F1参戦して6戦目のカナダ・グランプリで見事初優勝を飾ったルイス・ハミルトン(22)。続く米国GPで再び優勝し、フランスGP、そして地元シルバーストーンで3位の成績を上げ、目下ドライバーズ・ポイント70でトップの座についている。
マナー良し、顔良しの超サラブレッド大型新人の登場に、F1界やファンだけでなく、ここずっとぱっとしたニュースのなかったスポーツ・メディアが諸手を挙げて大絶賛。ハミルトンにがっちり食らいついた(在英日本人としては、ケルティック・中村俊輔の活躍がトップ・ニュースだけど)。
中でも使われる頻度が高かった枕詞的フレーズは、①F1初の黒人ドライバー、②「F1界のタイガー・ウッズ」、③(ビルヌーブ以来)11年ぶりにデビュー戦を表彰台で飾る、④F1初のデビュー9戦連続で表彰台に上る、⑤F1史上4番目の若さで優勝、⑥「セナやシューマッハでさえ18戦目にしての初優勝だったのに」など伝説ドライバーとの比較。
それからもうひとつ、ハミルトンの父子鷹ぶりも忘れちゃいけない。5歳のルイス少年がラジコン・カーを器用に操るのを見てこれはと思った父が、息子とゴーカートで競い完敗。以降どのカー・レースでも負けなしのルイスは13歳でマクラーレンの候補生に。父は自身のITビジネスを畳み、息子のマネージャーに専念、現在に至る。かつてのウッズやテニスのウィリアムズ姉妹じゃないが、ほんとメディアは「黒人」「天才」「父による英才教育」の3点セットがお好きなようで。
同じ英国人でもスーパーアグリのデビッドソンとは天と地の扱いだなぁと感慨に耽るのは、よほどのひねくれ者か。