女王、首相もねつ造の渦中
一時、日本で騒がれたテレビ番組のねつ造問題。英国もやらせ番組続出で、特にBBCに対する視聴者の信頼度は落ちっぱなしだ。
エリザベス女王のドキュメンタリー予告編では「写真撮影に向かう」女王が「不機嫌に撮影場所から立ち去り」、「Newsnight」では「心理的距離が近づいていった」ゴードン・ブラウンとジャーナリストが「離れていった」 かのように時系列を前後して編集。後者に対してBBCは「(突撃レポーター)ルイ・セローとゴンゾー(超主観的)・ジャーナリズムを組み合わせた番組だから」と抗弁したが、結局、女王と首相の両者に陳謝した。
また、BBCの子供番組「Blue Peter」やチャンネル4の「Richard & Judy」では、懸賞付き視聴者電話クイズで、あらかじめ回答者が仕込まれていたことが発覚した。
さかのぼればまだある。昨年放送分の「The F Word」(C4)で自分が釣ったシーバスを自慢げに料理するゴードン・ラムゼイ。実際はプロが釣ったものだった。「The Vanessa Show」(99年、BBC1)ではタレント事務所からニセ相談者を調達。自然ドキュメンタリー番組で知られる動物学者、デービッド・アッテンボロー卿は、22年前に放送された北極グマの野生出産シーンが、ベルギー動物園で撮影されたものだと暴露した。
やらせとまでは言えないが、BBC2の看板バラエティ3つ、「The Weakest Link」のアン・ロビンソンの辛口は一言一句台本通りだし、「Have I Got News for You」の質問は事前に回答者に伝えられている。そして「Never Mind The Buzzcocks」は一発撮りうたいながら何度も撮り直し。話半分どころか、二分くらいがちょうどのテレビだ。