先月18日、かねてより噂のあった仏大統領ニコラ・サルコジ(52)と妻セシリア(49)の離婚が正式に発表された。5月に行われた大統領選の決選投票を棄権し、選挙後は夫を置いてバカンスへ。完全に仲の冷えた仮面夫婦 だったのは周知の事実で、サルコジ政権に影響がないとみて年内離婚に踏み切ったようだ (世論調査で92%が「政治とは無関係」と回答)。
犬猿の仲シラクから「スマーフ」(ベルギー 人漫画家ペヨが描く小人キャラ)と形容され、フランス人男性の平均より10センチ強低い身長165センチのサルコジに対し、頭ひとつ高い元モデルの妻セシリア。容姿もファッショ ン・センスも各国の首相、大統領夫人の中ではズバ抜けていた。パリ大学法学部中退後、モデル、議員秘書を経て、テレビ司会者ジャック・マルタンと最初の結婚をしたのが1984年。次いで1995年に、ダブル不倫期間を経てサルコジと子連れ結婚。サルコジは息子2人、セシリアは娘2人を引き取っている。男子1人をもうけた後、2005年に今度はモロッコ人会社社長とニュー ヨークへ駆け落ち。こうして見ると、彼女の恋愛周期はほぼ10年ごとにある。
自身の葬儀に愛人と隠し子が参列し話題になったミッテラン、パリっ子から「シャワー込み3分」と渾名(あだな)されたシラク、そして今回、ナポレオン以来の任期中離婚で独身に戻るサルコジ。フランス大統領と女性問題は切り離せない感だが、権力を持つ男に魅力を感じないといえば嘘になる。モテて当然だろう。 故に、頂上で「お先~」と下山するセシリアの断行は、「体面(=ファースト・レディ)」 より「愛」が大事なフランス人らしいといえ ども、かなり新手。「頂上(サミット)離婚」の先鞭だ。