無傷で着地したのだとか。(写真提供:Nick Collins)
ピンク・フロイド創始者の一人、シド・バレットのソロ2作目にして最後のスタジオ・アルバム。もともと画家志望でアート・スクール出身のバレットが自ら描いた昆虫の絵に、絶妙なタイポグラフィによるタイトルが添えられた、儚さが漂う美しい1枚。(写真提供:Nick Collins)
ハリウッド女優たちとバンドのメンバーが交互に配された内ジャケットの写真が、外ジャケットの切り抜かれた顔部分からのぞくという凝った仕様。レーベル側が女優たちに正式に許可を取らなかったことから、後に裁判沙汰に発展した。(写真提供:Satori K)
バンド・メンバーの50'sスタイルへの愛好を反映したデザインは、その後ロキシー・ミュージックのアートワークを数多く手掛けたニック・ドヴィルが担当。カバー・ガールは、後にミック・ジャガーの弟、クリス・ジャガーと結婚した、カリ=アン・ミュラー。(写真提供:Toot'n Reg)
通算6作目となる2枚組アルバムで、ニューヨークの4階建てフラットの写真を使用。内ジャケットに描かれた人物写真や絵が、外ジャケットのくり貫かれた窓部分から見える仕掛け。1976年のグラミー賞でベスト・アルバム・カバー賞に選出されている。(写真提供:Toot'n Reg)
スイス人画家でデザイナーのH・R・ギーガーによる原画を採用。表面は2枚仕立てで、観音開きのトップ面を開くと女性像が現れる。後に映画「エイリアン」のデザインを手がけて世界的に人気を博したギーガーの、初の公式作品としても有名。(写真提供:Nick Collins)
アート・スクール出身のイアン・デューリーも絶賛のグラフィック・アーティスト、バーニー・バブルズがデザインしたバンド2作目のアルバム。背景に使われているのは壁紙のサンプルで、12以上のパターンが制作された。バブルズは1983年に自殺。(写真提供:Nick Collins)
セックス・ピストルズのアートワークといえば、ジェイミー・リード。どぎつい色にランダムなレタリングを配した、シンプルながら強烈なデザイン。これ以上ないほどの粗さとインパクトの強さが、バンドのイメージに完全マッチ。(写真提供:Kaz)
「ヒプノシス」による高いデザイン・コンセプトをもつ1枚。「This is a RECORD COVER」から始まって、機械的で皮肉めいた解説が続き、読んでいるとまるでロボットが喋るのを聞いているような感覚に陥る。音もジャケットに違わず斬新で前衛的。(写真提供:Nick Collins)
グラフィック・デザイナーのピーター・サヴィルは、もう一人のメンバーと言っても過言ではないほど、デザイン面でバンドと密接に関わってきた。フロント・カバーの人物は意外な抜擢、ドラムのステファン・モリス。トレーシング・ペーパーの効果が生きたクリアでミニマルなデザイン。(写真提供:M.E)
性的な歌詞が問題になり放送禁止となった大ヒット作「Relax」 や、米ソ冷戦を批判した「Two Tribes」等で一世を風靡したFGTHのデビュー作。このカバー絵は、当時アート・スクールを出たばかりだったロ・コール作。(写真提供:M.E)
ニルヴァーナやレディオヘッドなどにも多大な影響を与えた米国出身の彼らは、デモテープを英レー ベル「4AD」に気に入られて英国からデビュー。アートワークはヴォーガン・オリバーが一貫して 担当しており、サウンドに合ったシュールで退廃的なイメージ。(写真提供:Nick Collins)
20年代のドイツの芸術活動「バウハウス」に名を借りた彼らは、ゴシックの元祖。ライブでは常に黒い衣装を身にまとい、ストロボ・ライトの閃光による演出のもと、ダークで激しい音を鳴らしていた。これはそんな彼らの表現活動をビジュアル化したような1枚。(写真提供:Nick Collins)
菜食主義を声高に訴えた名作。スミスのカバーのほとんどはモリッシーが選んだ古い映画や写真のイメージだが、本作では1968年のドキュメンタリー映画「亥年」のカットを採用。ヘルメットに書かれていたオリジナルのスローガンは「Make War Not Love」。(写真提供:Kaz)
伝説のクラブ、「ハシエンダ」で見出されてファクトリー・レコードと契約。後に全盛となるマッドチェスター・ムーブメントの先駆けとなった1枚で、同ムーブメント関連のアートワークの担い手だった「セントラル・ステーション・デザイン」がカバーを担当。(写真提供:M.E)
90年代のマッドチェスター全盛期を代表するアルバム。音、アートワークともに当時のドラッグ文化の影響をモロに反映。前面にタイトルなどが一切入っていないにもかかわらず、バンドおよびEカルチャーの出現を象徴する1枚として広く認知された。(写真提供:Satori K)
メンバーのカール・ハイドとリック・スミスが所属するデザイン集団、「トマト」の作品。混迷するラインと文字を配した過不足のないデザインは、エレクトロニック・ビートとカットアップの美学を見事に反映。ダンス・アルバムのデザインにおける新基準となった。(写真提供:Satori K)
メンバーの1人でデザイナーの3Dは、自然史博物館のために昆虫の写真撮影をしていた経験もあるファッション写真家、ニック・ナイトの作品を起用。南米産の珍種カブト虫の頭部写真に特殊加工を施し、シャープで危険、かつ力強いイメージを完成させた。(写真提供:Satori K)
今や飛ぶ鳥落とす勢いの、グラスゴー出身の4人組。全員アート・スクール出で、ビジュアル・イメージも自ら手がける多才ぶり。2作目となる本作では、ロシア構成主義を代表する前衛芸術家、アレキサンダー・ロドチェンコの作品をモチーフにしている。(写真提供:Satori K)
1994年以降、バンドの全作品のアートワークを担当しているスタンリー・ドンウッドが本作で描いているのは、熱と冷気が一度に迫ってくるような、山脈を中心とする風景。ドイツの画家、カスパー・ダーヴィト・フリードリヒなどからの影響も見て取れる。(写真提供:Satori K)
通算8作目となる本作では、2作目以降、全作品のカバー・デザインを担当してきたピート・ファウラーに代わって、日本人アーティストの田名網敬一を起用。バンド・メンバーが来日時に田名網氏の作品を見て「ブッ飛んだ!」ことから採用が決まったという。(写真提供:Chinami)



Superfuzz Bigmuff
Long Island (single)
Jesus Meets The Stupids
Up All Night! 30 'Northern Soul Classics'
In The Land Of
Plastic Ashtray (Single)
Inside In / Inside Out
Cosmic Slop
Radiator
6 For A Fiver 
*英国人コメディアンのラッセル・ブランド、テレビ司会者ジョナサン・ロスが、BBCのラジオ番組内で、コメディ俳優アンドリュー・サックス氏の孫娘と性的関係を持ったとする内容を同氏の留守番電話に残すという悪ふざけを行った。これが聴取者などからの抗議を呼び、後日発表した声明の中で、両者は共に謝罪した。





ちょっととっつきにくそうな店員さんも、車や鉄道の話になるや、物静かな口調ながら次から次へとお勧めの本を語り出す。こんな本屋では、本を購入するだけでなく、いかにも英国らしい、ちょっとシャイで頑固な店員との会話を楽しみたい。
ジョンさん一押し。現在はロンドン交通局が所有するグレート・ウェスタン鉄道のタンク式蒸気機関車の物語。実はジョンさんの共著本だ
2007年度「ガーディアン」紙が選ぶ「世界で最も優れた本屋」において、英国内の本屋で唯一トップ10にランク・インしたのがこの「Hatchards」。創業1797年、3つの王室御用達の称号を持つこの書店にはかつて、オスカー・ワイルドやバイロン卿も通ったとか。
美しい装丁が魅力の教会ねずみシ リーズ絵本。クリスマス・プレゼ ントにもぴったり
ロマンスも扱っているのは、「もちろん、私がロマンス本も書いているからさ(笑)」。マニア向けと思いきや、マキシムさんの個性が反映された、ちょっぴりお茶目な本屋だった。
ホームズの物語に詳しい注釈を付けた研究者向けの本。著者は弁護士でシャーロキアン
そしてもう一点、特筆すべきなのが本の配列。旅行書のみならず、小説などすべての書籍が国ごとにまとめられているのだ。本棚を眺めただけで、それぞれの国の文化や歴史まで見えてくるような、時間や空間を超える広がりを持つ本屋である。
作家エマニュエル・リトビノフが、ロンドンのイーストエンドで暮らした自身の少年時代を振り返る
「普通の本屋だったら、本が一番大切でしょう。でも私たちにとって何より大切なのは人との関係なのです」。顧客はほとんどがコレクター。彼らとのコネクションを通して、本を購入し、販売する。長年培ってきた彼らとの関係性を守り続けること、そして「あまり欲深くならないこと」、こうした姿勢を貫くことで、「Gekoski」は希少本の世界における確固たる地位を保ち続けている。
グラハムには珍しいこの詩集は、現在では世界に数冊しか残っていない貴重なもの。何とグラハム本人から購入したという本の最後には、直筆の詩も書き加えられている
ヨーロッパ最大の独立系本屋と言われるドイツのWalther Koenig Books。そのロンドン支店としては、ケンジントン・ガーデン内のサーペンタイン・ギャラリー店が知られているが、チャリング・クロス・ロードにも今秋、新たな店舗がオープンした。黒で統一されたシンプル&シックな店内はさほど大きくないが、アートや建築、写真の分野では定評のある書店の支店だけあって、選び抜かれた本はどれも店のセンスがキラリと光るものばかり。また、店独自で出版しているものもあるので要チェックだ。人気の現代作家のアート本や写真集が置かれた1階をゆっくり楽しんだ後は、ぜひ地下へ。分野を問わず、さまざまな本が大幅に値下げされていて、思わず目移りしてしまう。
スーパーのチラシから電話ボックスに貼られた女性のヌード写真まで、さまざまなチラシをユニークなアレンジでまとめたスクラップ写真集

ロンドンの街を網羅した詳細な地図を時代別にまとめたシリーズの1冊
本屋という枠組みを超え、新しい文化の発祥地として若者を中心に絶大な人気を誇るショップ。本のみならず、Tシャツやキャラクター・グッズ、文房具などが販売されている店内には、混沌としながらもどこか統一感を覚えさせる不思議な空気が漂う。ありとあらゆる分野の人々がドアを開けて店内に入り、何かを求めるという行為はとても人間的に豊かなこと、とはオーナーの弁。客からのフィードバックを大切にし、そのアイデアを取り入れることで進化し続ける空間に、今後も目が離せない。
「MI5の職員をスパイせよ」などユニークな指示が挿入されたダイアリー・シリーズの2009年版
じっと留まっていなければならないこの仕事は、かなりの重労働に違いない。それでも彼らが毎日、本を売り続けていられるのは、「本が好きで、このエリアが好きだから」。時には馴染み客が本を売りにやって来ることもあるという。本を好きな人と人が集まれば、そこにはもう、「本屋」という空間が存在しているのかもしれない。










国際的に活躍するビジュアル・アーティストとリバプール近郊の3都市が協力し合い、それぞれの街にパビリオンが作成された今年。中でもリバプールの北に位置するカークデールでは、「見捨てられた土地をコミュニティー・ガーデンにしたい」という街の要望にアーティストが応えた。このパビリオンは2つのエリアに分かれており、1つは城のような、そしてもう片方は「バー・コード」というガーデンとなっている。これは一見すると「一体、どこがガーデン?」と思ってしまうような代物だが、中に入ると、壁の内部が植物で覆われていることが分かるという仕組みになっている。グリーン思想とアート、そして地元の人々の生活が一体となった作品だ。
建築分野でのキャリアも持つ米国人アーティスト、サラ・ジーは、細部まで細かい趣向を凝らしつつも、奔放な雰囲気が漂うインスタレーションを制作することで知られている。今回、展示場である階段横の吹き抜けを最大限に利用したサイト・スペシフィックな作品を発表したジーは、「これは1つの風景というよりも、ある風景のなかで起こっている動きの連続」であると語る。インテリア用品のサンプルやレンガ、建築の材料にコケなどが配置されているのだが、これらの作品の1つ1つが「次の動作」に移ろうとする瞬間で「一時停止」されているのだ。そしてそれらのオブジェは構成されたというよりも、それぞれが生命体として意思を持っているかのように力強い。



破天荒な現代アートの思想がこの空間に凝縮
イタリア人アーティストのロベルト・クオギが作り出す、音の芸術展。紀元前7世紀前後にメソポタミア文明を築いたアッシリア帝国の崩壊をテーマとしたという、ICAらしい一風変わった芸術作品は、11月23日まで公開。入場無料。
コンラン卿プロデュースで食をアートへと変える
Alan Aldridge:
都会人のためのシックなバー
最近のコンセプチュアル・アート界を牽引するブラジ ル人アーティスト、スィウド・メイレリスの特別展。日常生活で手にする事物を使いながら、観る者に驚きや困惑を与えてしまうような、不思議な作品世界を作り上げる。2009年1月11日まで。入場料£8。
待ち合わせにも最適
多角ビジネスを手掛ける英国人企業家ジョン・マデイスキーからの300万ポンド(約6億円)の寄付によって建築された展示スペース。数年ごとに展示内容を変更しながら、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツのコレクションを公開している。入場無料。
ロンドン中心部の隠れ家的名所
ナショナル・ポートレート・ギャラリーの最初の所蔵品になったのが、文豪ウィリアム・シェイクスピアの肖像画だった。ただ同館でもこれがシェイクスピアを描いたものであるかどうかを断定できない、いまだ多くの謎に包まれた作品なのだという。
新古典主義の庭で優雅なお茶を嗜む
19世紀のフランス画家エドゥアール・マネが死の直前に完成させたという「フォリ・ベルジェールの酒場」(右写真)は必見。コートールド美術館への入場は£5(60歳以上、学生は£4、月は14:00まで無料)。
破天荒な現代アートの思想が凝縮
Dryden Goodwin: Cast
異なるアートにはおあつらえのカフェを
Kings Place Gallery
甘いお菓子とともにみっちりとお勉強
常設展の中にある人体の展示。体の部位を意味する英単語を押すと、その部位が光る仕組みになっている。「胃」、「肝臓」といった初歩的なものから「膀胱」といった単語の復習に便利。ウェルカム・コレクションの常設展への入場は無料。
世界で初めてのミュージアム・カフェ
Cold War Modern: Design 1945-1970
英国貴族が嗜んだお茶の時間を追体験
フランドル絵画の代表作として知られる、17世紀のオランダ人画家フランス・ハルスが描いた傑作。入場無料の常設展に飾られている。
都会の喧騒から逃れるための隠された屋外庭園
RIBA の内装
The Parlour@Sketch
Poetry Place
5th view@Waterstone's
Books for Cooks




























Melissa
英国出身のシューズ・デザイナー、トーマス・マーフィー。一見、地味であるが、ディテールを見ると実に面白い。例えば金色に輝くコッパー(銅)製のヒールは、年月を経につれダークな茶に変化していくという過程を楽しみながら履くことが出来る。素材は木や金属に皮など、自然の素材を使用。メンズ靴の思考を取り入れ、長く履き込むと味が出るよう計算されている。
ありそうでなかった、雑誌を丸めたようなクラッチ・バッグ。伊勢丹のバイヤーがサンプルを購入したというから、日本上陸も近いかも。雑誌「バニティ・フェア」の表紙デザインでの特注オーダーも入ったのだとか。
プリントからデザインするというケイトのバッグは、ブロードウェイ・マーケットやスピタルフィールズ・マーケットで買うこともできる。カンバス素材のでかバッグは軽くてお手頃価格、普段使いに愛せるタイプだ。プリントものが旬なこのシーズンに、個性を出せる。
シルクのフリル・バッグに革のヒップ・バッグもフリルと、甘くなりそうなデザインなのになぜか辛口なのは、ブラジルとスウェーデンのデザイナーという対極コンビの賜物かも。ベルトも静かなシャープさで、かっこいい印象。日本では「ビームス」などで取り扱っている。
旬のモデル、アギネス・ディーンが雑誌の表紙で被り、一躍注目が集まったベレー帽は、PVC製でどことなくコミック的かわいさがある。長いリボンとメッシュが新感覚のサンバイザーなど、不思議なデザインを涼しい顔で着こなして、目指せ、お洒落の達人!
ステートメント・ジュエリーは素敵だけど、1日着けると重さで意外に疲れを感じるもの。それを意識し、軽い素材で作られた大ぶりのアクセサリーがこちら。果物の木を彫った黒花モチーフなど、見かけによらない軽さにびっくりだ。
こちらのブランドでも、レディースではミニ・サイズの帽子が目立つ。リアルなイチゴがついたカクテル・ハットは、「主役は私」を目指したい日のコーディネートにぴったり。アクリルの蛍光色が近未来的なキャスケットは、冒険好きなメンズへの提案だ。














