唯一の黒人女性枠
1日に公開したばかりの映画「Things We Lost in the Fire(悲しみが乾くまで)」で、夫を失った2児の母を演じているハル・ベリー(41)。実生活でも、9つ下のモデルとの間に第1子を妊娠しており、母になる日が近い。
朗報と醜聞を絶やさず提供してこそトップを走れるハリウッド俳優だが、ベリーにしてその例外ではない。10代、20代前半をミスコン荒らしとして鳴らし、23歳の時にスパイク・リー監督作「ジャングル・フィーバー」のヤク中役で銀幕デビュー。「アカデミー 栄光と悲劇」(99年)でゴールデン・グローブとエミー賞、「X-メン」ではシリーズ3作ともヒットし、02年の「チョコレート」で黒人初のオスカー主演女優賞を手にた(ハリウッド上層部の政治的配慮とも噂されたが)。唯一、「キャットウーマン」でゴールデン・ラズベリーの最低女優に選ばれたのが汚点だが、キャリア的には申し分ない経歴だ。
しかし、リー監督や俳優ウェズリー・スナイプス、シェマー・ムーアら男関係を中心とした私生活では谷が多い。プロ野球選手との最初の結婚が破綻し自殺未遂。元カレから慰謝料を請求され、別の男性からは暴行を受け片耳の聴覚をほぼ失う。ミュージシャンとの2度目の結婚も、相手の度重なる浮気で失敗。異性関係以外にも、テレビでユダヤ人の鼻をネタに笑いを取ろうとして抗議を受け謝罪し、信号無視して事故に巻き込まれ、世間の顰蹙を買った。また、19歳の時に糖尿病と診断され数年前までインシュリンを必要としていた。
主役級の黒人女性ならハリーという、アジア人のチャン・ツィイー的存在だが、産休にその座を狙う次世代は多いはず。なにせこの枠は1席しかないですから、ハリウッドでは。