青葉が目にまぶしく、風薫る初夏。市街地にいても緑の多さに目を奪われることの多いこの季節、英国最大のフラワー・ショーがロンドンで開催される。それが、チェルシー・フラワー・ショーだ。例年通り、女性の心をくすぐる色とりどりの花が集合するが、「花なんて女の子の見るもの」と思っている男性諸君、このショーの見どころは花だけではない! 綿密に計算された庭園作りの髄に触れることで、新たな驚きを発見できるかも。もちろん、緑の中で自然の息吹を感じれば、気分もリフレッシュ。今回は、2007年のショーの見どころをたっぷりと紹介しよう。(本誌編集部: 竹内詠味子)
2007年の見どころ① グレート・パビリオン
チェルシー・フラワー・ショーの最大の見所は、やはり、色とりどりの花々が揃う広大なグレート・パビリオンだろう。ダブルデッカーが500台も駐車できるほどのスペースに、世界的に活躍するフロリストや造園家、苗木職人など、植物の専門家たちの作品が一堂に会し、訪れる人々の目を楽しませてくれる。花だけではなく、樹木や果実を利用したフローラル・アートも見ごたえ満点。その中で、花好きが楽しみにしているのが、「ニュー・プラント」と呼ばれる新種の花々だ。
バラ Harkness Roses
ハークネス・ローゼズは、デービッド・オースチンに並び英国のバラ栽培をリードしてきた歴史あるブリーダー。今年の新種は、かすかにシトラスの香りがする真珠色のバラ「ベルモンテ」、美しい紅色の「カリス」、スパイシーな香りの「ヘンリエッタ・バーネット」と、TV司会者のマイケル・パーキンソンにちなんで付けられた白いバラ、「パーキー」などを出展する。
ゼラニウム Brian & Pearl Sulman
今年で出展20周年記念を迎えるブライアン&パール・サルマン。ゼラニウム「ロイヤル・プリンス」は、ラズベリーのような深い色合いの花びらとほのかなピンクの花びらの対比が美しい作品。中心は白く、上品な新種だ。また「コットナム・チアー」と名づけられたゼラニウムは、花びらの滑らかな曲線と鮮やかなピンク色が可愛らしい。
クレマチスRaymond J Evison Ltd
レイモンド・L・イヴィジョンが出展するクレマチスは、今年、なんと1500鉢にも上るそう。その中で、新作の「キングフィッシャー」は、コバルトブルーの羽を持つ野鳥にちなんで付けられた名前。その名の通り、紫と青を掛け合わせたような濃いブルーが鮮やか。また、艶やかなピンクのクレマチス「バーボン」は、外側が濃くふちどられ、深みのある色合い。
ユリ H W Hyde & Son
ユリを中心に栽培しているH・W・ハイド&サンは、昨年の展示で金賞を受賞した実力派。今年出展する新種のユリ「レディ・アナベラ」は、純白の花びらがまぶしく、気品に満ちている。ユニークなのは、花びらが二重になっていること。そしてなんと、花粉が出ないこと。この季節、くしゃみに悩まされている人にも嬉しい新種だ。
アイリスCayeux Iris
30年以上もアイリスの交配研究を続けてきたフランスのブリーダー、カユー・アイリスは、透き通るような単色の花から2色使いのものまで、今年も様々な花景色を見せてくれる。「クラウネリー」は、紫色に縁取られた淡いラベンダー・ピンクの花びらが印象的な花。
葉植物 Knoll Gardens
葉ものと多年植物を専門とするノル・ガーデンズは、2002年から5年連続でメダルを獲得しているという、輝かしい受賞歴を持っている。今年の新種は、シャープな葉がまっすぐに空へと伸びた「ミスカンサス・ゴールド・バー」。みずみずしい緑が、どんな花をも生かしてくれる。
出かける前に、まずは基礎知識
チェルシー・フラワーショーの歴史
今年、第85回を迎えるチェルシー・フラワー・ショーは、実は、140年という長い歴史を持っている。その起源は、1862年にケンジントンで開かれた「Royal Horticultural Society's Great Spring Show」。1888年にはエンバンクメント近くのTemple Gardenへ移動し、1913年から現在のRoyal Hospitalで開催されるようになった。日本の盆栽は、何とこの時から展示されていたそう。第一次・第二次世界大戦中など、開催がキャンセルされた時期もあったが、人々がこのショーにかける思いは熱い。1928年には、開催日の前日に大嵐に見舞われたが、壊された会場はスタッフの尽力で翌朝までに元通りにされた。そんな歴史にも、英国人の草花への情熱を感じ取ることができる。
RHSとは
Royal Horticultural Society(王立園芸協会)の略。1804年に、人々の園芸に対する情熱を喚起し、園芸の進歩を促す目的で設立された。会員は、世界中になんと37万人。44ポンドの会費を支払って個人会員になると、英国にある4つのRHS庭園に無料で入場できるほか、月刊の冊子が無料で送付されたり、協会が主催するフラワー・ショーで優待されるなどの特典がある。
チェルシー・フラワーショー2007年5月24日(木)~26日(土)
(RHSメンバーは22日、23日から)
木・金8:00-20:00、土8:00-17:30
(入場は16時まで)
Royal Hospital, Chelsea, London SW3
Sloane Square駅から徒歩5分
終日券£40、半日券(15:30-20:00有効)£22.50、夕方券(17:30-20:00有効)£17.50
Tel: 0870 247 1226
www.rhs.org.uk
2007年の見どころ② ガーデン部門
造園建築のプロたちが、自らのオリジナル・アイデアを展示するガーデン部門。お城の中庭のような豪華なものから、「こんな庭が自宅にあったら」と思わせる素朴なものまで、アーティストたちが独自のコンセプトを盛り込んで生み出す空間は、とても刺激的だ。ガーデン部門は、「庭園」と呼ぶにふさわしい豪華なショー・ガーデン部門と、限られた空間の中で展開される4種のスモール・ガーデン部門に分かれている。
写真)オフィスの屋上にこんな庭があったら、昼休みが楽しみになりそう
Heavenly Gardens 'The Rhus Garden', Designer: Freya Lawson
~ショー・ガーデン~
今年のショー・ガーデン部門には、20作品が集合。昨年のゴールド・メダルを受賞したクリス・ベアードショーさんや「ブラッドストーン」のサラ・エバールさんを始め、多くのメダル獲得アーティストが参加している。図案を見るだけでも、その凝ったデザイン性を感じ取れるが、実際に出来上がった庭を目にすれば、その美しさに感激するはず。

2006年の金賞作品のひとつ、クリス・ベアードショーさんの
「The Wormcast Garden」
Photo: Michael Walter/Troika

今年は老舗の紅茶会社「フォートナム・メイソン」の出展も
The Fortnum and Mason Garden

賞の獲得を目指し、オリジナリティに溢れた作品が揃う
Chris Beardshaw Ltd - Celebration 100 Years of Hidcote Manor
Bradstone - 600 Days with Bradstone
~スモール・ガーデン~
誰もが自宅の裏に欲しいと思うのが、自分だけの小さな庭。スモール・ガーデン部門では、シック・ガーデン、シティ・ガーデン、コートヤード・ガーデン、そして今年から新設されたルーフ・ガーデンという4種類のテーマに基づき、様々なガーデニングの形を見せてくれる。

ユニークなアイデアが生かされたシック部門
'Lust for Life' by the Children's Society.
Designer: Angus Thompson.

都会の屋上を演出するルーフ部門
DHL Logistics in association with Bespoke Gardens
'The DHL Sun Chariot Garden'
Designer: Andrew Marson

コートヤード部門には、お洒落な中庭が揃う
Moving Spaces 'Moving On...'
Designer: Teresa Davies, Steve Putnam and Samantha Hawkins

洗練された雰囲気が漂うシティ部門の庭スケッチ
AOA Corporation Ltd.
'UN TEI - Garden of Clouds'
Designer: Kazuyuki Ishihara
毎年、チェルシー・フラワー・ショーには日本人アーティストが出品し高い成績を収めている。今回、シティ・ガーデン部門にエントリーしたのが、ランドスケープ・アーキテクト、関晴子さん。昨年、ロンドンに自分の事務所を設立し、独自の活動を展開している関さんにとって、チェルシー・フラワー・ショーへの出展は今年が初めて。そんな彼女にお話を聞いてみた。
ランドスケープ・アーキテクト
関晴子さん
チェルシー・フラワー・ショーに出品するのは初めてとのことですが、出品してみようと思った動機、また経緯を教えてください。
私は英国の永住権を取得したのを機に昨年春にデザイナーとして独立し、現在、国内外のアーティストや建築家とのコラボレーションという形で活動しています。チェルシーには、今回力試しのつもりで初めて応募してみたのですが、幸運にもスペースを確保することができました。
出品作は「Garden of Transience」と名付けられていますが、テーマを「静けさ」や「うつろい」に置いたのはなぜですか。
日本の空間構成における「間」=静寂の捉え方や、光と影の扱いによって生み出される「うつろい」の感覚は、日本独自の感受性に根ざしたものであるように思います。このような感覚が見る人の心の底に眠る何かを呼び覚まし、詩的な空間を創出することができたらと考えています。
フラワー・ショーで関さんの作品を見る鑑賞者の人に、この作品のどんな点に注目してもらいたいですか。
私が英国で10年間生活する中で再発見した日本の文化の特異性、素晴らしい美意識や感性というものを、チェルシーの舞台を借りて、英国人のみならず日本の方々にプレゼンテーションすることができたらとても嬉しいことです。
英国で日本の美や感覚をデザインする上で、難しいことは?
海外に存在する日本庭園の多くは、「かたち模して心入らず」というものになっているのが現状です。チェルシーのガーデンでは、日本庭園のエレメントを一切使わずに「日本人の美意識を反映した現代の庭」を創出することを意図しました。これは、自分なりに長い間考えてきたテーマに対する、ひとつの実験であり、挑戦であると思っています。
ロンドンにお住まいですが、市内で気に入っている公園や庭、創作活動の刺激となる場所はありますか?
ロンドンのロイヤル・パークの中では、リージェンツ・パークが特に気に入っています。また、RIBA(王立英国建築協会)では常に時代の先端を行くデザイナーの展覧会が行われ、ブック・ショップやライブラリーも充実しています。1階のカフェもお気に入りの場所です。
日本で9年間景観設計の仕事に関わり、1997年渡英。2001年グリニッジ大学ランドスケープ・アーキテクチャー修士課程を卒業後、ロンドンのランドスケープ事務所に勤務。2006年自らのスタジオSTUDIO LASSOを設立。国内外のデザイナー、アーティスト、建築家とのコラボレーションを数多く手がけ、空間デザイナーとして幅広く活躍している。
Studio Lasso, 'Garden of Transience’
Designer: Haruko Seki
Sponsors: Green and Arts Co.,Ltd www.gaa.co.jp
Urban Regenerate Association of Niigata
Contractors: Makoto Tanaka Landscape with Toshiki Motosugi
wwww.sekiteiuk.com
Kenzo Yamakoshi Design Studio www.kenzoyamakoshi.com
Music: Motoki Hirai / Pianist & Composer www.motokihirai.com
花のある風景を求めて
フラワー・ショーを見逃してしまっても、花を愛でる心は身近な場所から生まれるもの。英国には、気軽に花を楽しめるスポットがたくさんある。その中でも、ロンドンっ子に親しまれているのがロイヤル・パーク(王立公園)や地元のフラワー・マーケットだ。
例えば…①
リージェンツ・パーク
1811年にデザインされたリージェンツ・パークは、166ヘクタールという広大な敷地内で、一年中、季節の花々を楽しめるスポット。中でも、初夏に咲き誇る見事なバラは、見ごたえたっぷりだ。公園内にあるQueen Mary's Gardensには、400種類ものバラが観賞できるローズ・ガーデンがあり、訪れる人を甘い香りに包み込んでくれる。また、公園内には動物園「London Zoo」もあり、観光客にとっても見逃せないスポットだ。

左)クイーン・メリー・ガーデン内のバラ園はリージェンツ・パークの名物
右)360度、どこを見ても花にめぐり会える
The Regent's Park
開園時間:5:00〜夕方
最寄駅:Regent's Park駅 / Baker Street駅 /
Great Portland Street駅
Tel: 020 7486 7905
WEB:www.royalparks.gov.uk
例えば…②
セント・ジェームズ・パーク
バッキンガム宮殿と国会議事堂に挟まれたセント・ジェームズ・パークは、ロンドンっ子や観光客はもちろん、王室の人々や政治家たちをも楽しませている。敷地面積は23ヘクタールで、リージェンツ・パークに比べると小ぶりだが、初夏に咲き誇る黄色の水仙など、多くの花々が緑の多い公園を華やかに彩っている。また、ペリカンやアヒルなどの動物たちにも出会うことができる、愉快な公園だ。

左)豊かな緑に囲まれたセント・ジェームズ・パークは、ジョギングにも最適
右)休日には、家族で散歩に訪れるのもいい
St James's Park
開園時間:5:00〜深夜
最寄駅:St James's Park駅 /
Westminster駅
Tel: 020 7930 1793
WEB:www.royalpark.gov.uk
例えば…③
コロンビア・ロード フラワー・マーケット
ただ見るだけは物足りない、自宅で花を生けてみたい、鉢植えを育ててみたい! という人は、ロンドン随一のフラワー・マーケット、コロンビア・ロードを訪ねてみよう。19世紀から続いているというこのマーケットでは、毎週日曜、50店以上のストールが出店し、花や鉢植えを販売できる。人気のバラはもちろん、スーパーの花コーナーでは見られないエキゾチックな植物も、手軽な値段で手に入れることができる。お昼過ぎからは安売りも始まり、20本の新鮮なバラが5ポンドで手に入ることも。


午前10時頃には、通り全体がお客さんでいっぱいになる
Colombia Road Flower Market
住所:Colombia Road, E8
営業時間:日曜のみ 8:00-15:00
最寄駅:Shoreditch High Street駅 /
Hoxton駅
Tel: 020 7377 8963
WEB:www.eastlondonmarkets.com



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ニューヨークの摩天楼のように、超高層ビルが立ち並ぶカナリー・ワーフ。地図で見るとくぼむように折れ曲がったテムズ川に加えて、この辺りで多く見られる波止場(Dock)が水辺の景色となる。この界隈で働くビジネスマンの中には、自転車やジョギング通勤する人たちが多くいて、彼らと一緒に近代的なデザインの中を颯爽と走る感覚を味わえるのが醍醐味だろう。
この辺りはまだテムズ川の上流なので、水面も穏やかで美しい。また川辺には草が生い茂っているので、野原の中をかき分け走っていく感覚を楽しめるはずだ。

いわゆるロンドンの下町風情を味わえる区域。ここで紹介したコースでは市道を走り抜けることになるので、目まぐるしく変わる街の景色が一番のお勧めポイントとなるだろう。そして水辺の景色となると、見えるのはやっぱりテムズ川。この辺まで来ると河口にも近いので、川からは海の匂いを嗅ぎ取れるはずだ。
かつて荷物の運搬に使われたという運河の中で、ロンドンの代表的なものがリージェント・カナル。テムズ川と大きく異なるのは、細く穏やかな流れと人通りの少なさが生む静けさ。また近くにはプリムローズ・ヒルもあるので、そこまで足を延ばせばロンドンではちょっと珍しい丘の上の景色を楽しむこともできるだろう。
ロンドンにもう1つある運河がこのグランド・ユニオン・カナル。周回コースではないが、信号機がほぼ皆無という、地元ランナーお勧めのコース。

「The Office」や「Extras」といったコメディー番組のヒットで今や時の人となったリッキー・ジャベイス。これらの番組では典型的な中年太りの体型と豊かな表情を生かしたコミカルな演技が評判だったが、スタンダップ・コメディアンとしての彼はかなり硬派。聖書や百科事典、政治思想といった知的権威を徹底的にこきおろすネタを得意としている。
英国人が持つ外国人に対する偏見を元にしたネタを、ほぼ専門的に扱うコメディアン。イラン人の両親を持つことから自らを笑いの対象とすることが得意で、肥満体型、濃い顔、大きな声を合わせて出来た暑苦しい存在感を売りにしている。「アルカイダ」「テロ」「ホーム・オフィス」といった言葉から連想されるネガティブなイメージを利用しての笑いを十八番にしている。
アイルランド生まれのコメディアン。かつては石油会社大手の「シェル」でマーケティング・エクゼキュティブとして働いていたが、リストラにあったためにお笑い芸人になった。とぼけた顔とうつむき加減の上目遣いでシュールな雰囲気を醸し出しながら、短く過激なジョークを1つずつ連ねていくパフォーマンスで人気を集めている。
前職は精神科の看護婦という特異なキャリアを持つ女性芸人。ステージ上では早口でまくしたてるコメディアンが多い中、彼女の膨れっ面、退屈気でのってりとした口調は際立っている。英国コメディー界随一のおばさんキャラであり、下積み時代には伝説的な海の生物を意味する「シー・モンスター」という芸名が付けられていたほどの個性が光る。
眉間に皺を寄せて鋭い目つきで観客を睨みつけながら低い声で話す様は、お笑い芸人というよりやくざそのもの。アドリブに滅法強く、ステージ終了後のアンコールで観客からの意見や感想に1つずつ答えていくパフォーマンスが好評を得ている。渋く険しい顔と温かなファン・サービスとのギャップがおかしい、英コメディー界の大ベテラン。
音楽に合わせながら巨体を動かして笑いを取るのを得意としており、2005年には"Is This the Way to Amerillo"というシングル曲を販売して大ヒットを記録した。しかし彼が真価を発揮するのは、過激なブラック・ジョーク。どんな残酷な発言も、北部訛りと満面の笑みが醸し出す「良い人キャラ」がまろやかな笑いに仕立て上げる。
ゲイであることを売り物にするコメディアン。厚化粧とゴージャスな衣装に身を包んで話すお姉言葉が武器。ネタは様々なものを扱うが、結局は「性」のことをほのめかしてばかりの、下ネタを婉曲的に伝えるプロ。隠喩の度合いが強すぎて誰もジョークであることさえ気付かない場合もある、外国人が理解に苦しむブリティッシュ・コメディアンの代表。
いつでもどこでもギネス・ビールばかりを飲んでいる酔っ払いコメディアン。若き頃は牧師になるため神学校に通ったり、陶器の製作では超一流の腕を持つなどの横顔を持つが、ステージ上ではいつも千鳥足。タバコの吸い過ぎ、酒の飲み過ぎですっかりしゃがれた声を振り絞るように、俗物さを前面に出した粗野で下品な発言で観客を煙に巻く。
自ら「モンキー・ボーイ」と呼ぶほどのサル顔と、奇怪で激しい動き、そして次々と繰り出す奇想天外な発言を生かした変態キャラで聴衆を魅惑する、英国では異色のスタイルを持つコメディアン。日常の些細な出来事を大袈裟なホラ話に変えるのが得意で、ステージ上ではいつも全力投球。汗でびしょびしょのスーツ姿がトレード・マークになっている。
プロフィール: 27歳、マンチェスター出身、ギルドフォード・スクール・オブ・アクティング卒。TVドラマ、劇場などでの仕事を経て、2002年よりスタンダップ・コメディアンに。現在ではロンドンのレスター・スクエア駅近くに位置するコメディー・クラブでのパフォーマンスを中心に活動を行っている。


アテネの古代劇場を舞台に、狂言師の野村萬斎を主役に据えた「オイディプス王」では地元ギリシャの観客から喝采を浴びた
今回のインタビュー中、蜷川は何度も「普遍性」「世界性」という言葉を口にした。蜷川は、シェークスピアが生まれた国でシェークスピアをやること、それもあえて日本人が日本語でやるということ、これこそが世界に共通する「普遍性」を世界の人々と「共有する」ことだと信じている。本場、英国で圧倒的な支持を得る蜷川の舞台、その秘訣はこの「普遍性」「世界性」にありそうだ。蜷川はこれまで何度か英国人を使ったシェークスピア劇を上演したことがある。
ローマの将軍、ガイアス・マーシャス(後のコリオレイナス)は、歴戦の勇者でありながら民衆に対して傲慢な態度を取り、反感を集めていた。オーフィディアス率いるヴォルサイ人との戦いに勝利し、一躍英雄となったコリオレイナス。やがて執政官に推薦されるが、当時ローマでは執政官になるには謙虚な態度を民衆に示さなければならないという慣習があった。自尊心の高いコリオレイナスは、それを受け入れられず民衆を侮辱、ローマの地を追放されることに。復讐の念に燃える彼はかつての敵、オーフィディアスと手を組み、ローマに攻め入る。
1800年、英国外交官のエルギン卿は、ギリシャの古代遺跡「アクロポリスの丘」にそびえるパルテノン神殿の彫刻に魅せられた。当時のギリシャを支配していたオスマン・トルコの指導者スルタンから了承を得て、神殿の彫刻の模写や型取りをしていたエルギン卿は、やがて模造品では満足できなくなり、トルコ政府に賄賂を払い、神殿から彫刻を剥ぎ取って英国へ持ち帰ってしまった。さすがに当時のスルタンも、こんなにしっかりお持ち帰りされるとは思っていなかったのでは……?
大英博物館で最も日本人に人気の高い部屋といえば、やはりミイラの部屋だろう。これらのミイラが初めて大英博物館にやってきたのは、1756年。一儲けしようとエジプトへ渡った商人、ウィリアム・レシュリヤーのコレクションが、彼の死後、大英博物館へ贈られた。
18 世紀末、ナポレオンによる遠征でフランスの手に落ちたエジプト。ところが1801年、アレキサンドリアの戦いで英国軍はそのナポレオンを打ち負かしてしまう。古代文字が刻まれたロゼッタ・ストーンは、その戦利品のひとつとしてフランスから奪った品だ。つまり、略奪品の横取り品ということ。大英博物館に1802年から展示されている。
エジプト最後の王、ラムセス2世の堂々たる姿は、エジプト・コレクションの目玉でもある。1815年にカイロに着任した在エジプト英国領事、ヘンリー・ソルトは、就任中に多くの芸術品を収集したが、この胸像もそのひとつ。王を祀る聖堂から持ち出し、1818年に大英博物館へ寄贈した。
アフリカでは、17世紀からヨーロッパの商人による奴隷貿易が行われ、ベニン王国(現在のナイジェリア)でも、その海岸部が「奴隷海岸」と呼ばれるほど、盛んな取引が行われていた。19世紀に入ると、英国は奴隷貿易を禁止、物品貿易に乗り出すが、1897年、英国人外交官殺害事件をきっかけに英国軍がベニン王国を攻撃し、滅亡に追いやってしまう。その際、戦利品として持ち帰ったのが、この見事な真鍮プラークだ。この他にも多くの象牙や青銅が戦利品として英国へ持ち込まれた。
太古の文明メソポタミアで栄えた遺産は、1845年から51年にかけ、発掘家のオースティン・ヘンリー・レヤード卿により発掘された。巨大な都市遺跡、ニムルードの宮殿を飾ったレリーフには、当時の支配者、アッシュールパニパル王の狩りの様子や、戦争風景、鷲頭の精霊の姿が描かれている。長さ、高さともに3メートル以上ある有翼人頭像は、宮殿の守護神として、2対が門を守っていた。
スリランカの北東部で発見されたブロンズのタラの仏像は、セイロンの総督だった英国人ロバート・ブラウンリッグによって、1812~13年頃に持ち出された。その後彼は、1830年に大英博物館にこの仏像を寄贈。頭部の被り物部分には、かつて宝石が埋め込まれていたそう。本家スリランカのコロンボ国立博物館には、この仏像のコピーが展示されているというから、皮肉な話である。
現在のチェンナイ近郊にある村、アマラバティーは、南インドの仏教芸術の中心地。ここから持ち帰ったのが、この大ストゥーパだ。ストゥーパ(仏舎利塔)とは、インド仏教の僧たちのお墓である。ムガル帝国を滅ぼし、完全にインドの覇権を手にした英国は、宝石や香辛料などのお宝以外にも、多くの文化遺産をいただいた。この大ストゥーパは、1845年にチェンナイ(当時のマドラス)総督であったウォルター・エリオットにより発掘され、その後大英博物館に寄贈された。
アヘン戦争(1840年)に勝利して清朝を支配する以前から、インドと中国を結ぶ三角貿易を行っていた英国。茶、陶磁器やシルクなどの物品が行き交う中、仏教画など、重要文化財も多く英国へ渡った。中国北部で8体見つかった仏教僧侶の像は、そのうち7体が西洋の博物館に保管されているとか。また、地獄の審判像、笑う僧侶像などは、善と悪、天国と地獄という仏教の教えを反映した石像遺産。ナショナル・アート・コレクション・ファンドなどによる寄贈で、大英博物館入りした。
アステカ帝国時代に作られたとされるクリスタルのドクロは、ニューヨークの宝石商を経て1898年から大英博物館に保管されている。ところがこの品、後にヨーロッパで製造されたレプリカであることが判明。大英博物館の威信が、ちょっと傷ついた出来事だった。現在は、クリスタルの特徴やヨーロッパのクリスタル製造技術を紹介する形で展示している。
米国の押しの強さに巻かれることもある英国だが、そもそも米国人のルーツは英国にある。現在のヴァージニア州に植民地を開いて以降、英国人たちは米国大陸を西へ、北へ、南へと開拓するとともに、多くの北米探検を行った。1775年には、英国人探検家のキャプテン・クックが北米航海へ出発。この時、先住民たちが制作した木彫りのマスクなどを持ち帰っている。以後も、木彫りのトーテムポールや民族衣装など、多くの遺産が大英博物館へ寄贈、売却された。
太古の文明メソポタミアで栄えた遺産は、1845年から51年にかけ、発掘家のオースティン・ヘンリー・レヤード卿により発掘された。巨大な都市遺跡、ニムルードの宮殿を飾ったレリーフには、当時の支配者、アッシュールパニパル王の狩りの様子や、戦争風景、鷲頭の精霊の姿が描かれている。長さ、高さともに3メートル以上ある有翼人頭像は、宮殿の守護神として、2対が門を守っていた。
当時のギリシャを支配していたオスマン・トルコから「正式な許可を得て持ち出したもの」というのが大英博物館側の主張。ギリシャでは1830年の建国以来、国民の間で返還を求める声が出ていたが、特に、1981年に女優で政治活動家のメリナ・メルクーリが文化大臣に就任すると、返還の重要性を強く認識し、要求を強め始める。2001年には、アテネ・オリンピックを機に返還するよう求めたが、大英博物館がそれに応じることはなかった。
1802年に大英博物館へ運ばれて以来、多くの学者たちを魅了してきたロゼッタ・ストーン。その中でも、この石に刻まれている文字に魅せられたのが、フランス人学者、ジャン・フランソワ・シャンポリオンだった。大英博物館でロゼッタ・ストーンと出会ったシャンポリオンは、研究を重ね、1822年にこの文字の解読に成功する。こうして、古代エジプトの文字「ヒエログリフ」の研究に大きく貢献することになる。
ローマの陶磁器技術の髄が込められたポートランドの壺。大英博物館には1810年から展示されているが、1845年、この壺が酔っ払った来館者によって壊されてしまった。すぐに修復作業が始まるが、この時、37片の小さなピースが失われた。1945年、大英博物館はこの壺を正式に購入。その際に欠けていた破片が発見され、再修復が試みられるも、3ピース分しか修復できなかったという。1987年、次世代の修復者たちによって再び修復が試みられ、微細な破片をのぞき全てのピースが元通りにされた。100年以上の時をかけた、まさに執念の修復作業といえる。
ピューリタン革命で活躍し、1649年に英国に共和制を敷いたオリバー・クロムウェル。彼が英国北部への侵攻を進めたことから、以降、アイルランドは英国の植民地的な色合いが濃くなった。彼が亡くなったのは1658年。死因は何と、インフルエンザだったという。ワックス製のこのデスマスクは、大英博物館の生みの親であるハンス・スローン卿のコレクションとして、1753年、博物館設立と同時に展示された。
英国東部、イースト・アングリアで発見された船のお墓跡。アングロ・サクソン時代の古墳が多く残されていると言われるこの地方で、第1号として出土したのがサットン・フーの船墓場だ。発掘は1939年。武器具や金銀の装飾品など、多くの副葬品が発見され、大英博物館に展示されている。中世英国の暮らしぶりを知る上でも、非常に貴重な遺跡だ。
現在開催中の特別展
「演劇学」ではなく、俳優育成としての「演劇」という科目が学校教育で確固たる地位を確立している英国。ジュディ・デンチやユアン・マクレガーなど演劇/映画界で活躍している人たちの多くが、大学やその他高等教育機関で演劇を学び、学位を取得している。「演じること」が教育として認められている国だからこそ、世界に羽ばたく実力派俳優たちが続々生まれているというわけ。
テレビや映画で活躍している若手俳優/タレントが舞台へ出たがるというのも英国演劇の一つのトレンド。現在では、「Treats」出演に対する過度の緊張でドタキャン→初日延期などあれこれメディアに叩かれた末に何とか初日を務め上げたテレビ・ドラマ「ドクター・フー」出身の人気女優、ビリー・パイパーや、「EastEnders」出演後に舞台進出、今回不条理劇「The Caretaker」の大成功で「若手実力派」の仲間入りを果たしたナイジェル・ハーマンなどを舞台で観ることができる。旬の俳優を観るならまずは舞台! なのだ。

ハリー・ポッターでお馴染みのダニエル・ラドクリフと、ハリーの叔父、バーノン役のリチャード・グリフィスばかりが注目されがちな本作品。確かにダニエル君は時には全裸、時にはタバコを吹かしながらの大熱演を日々見せてくれている。でも観劇の際にもう一つ注目してほしいのが舞台美術と衣装。ミニマルな舞台は俳優の演技一つでその場所を次々と変え、シンプルな衣装が幻想的な馬たちを創り出す。観ている者の想像力を掻き立てる、これぞ演劇という作品だ。
18年間という超ロング・ランを続けるゴシック・ホラーの決定版。小さな舞台とシンプルな装置の中、2人の役者が演技力で観客たちを恐怖の世界へ誘ってくれる。顔の表情、声音を使い分けて数人の役柄を見事に演じる役者に、演劇ならではの良さを実感できるはず。より恐怖感を味わいたいのなら、ちょっとした仕掛けが楽しめる1階席がお勧め。
オープニング・ナイトは1952年11月25日。以来50年以上にわたってロンドンの劇場で上演され続けている驚異的な作品だ。元は推理小説の女王、アガサ・クリスティのラジオ劇用の短編ミステリー。クリスティが生前、ウエスト・エンドで本作が上演されている限りは出版しないよう言っていたために、いまだに英国内で本は出版されていない(ただし台本は出版)。
BBCの人気レポーター、ジェームス・モスマンが謎のメモを残して自殺した。彼の自殺の裏には何が隠されているのだろうか。
エンターテイナー一家の3代にわたる人生を通じて英国の戦後を描き出す。
2007年度シーズンは5月4日~10月7日。今年のテーマは「Renaissance and Revolution」、上演される作品は「オセロ」、「ヴェニスの商人」など。
劇作家、ブレヒトの戯曲を2作同時に上演するシリーズ、第1回目となる今回は「A Respectable Wedding」と「The Jewish Wife」の2作品。
ハロルド・ピンターの不条理劇。アストンはある日、浮浪者のデービスを家に連れてくる。同居している兄弟のミックは始めのうち嫌がっていたが……。
普通の人々が異常な状況に置かれた時に巻き起こる出来事を描いた、ミュージカル仕立ての人間ドラマ。
プロフィール=1958年生まれ。早稲田大学在学中に劇団「第三舞台」を旗上げする。80年代の小劇場ブームの牽引役として熱狂的な人気を誇るが2001年、同劇団の活動休止を発表。以降、自身の演劇プロデュース・ユニット「KOKAMI@network」を中心に活躍中。
ー今回は前回と異なり、演出を自ら手掛けられるそうですが、新しい演出プランは考えていらっしゃいますか。
ロンドン、バービカン劇場が、毎年様々な海外の作品を招致して上演するプロデュース企画、BITE(Barbican International Theatre Events)。記念すべき10周年を迎える今年は、日本のシェークスピア演出家として、英国でも絶大な知名度を誇る蜷川幸雄が公式招待を受け、日本人によるシェークスピア作品を上演することになった。演じられるのは「コリオレイナス」。古代ローマの悲劇の将軍、コリオレイナスの生涯を描いたこの作品を演じるのは、唐沢寿明はじめ、白石加代子、勝村政信ら人気、実力を兼ね備えた俳優陣。40人以上ものキャストが出演予定というから、スケール感溢れる芝居を期待できそうだ。
プロフィール=島根県出身。演劇ネットワーク「Office 59」に参加後、渡英。現在は舞台やテレビ、映画などで活躍している。2005年には演劇の枠に留まらないアート・プロジェクト・ユニット「Crop」を妻と2人で結成、昨年はリトアニアの国際演劇祭にも参加した。作曲家、ピアニスト、アコーディオニストとしても活動中。

ハリー・ベリー
粉屋
騎士
バースの女房
尼僧付の僧
免罪符売り
ジェフリー・チョーサー
日本の「お伊勢参り」に相当する、イングランドにおけるキリスト教徒にとっての宗教的なイベント。主に英国国教会の総本山であるカンタベリー大聖堂への巡礼を意味する。中世時代のカンタベリーはイスラエルのエルサレム、イタリアのローマ、スペインのサンティエゴ・デ・コンポステラと並ぶ4大巡礼地として認知され、また大量の巡礼者たちが殺到したため、近隣の宿屋や飲食店の収入にも大きく貢献し、街全体の発展にもつながった。ちなみにカンタベリー物語の主人公たちが歩んだロンドンからカンタベリーまでの道のりは、距離にしておよそ100キロ。片道を2、3日間の日程で歩ける距離だと想定されている。
カンタベリー物語の世界を再現した、テーマパークを彷彿とさせるアトラクション。かつて教会だった建物の内部を作り変えて建設された。ろう人形で作られた登場人物たちが物語を次々と披露し、入場者はまるで共に巡礼の旅に参加しているかのように楽しめる仕掛けとなっている。日本語の音声コントローラーあり。
巡礼地としてのカンタベリーの歴史は、トーマス・ベケットの殺害事件から始まった。ロンドンの商人の息子として生まれたベケットは1155年、イングランド国王の側近である大法官という地位に任命される。彼はローマ教皇からの独立を掲げ、イングランド王による教会の直接統治を説いたために、支配権の拡大を目論む当時の国王ヘンリー2世から寵愛された。
英国国教会の総本山。7世紀に修道院として建設され、以来改築を繰り返しながら1400年以上にわたって毎日この場所で礼拝が行われてきた。内部に設置されている殉教者トーマス・ベケットの墓を目にすれば、キリスト教の信者でなくても深い感慨を覚えてしまうだろう。遠景からでもはっきりと見えるほど高くそびえ立つ建物は、圧倒的な存在感を放っている。
ローマのグレゴリウス教皇から使命を与えられた聖アウグスティヌスが、イングランドへのキリスト教伝道のために海を渡ってたどり着いた場所の跡地。彼の尽力によって597年、ケント州のエルバート王が洗礼を受け、イングランドで初めてキリスト教信仰が正式に受け入れられるに至った。庭から覗く廃墟のような荒涼とした風景が、その偉大な歴史を醸し出している。
有史以前の様子からローマ人の入植時代、さらには中世に宗教都市として花開いて現代に至るまでのカンタベリーの歴史を網羅した博物館。またカンタベリーで生まれた英国が誇る劇作家、クリストファー・マーロウについての展示も充実している。英国の子供たちの間で人気がある、かわいいクマのキャラクター「ルパート・ベア」をテーマとした博物館も併設されている。
1世紀頃から侵攻し、イングランドを支配したローマ人たちの歴史を追った博物館。ローマ人たちは、カンタベリーを始めとするイングランドの各地域に巨大な都市を形成して勢力を大きく繁栄させていった。同博物館では、現存するモザイク模様のタイルほか、当時のローマ人たちがカンタベリーに建設した住宅施設や青空市場などを復元して展示している。
マーケットの周辺地域で育った旬の食材が、その生産者によって産地直送で販売される、それがファーマーズ・マーケット。しかし、どんな生産者でもそこに出店できるというわけではない。英国では、The National Farmers' Retail & Markets Association(FARMA)らによる商品の生産場所や加工方法などの厳しい諸条件(右参照)をクリアした選ばれし者のみが、ファーマーズ・マーケットへのストール(売店)出店を許されるのだ。つまり、安心して消費できる高品質の商品のみで構成されるのが、本物のファーマーズ・マーケット。そこここの路地で開かれる普通のマーケットとの違いはココだ。


まだ人気の少ない朝のカムデン・タウン駅を出て歩くこと約10分、バス通りを少し入ったところに建つ学校の駐車場に、15店ほどのストールが並ぶ。こぢんまりとしながらも粒揃いといった印象で、昼に近付くにつれ周辺に住む子供連れやお年寄りで賑わいを見せる。買い物帰りは、カムデン・マーケットに向かって人混みに消えて行くも良し、リージェンツ・パークに寄ってマーケットでの収穫を頬張るもまた良し。

FARM 2 KITCHEN

Sloane Square駅からPimlico Road に出てしばらく進んだところにあるOrange Square。この小さな広場が、土曜日だけは所狭しと並ぶストールと人で埋まる。ロンドンの大きなファーマーズ・マーケットの一つとして数えられるようになってきたこの会場は、心なしか他会場以上に落ち着いた雰囲気。ベルグレービアやチェルシー、バタシー地区の住民もよく利用するという。
臭いを……否、異彩を放つこのストールに並ぶのは、ニンニク、ニンニク、そしてニンニク。がっしりとした見事なニンニクの中でも、黄金色に輝くOAK-SMOKED GARLIC BULBSがお勧め。やはりニンニクをベースにしたペーストやチャツネのほか、ニンニクの苗まで売っているところが、なんとなくチャーミング。
牡蠣をその場で殻剥ぎして食べさせてくれるストールを発見! 見過ごしてしまいそうな小さな同店には、英国南東部エセックスのウェスト・マーシーの湾にほぼ毎日出て採ってくるという、新鮮な食べ頃の牡蠣が数種類並ぶ。ただし、出店は牡蠣のシーズンである9月から4月の間のみ。
サマーセットにある農場で飼われているバッファローの肉、ミルク、チーズ、ヨーグルトを扱う。バッファローの乳製品は、牛のものに比べて低脂肪・低コレステロールで、ヨーグルトは特にあっさりしている。牛の乳製品も置いているが、やっぱりバッファローのものを試したい。
日時: 日曜 10〜14時
この道30年のジェンナーさん夫妻が切り盛りする、ゴート・チーズ専門店。農場で飼育されている450頭のヤギのミルクからできたチーズに、お客が次々と惹き付けられる。毎週売り切れてしまうものもあると言い、最近の一番人気はガーリックとハーブが香る「Little Garlic」。
CHILTERN FARM FOOD
KUSHCUISINE

現在ロンドン最大規模を誇るのがココ。多くのストール主がこのファーマーズ・マーケットへの出店を希望し、また他会場との出店掛け持ちをするのに当会場を選ぶとのこと。市内中心部で主要駅やオックスフォード・ストリートに近いこともあり、出店数だけでなく人出の多さもダントツ。取材当日はあいにくの雨だったが、常連客に加えてセルフリッジの袋を提げた人や観光客らで賑わい、列のできるストールがいくつもあった。
小さな子供にも安心して食べさせられる、低糖・低脂肪の手作りケーキとスープを売る。一番人気は、パッション・フルーツのピューレを使った、冷凍保存可能なカップ・チーズケーキ。スープの種類は、旬の素材へのこだわりから週毎に替わるそう。スープもケーキも、素材の旨味がぎっしりと詰まった濃厚な味わいが特長。
ケントから野菜を運ぶ当ストールの自慢はリンゴ。常連客と思しき女性陣が、しっかりと品定めをした上で1袋、2袋と買っていく。野菜や果物を売るストールの中でも特に親切で、ここで素材の調理法を尋ねるお客が多い。そのうちお客同士で情報交換が始まるなど、親しみやすい雰囲気が魅力。

英国トイレ協会(BTA)が発起したLOO OF THE YEAR AWARDSという賞をご存知でしょうか? 毎年、英国中の美しいトイレを表彰、公衆トイレもホテルのように星の数で格付けされるわけです。そして昨年の英国内総合2位という栄誉に輝いたのが、ロンドン中心街の多くを管理下に置くウエストミンスター地区のカウンシル。30万ポンド(約7000万円)もの費用をかけて改装されたオックスフォード・サーカスの公衆トイレは最高ランクの5つ星が与えられました。また、ナショナル・レールのチャリング・クロス駅構内にあるトイレも「公共交通機関」部門での受賞をしています(ただしこちらは有料)
Barrett Street

やはりトイレ選びの基本は清潔さ? 洋式トイレでは必ず腰掛けなければいけない女性陣は特に敏感なよう。デパート、美術館・シアターを選んだ女性の大多数が、国籍問わずに「きれい、使いやすい」という意見で一致。逆に道端で見かける公衆トイレは最終手段のようです。また、「デパートやチェーンのカフェではトイレットペーパーが比較的やわらかいので」(Nさん、英国出身)というこだわりの男性意見もありました。
また、無料かどうかも大きなポイント。「金なんか払ってられるか!」(Tさん、日本出身)という意見が大多数を占めました。「多国籍企業が嫌いなので、チェーンのカフェやファーストフードのトイレをタダで使ってやります」(Dさん、ギリシャ出身)「国際展開しているお店は、たくさん儲けてるんだからいいじゃない」(Mさん、デンマーク出身)という個性的な理由も。また、男性の回答には「道端でしょう!」という意見もちらほら見受けられましたが、ウエストミンスター地区での行為は50ポンドの罰金なのでご注意あれ!
しかし、緊急事態には場所を選んでいられないものまた事実。パブ、チェーンのカフェ、ファストフードが3大駆け込みトイレとして男女を問わず人気です。理由はやはり「どこにでもあるから」というもの。ただし、トイレだと思ったドアがスタッフ・ルームだったりする可能性もあるので、注文してから使う派の人は注意が必要。また「利用客の層が広いから、どんな服でも入れる」(Kさん、男性、日本出身)という声もありました。確かに高級デパートのトイレに汚い格好で駆け込むのはやや気がひけてしまうのかも。

まずは肝心のトイレ設備。奥の自動ドアの向こうにあるホールに案内されると目に飛び込むのは、花が飾られピンクと白の色使いがとても可愛らしい個室の数々。もちろん塵1つなく、便器は「清掃済み」というカバーもついています。紙もふかふか!! 高級ホテルのような豪華な内装に、思わず必要以上に長く居座ってしまいたくなる……。使用後はすぐさまスタッフが個室を清掃するという徹底振り。
メイン・ホールに戻ってみれば「こちらへどうぞ」と美しい女性スタッフに案内され、ずらりと並ぶミラーの前へ。そしてハンド・マッサージが始まります。ブラジル出身だという彼女と世間話をしながらくつろいでいると、ここがロンドン随一のショッピング・ストリートだということを忘れてしまいそう。ちなみにハンド・マッサージの時間は10分と聞いていましたが、個人差があるようで私の場合は6分くらいだったかも? その後は、備え付けのコスメで好きにメイク直しをしてもいいし、スタッフによるメイク・アドバイスも受けられます。オリジナルのコスメやグッズは購入も出来ますが、押し売りのような雰囲気はまったくないので安心。ちなみに個人的なお薦めはリップ・バーム(1ポンド)。使いやすいサイズと柔らかいバラの香りが癖になる一品です。
買い物をしている時に、トイレが見つからなくて大変な思いをしたことがあって。それがこのコンセプトを思いついたきっかけです。でも、ここはただのトイレ以上の場所。地下のトリートメント・ルームを使って、今後はヘッド・マッサージや背中のマッサージも取り入れていこうと検討中なの。女の子って、たくさんのショッピング・バッグを抱えているから疲れるでしょう? パーティーの準備、待ち合わせ、休憩にメイク直しと様々な用途があるけれど、すべての女性に利用してもらえればって思うわ。

コンラン卿プロデュースによる現代プロダクト・デザインの宝庫、デザイン・ミュージアム。ここのトイレは他と一味違うんです。何と言ってもトイレの壁には、歴代の有名デザイナーの顔、顔、顔。女性トイレではミッドセンチュリー時代を代表するファニチャー・デザイナーのイームズ夫妻が、男性トイレでは「ボビーワゴン」のデザインで知られたイタリアの天才デザイナーであるジョエ・コロンボが出迎えてくれます。他にも英国出身の建築家アイリーン・グレイなど、知っていれば思わずニヤリとしそうな似顔絵が。トイレは1階のカフェ・スペースにあるので入場無料。人気のバトラーズ・ワーフを散歩する際にはぜひお立ち寄りを。

古代アイルランドの政治の中心地 



神々とつながる聖なる儀式の場
ユネスコの世界遺産にも登録


子宝に恵まれる石
強力なパワー・スポットの泉

七不思議の奇跡の村



手が全てを語っている
伝統的なサイキック
アイリッシュらしさ満点!
ダブリンの定宿に!
味もボリュームも満点 
アイリッシュ・ブレックファスト






