毛並み良い女性シンガーが台頭
ビヨンセたち女性歌手の活躍が目立った米音楽賞「グラミー賞」同様、今年の「ブリッツ賞」は、候補の段階で、いつになくミドル・クラス出身で占められた「UKガールズ・パワー」に話題が集中。結果は残念ながら、アメリカンのレディー・ガガ独占だったが……。
気を取り直して、今後が楽しみな彼女たちを紹介しよう。まずは、前髪ホイップのショートヘアと70年代テクノ系音楽が特徴のラ・ルー(21)。母トルーディー・グッドウィンは、ドラマ「ザ・ビル」に14年間出演し、警官役としての世界最長記録を持つ女優、父キット・ジャクソンも「モース警部」などの刑事ドラマで知られる俳優だ。赤毛・そばかす・大足で、昔はデブだった彼女は、クロイドンの厳格な女子校で仲間外れの日々を送っていたという。
株式仲買人の父を持つかわいい系ピクシー・ロット(19)は、女優パッツィー・ケンジットやお笑いのラッセル・ブランドらを輩出した、学費160万円也の英国で最も古い独立系演劇美術学校イタリア・コンチ出身。また、英アルバム賞を獲った、シアトリカルな自己陶酔型歌手、フローレンス・アンド・ザ・マシーンのフローレンス・ウェルチ(23)は、ドゥーリッチにある学費200万円以上(!)の由緒正しきアレインズ校を卒業している。ロンドン大のルネッサンス学教授で作家の米国人母は、彼女が13歳の時、隣家の男性と駆け落ちして再婚。実父は広告代理店の重役だ。
ほかにも、有名私立女子校ハバーダシャーズ卒のマリーナ・アンド・ザ・ダイアモンズのマリーナ(24)や、英女性ソロ・アーティスト賞を獲った、喜劇俳優キース・アレンを父に持つ中退組リリー・アレン(24)と、英音楽界は良家の子女が、山椒以上の役目を果たしている。