翌朝ベッドイン回顧録
「生後18カ月のレオの前で、コーギーにビスケットを与えて見せた女王」に、「2歳半になったレオが、『ゴッド・セイブ・ザ・クィー ン』を歌った」そうだ。そんでもって国会議員の昇給を却下したゴードン・ブラウン財務相(当時)には、「膨大な家のローンを抱える所帯持ちの家計の苦しさが、独身貴族のこの男に分かるはずがない」と憤怒したんだとさ。シェリー・ブレア(53)の自伝「スピー キング・フォー・マイセルフ」によると。
夫トニーの首相時代には語れなかったあれやこれやの回想録ってことで、先月中旬に出版された18.99ポンドもするタレント本だが、退陣してからまだ1年、やけに早すぎやしないか。夫が歴史に残ると思うのなら、もっと咀嚼(そしゃく) ・熟考した方がよかったのではなかろうか。ゴシップとして読む分には面白いけど。
冒頭もそうだが、本の中身は「トニーとブッシュが『ミート・ザ・ペアレンツ』のDVDを 一緒に観てすっかり意気投合した」とか、「バルモラル城滞在中に避妊具を持って行かなかった」とか、もっとエグいのでいうと「誰もいない74番バスの2階でトニーのことを知って(=キス以上した)、翌朝、もっと知った(=セックスした)」といったシャロン・オズボー ンの自伝と全く変わらないクオリティ。要は、 「ほんとに首相の妻って大変なんだから~」と いうミーハーな自慢話だ。そういえば、くしゃおじさんの輪郭といい、いかつい体躯といいシャロンとソックリ。
余談だが、先月出版されたジョン・プレスコット、マイケル・レヴィ卿、そしてシェリーの「ポスト・ニューレイバー」回顧録が、3 冊揃ってアマゾンで発売前から定価の半額 だった。嗚呼。