セレブに人気「バーレスク」
6月の来日時には、女性誌、ファッション誌はもちろんのこと、スポーツ新聞や「ポスト」「文春」などにもでかでかと紹介されて、流行に疎いおじさんたちの間にまで「バーレスク」という言葉を浸透させたディータ・ヴォン・ティース(34)。
バーレスクとはすなわち、19世紀末に生ま れた女性の魅力に焦点を当てた演劇・アート 性の高いパフォーマンスということだが、要 は高級ストリップ・ショーのこと。この少々 埃の溜まったバーレスクを、現代的にファッ ショナブルにアレンジして見せたのがディー タだ。乳首と股間を覆うだけのほぼ全裸の格 好で、巨大なシャンパン・グラスやボトル、 口紅を小道具に、エレガンスと退廃、エロス、 ユーモアをほどよくブレンドしたストリップ ティーズを披露。エアロスミスのスティーブ ン・タイラーやマドンナ、カイリー・ミノー グらセレブから人気に火がつき一般化した。
映画「東京物語」の原節子を彷彿とさせる 前髪上げのかっちりした漆黒ヘアスタイル、 血の気のない真っ白な肌、左目下の大きな泣 きぼくろ、豊胸手術したマネキンのように形 のいいバスト、56センチのウエスト(コル セット着衣時43センチ)。このレトロな美しさ と、バレエや水泳でマドンナ並に鍛え上げた 身体とのアンバランスさが唯一無比にして、 時代の気分にもぴたりと填 はまっている。
白塗りヘビメタ・ロッカー、マリリン・マ ンソンと今年始めに離婚後、イベントやパー ティーに引っ張りだこで、メディアの露出が 止まないディータ。いまだ懊悩 おうのう する元夫とは 対照的な見上げたプロ根性だ。目指すは、銀 幕女優に転身した伝説のバーレスク・ダン サー、ジプシー・ローズ・リーしかない。