視聴率ワースト2
気がつけば9回目、来週末でファイナルを迎える「ビッグ・ブラザー(以下BB)」。周りで「テレビ、何観てる?」と訊いて「アプレンティス」と答える人は多かったが、「BB」は皆無。ま、知性のかけらもない番組ゆえ、恥ずかしいですわな。こっちが「私はBB」と言えば、「私も毎日じゃないけど観る」と返ってくる。「アプレ……」等のリアリティ番組だと、多少目線を上にして観なきゃならないが(一応、能力を競っているから)、「BB」だと下でいいから楽チン。出ている素人をクサして、自分の方がマシだと優越感に浸ればいい。
今回の「BB9」はモグラ叩きよろしく、問題が出る度にバシッと潰し、そつがなかった。セクシャルな場面はなるべくカット。激しい口論が始まると即、待ったをかけて当事者に警告。ケンカ相手の顔にツバを吐いたゲイ・ダンサーやストリート・ギャングとの関係を匂わせたシングル・マザーら、グループに悪影響を及ぼす灰汁(あく)は序盤ですみやかに除去された。これも「セレブリティBB」のジェイド差別発言からの過剰反応、いや教訓か。
あまりにも制作サイドが剪定するから、先の読めるソープオペラでも観ているよう。アルビーノ、盲目、スタローンもどき、人工豊胸アマゾネス、ギリシャ彫刻、露出狂女子プロ、女子相撲……と、例年以上にキャラの分かりやすいメンバーを揃えたのも安易すぎて芸がない。これじゃ、「イーストエンダーズ」や「コロネーション・ストリート」を観て育った英国人には物足りないかも。
実際、視聴率は本シリーズのワースト2。特に黄金の広告ターゲット層16~36歳の視聴率が悪く、存続が危ぶまれている。そんなわけで出場者はセレブ末席にも座れない。ご愁傷様だ。