ソープ・オペラの女帝引退
これまで15年間、東ロンドンの下町、アルバート・スクエアにあるパブ、クィーン・ヴィクの女主人、ぺギー・ミッチェルを演じてきたバーバラ・ウィンザー(72)が、来年、ドラマ「イーストエンダーズ」を去ることになった。仏になるわけではなく、時たま戻ってくる臨時雇い。引退は彼女の意志という。
2度の結婚と幾度かの恋愛に失敗し、乳がん克服、ならず者の息子グラントとフィルの2人を「You're a Mitchell!」と従わせる、勝ち気な家族第一主義のゴッド・マザー、ぺギー。気に入らない客には「Get outta my pub!」と追っ払う。60〜70年代、ケネス・ウィリアムズ主演のスラップスティック映画「キャリー・オン」シリーズで演じたヒロインとは大違いだ。なにせ、エアロビしているときにビキニ・トップが風で飛ばされ露わになった胸に、「いやんっ」なんて恥じらっていたのだから。
実際のバーバラは、ペギーに負けず劣らず。まず結婚は、ギャングのロニー・ナイトと20年連れ添った後、次に9年間、00年に25歳年下の男性と3度目の正直で今に至っている。他にも、「キャリー〜」で共演した喜劇俳優シド・ジェームスや、サッカー・ヒーロー、ジョージ・ベスト、ビージーズのモーリス・ギブ、イーストエンドで鳴らした悪党、双子のクレイ兄弟の片割れと浮き名を流してきた。女優と芸能・スポーツ・任侠系というベタな、らしい組み合わせだ。父親不信から子供は一生産まないと心に誓い、これまで5度中絶をしたと自伝に綴り、また、4年前、ヘルペスの一種、エプスタイン・バール・ウィルスに感染して3年もの闘病生活を強いられた。
アヒル声の女帝ぺギーのいないエンダーズなんて……。こりゃ、結構キツイかも。