米ドラマ「HEROES」にチビ・デブ・メガネのオタクな日本人サラリーマン(今どきこんな三重苦オヤジがいるのか)、ヒロ役で、今年の「ゴールデン・グローブ賞」テレビ部門助演男優賞候補に上った日本人俳優マシ・オカ(32歳)。BBC2ですでにパート2まで放映されているが、日本では先月から衛星放送が始まったばかり。オカらが出席した東京での記者会見では160人の報道陣が集まるほどの人気ぶりだった。
特殊能力に目覚めた人々が地球滅亡の危機を救うために活躍するタイトル通りのヒーロー物語で、変身なしの実写版「科学忍者隊ガッチャマン」といったところ。とにかくキチンと話を追っていかないことには、場所も時間もあちこち飛んでややこしい。基本は米国が大好きな定番ハルマゲドンなのだが。
時空間を操る能力を持つヒロが、地球最後の日を目撃するところから幕を切るが、狂言回しの重要なこの役を、とぼけた味わいでオカがそつなく演じている。二枚目と美人の中の醜一点だけにおいしい役どころだ。それにしてもヒドイのが、友人アンドー君。滅茶苦茶な日本語の発音で、英字幕を追わねば意味不明。映画「さゆり」もそうだったが、東洋人なら誰でもオッケーというのが米ショービズの限界なのか。笑えるけど勘弁して。
これまで「ウィル& グレース」「スクラブズ」などに出演しているマシ・オカは、ジョージ・ルーカスが経営するILMの視覚効果エンジニアでもある。これまで「パイレーツ・オブ・カリビアン」など30以上の映画を手掛け、現在も在籍中だ。7歳の時に一家で米移住し、IQ180の神童として雑誌「タイム」の表紙を飾ったこともある異色俳優に、ちょい期待。