「タブロイド」の女王
7月15日(金) ニューズ・インターナショナル社に、最高経営責任者を降りたいと辞表を出した。電話盗聴疑惑が明るみになって、こっちにすっ飛んできたボス(ルパート・マードック)が、記者に最優先は「こいつだ」って言ってくれたっけ。涙。退職金は5億円位らしい。
私が「ニューズ・オブ・ザ・ワールド(NOTW)」紙の編集長だった2000〜03年の間に、社の誰かが雇った私立探偵が誘拐殺人事件の被害者の携帯電話を盗聴。留守電に新たなメッセージが入るように古いメッセージを削除していたことが判明した上に、戦死した兵士の遺族への盗聴疑惑も浮上して、「一職員の不正行為」のためにNOTW紙が廃刊に追いやられてしまった。皆に告げたときは、「オマエが辞めないからだ」って……。野党労働党の「レベッカ降ろし」は理解できるにしても、夫のイートン仲間でご近所さん、キャメロン首相からも「辞任」を示唆されるなんてショック。それに、米国の親会社ニューズ・コーポレーション社の株を7%所有しているアラブの王子や、私にライバル心むき出しの1コ下のボスの娘、エリザベス(42)なんかも「辞めろ」ってさ。
イングランド中部チェシャー州ウォーリントンで生まれて、14歳でジャーナリストになろうと決めた私。女を武器にのし上がってきた赤毛カーリーって陰口叩く人もいるけど、NOTW紙の編集長になって3年後に女性初の「サン」紙編集長を6年務めた実績を忘れるなと言いたいわ。これじゃ、前夫ロス・ケンプが出ている「イーストエンダーズ」顔負けのソープ・オペラ。偽装写真で「ミラー」紙を解任された、元NOTW紙の上司、ピアース・モーガンみたいに、ほとぼり冷めたら回顧録出して、テレビで復活してやる。「レベッカ・ブルックスの仮想日記」より