新ファッション・グル
黒ブチのごついスクエア・メガネにマッチ棒体型(昔は130キロ強あったらしい)がトレードマークの中国系スタイリスト、ゴク・ウォン(33)。チャンネル4「ハウ・トゥ・ルック・グッド・ネイキッド」「ゴクズ・ファッション・フィックス」などで人気を集める英テレビ界の新ファッション・グルだ。
北京オリンピックの年だからじゃあるまいが、彼に「ビッグ・ブラザー」キャットと、英国で東洋人セレブが2人も出るとは当たり年。なにせ芸能・スポーツ枠のオリエンタル系で思い付くのは、フィリピン人ハーフのタレント、メイリーン・クラス、タイ& 中国系バイオリニスト、バネッサ・メイ、80年代の料理番組で人気だった中国系米国人ケン・ホーとシンガポール人のナンシー・ラム、日本代表ではミュージシャンのカズコ・ホーキとサッカーの中村俊輔選手、ほかにマンUのパク・チソンら韓国人選手5人。まだまだ少数派だ。
番組「ゴクズ~」では、スカートを上下逆さまにしたり、肩ヒモをちょん切ったりして、ハイストリート・ファッションをブランド物にも負けないハイソかつスパイシーに見せるワザを紹介していたゴク(突拍子もないものが多かったが)。パリのマダムのごとく背すじピーンの気取った振る舞いは、キャピ感が少なく、両手指広げた手叩きと語尾伸ばしが、時代遅れの女子高生みたいな日本のおネエ・キャラとは違う。シアトリカルなのは共通しているが。やはりその国の女性性(若いのに限定される)が反映されるらしく、歌舞伎と同じで決まった「型」があるようだ。
「ゲイだから何言っても許せる」的強みとプレゼンの上手さで、そのうちグラハム・ノートンみたいにBBCに引き抜かれるかも。